東雲製作所

東雲長閑(しののめのどか)の投資と評論サイトです。ジオシティーズ(http://www.geocities.jp/shinonomenod/)から移転してきました。

押し目買い戦略は有効か

S&P500連動ETF、VOOの調整後チャートを示す。 VOOチャート 下落した株価が複数回反発した線を、テクニカル分析用語で支持線と言う。2021年以降、S&P500は9月20日に明確に下抜けるまで、概ね50日移動平均線で支持されていた。単に定期積立するより、50日線に…

「蜘蛛ですが、なにか?」に学ぶキャラクターの立て方

(本稿は「蜘蛛ですが、なにか?」の抽象的ネタバレを含みます。) 『蜘蛛ですが、なにか?』(原作・シナリオ監修:馬場翁、監督:板垣伸、アニメーション制作:ミルパンセ)は蜘蛛に転生した「私」を中心とした群像異世界ファンタジーだ。『蜘蛛ですが、な…

ショックを受けた人間はどうなるか

出張先で現場リーダーを務めていた。私はうかつな人間だが、サブリーダーが非常に優秀で常人の三倍ぐらいの仕事をこなす。仮に名前をシャアとしよう。予算に制約があり工期がタイトだったのだが、頑張って残業をして仕事を進め、工期に余裕が出てきた。する…

クライマーズ・ハイ感想――冴えないおじさんの人生だって面白い

(本稿は『クライマーズ・ハイ』の抽象的なネタバレを含みます。) 『クライマーズ・ハイ』(横山秀夫著、文藝春秋)は日航機墜落事故を報じる北関東新聞社内の出来事を追った2003年の小説だ。読んで感じたのはこの20年でエンタメセオリーが大きく変化したと…

長期下落している株は割安になった後暴騰する。

日経平均株価は8月30日から9月8日まで怒涛の八連騰。9月9日は下げたものの、9月10日も1.2%上昇。2週間で9.9%も上昇した。 日経平均チャート さらにすごいのがソフトバンクグループ株で、9月7日の1日だけで9.9%も暴騰した。9月3日から8日の4営業日で18.0%もの…

シャドーハウス感想――逆転・隠喩・二枚のカード

(本稿は『シャドーハウス』の抽象的なネタバレを含みます。)『シャドーハウス』(原作:ソウマトウ、監督:大橋一輝、アニメーション制作:CloverWorks)はユニークな設定のアニメだ。洋館「シャドーハウス」では貴族のような生活を送る顔のない黒づくめの…

梅ジャムとママレードを作った

6月初頭に梅の実を収穫して梅酒を漬けた。 shinonomen.hatenablog.com 6月10日に梅の木を見に行ったら、梅の実が大量にぼたぼた落ちていた。もったいないので虫に食われていない実とまだ生っている実を集めて梅ジャムを作ることにした。 通常、梅ジャムを作…

テーパリング・利上げ局面で強い資産は何か

FRBが年内にテーパリングを開始するという観測で市場が動揺している。先週のS&P500は0.59%下落。あおりを食らった日経平均は3.44%も下落した。 コロナで悪化した経済を立て直すため、米国のFRBを始めとした世界の中央銀行は、金利の引き下げや国債の購入とい…

天才とは量をこなせること――売れる作家の全技術感想

『小説講座 売れる作家の全技術 デビューだけで満足してはいけない』(角川書店)は『新宿鮫』などで知られる大沢在昌氏による小説の書き方本だ。天才が書いた本なので天才にしか役に立たない。 いや、役に立たないは言い過ぎで、凡才にも部分的には役に立つ…

ラーメンの残り汁カルボナーラが激ウマ

以前、ラーメンの残り汁で白菜餃子鍋を作ると美味いという記事を書いた。 shinonomen.hatenablog.com その後、さらに美味い料理を発見した。それがラーメンの残り汁カルボナーラだ。簡単に作れるのでレシピを公開する。 1)小鍋でラーメンの残り汁を煮立て、…

暴落した中国ハイテク株は割安か

中国株が暴落している。中国当局は7月にハイテク企業や教育企業などに対する規制を相次いで発表。香港ハンセン指数は7月に8.3%下落。特にハイテク株の下げが激しく、KWEB(CSIチャイナインターネットETF)は月初から26.1%、2月の最高値からは一時54%も下落した…

盤上の向日葵感想――100日間のどこかで死ぬワニの周囲の誰か

(本稿は『盤上の向日葵』の抽象的なネタバレを含みます。)『盤上の向日葵』(柚月裕子著、中央公論新社)は将棋を題材にしたミステリーだ。563ページもある長編だが、この先どうなるんだという興味でぐいぐい読まされ、特に後半は一気読みした。 『100日後…

半額神、客を走らす

晩御飯はスーパーBig-Aの半額弁当を食べることが多かった。ところが、Big-Aが戦略を転換し、以前なら半額にしていた時間帯になっても三割引にしかしなくなってしまった。私には弁当は半額でしか買わないというポリシーがあるため、なかなか買うことができな…

QQQのRSIが70を超えたら下落を待った方が良い

つみたてNISAとiDecoで米国株インデックスファンドを積み立てている。QQQ連動投信はつみたてNISAやiDecoで買えないので、QQQ連動ETF(2631)を手動で買っている。せっかくなので下落時に買うことにしているのだが、QQQは6月3日に移動平均線付近まで下落して以…

スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました感想

『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』(森田季節原作、木村延景監督)(以下スラMAX)は異世界に転生し不老不死になった主人公アズサが、300年間コツコツスライムを倒していたら最強になっていたという出落ちのような小説が原作…

シン・エヴァンゲリオン劇場版感想――もっと脚本に労力を!

(本稿はシン・エヴァンゲリオン劇場版のあからさまなネタバレを含みます。) ようやく『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を観た。 私のこれまでの新劇場版の評価は、序→かなり面白い、破→すげー!最高!!、Q→ひどすぎる、もう知らん!という感じだ。Qで心が…

色んな料理に納豆を足してみた

健康診断で貧血気味という結果が出た。食事に鉄分が不足しているようだ。安価に鉄分が採れる食品と言えば納豆である。そこで、色んな料理に納豆を足してみた。 納豆味噌ラーメン 味噌と納豆は両方大豆なので当然相性は良い。スープに納豆の旨味が加わって一…

流感想―人生は素晴らしいものであってくれという祈り

(本稿は『流』の抽象的なネタバレを含みます。) 『流』(東山彰良著、講談社)は1980年前後の台湾を舞台にしたマジックリアリズム小説だ。 抗日戦争から現代へと続く堂々たる大河小説であり、初恋を描いた瑞々しい青春小説であり、鮮やかなミステリーでも…

メシマズの発見

ネットでは時々交際相手や伴侶がメシマズだという話を見る。私は腐っているもの以外ほとんど不味い物を食べたことがないので、そんなことがあるのだろうかと疑問に思っていた。だが先日、こういうのがメシマズと呼ばれるのか、という事例に思い至った。 私は…

ETFリターンランキングから探す有望グロース株ETF

株の長期リターンは成長性に比例する。長期投資では成長性が高い資産に投資することが肝要だ。株は短期的にバブルを形成するが、バブルは長続きしない。長期のリターンほど、株の成長性を反映している可能性が高い。 etfdb.com EFTDBというサイトに米国ETFの…

たった40分で誰でも必ず小説が書ける 超ショートショート講座感想

『たった40分で誰でも必ず小説が書ける 超ショートショート講座』(田丸雅智著、キノブックス)は各地でワークショップをやっているショートショート作家の田丸氏が、誰でも必ずショートショートが書けるというメソッドを開示した本だ。本当に誰でも書けるのか…

『ゆるキャン△12』感想―好きなことをやる自由とリアリティレベル

(本稿は『ゆるキャン△12』のネタバレを含みます。) 『ゆるキャン△12』(あfろ著、芳文社)はドラマも放送中の大人気キャンプ漫画の最新刊だ。12巻は千明、あおい、恵那の三人が行った瑞牆山キャンプの回想が描かれる。 私はなでしこが大好きなので、三人…

移動平均線乖離率とリターンの検証(S&P500編)

1.はじめに移動平均線とは過去X日間の株価の平均値を結んだ線で、テクニカル分析の基本となる。移動平均線の向きで上昇・下落トレンドを判定するほか、移動平均線と株価の乖離率も参考指標となる。 info.monex.co.jp 移動平均線乖離率に関しては大きく分けて…

プロ作家になるための四十カ条感想

『プロ作家になるための四十カ条』(若桜木虔著、KKベストセラーズ)は加藤廣氏など18名の生徒をプロデビューさせたという小説家養成講座の講師が書いた小説の書き方本だ。普通の小説の書き方本が面白い小説を書く方法を説いているのに対し、本書は新人賞を…

パワーポイントファイルの余白を増やす方法

仕事でパワーポイントファイルの報告書を作成した。印刷して製本しようとした所、綴じ代を考慮していなかったため、図に穴があいてしまった。 パワーポイント図面の例として、某製作所の2020年月次利益(アフィリエイト収入)の推移グラフを示す。 スライドサ…

プロフェッショナル仕事の流儀~庵野秀明スペシャル~感想

『プロフェッショナル仕事の流儀~庵野秀明スペシャル~』が話題になった。ネットでは異常なまでにクオリティを追及する庵野監督に振り回される周囲の人々に同情する意見が多かった。私は本放送を録画しておらず観られなかったのだが、5月1日の深夜に再放送…

本屋大賞作家のデビュー新人賞まとめ

作家になるのは大変だが、作家になってから生き残るのも大変だ。作家としてデビューしても、本が売れなければ新刊が出せなくなってしまう。作家としてやっていくにはただの作家ではなく人気作家にならなくてはならない。 人気作家の証の一つが本屋大賞だ。書…

オーケー(スーパー)レビュー

コロナ禍で近所の安売りスーパービッグAへの依存度が上がっている。以前は晩御飯はチェーン店で食べて帰ることが多かったが、最近はもっぱらビッグAの半額弁当になったし、在宅勤務の時は昼ごはんにビッグAで買った袋麺を食べている。計算してみた所、私…

真実の10メートル手前感想――計算された駆動力

(本稿は『真実の10メートル手前』の抽象的ネタバレを含みます。) 『真実の10メートル手前』(米澤穂信著、東京創元社)はフリージャーナリスト大刀洗万智の活躍を描いた連作ミステリー短篇集だ。ほとんどの作品にろくでもないおじさんが登場し、ろくでもな…

察しの悪いみかんの話

庭の木にみかんがなった。正確に言うと冬頃になっていたのだが、面倒くさいので放っておいたら風の強い日などにぼたぼた落ちてくるようになった。 苗を植えたわけではなく種から生えてきた木なので、店で買うものの味とは比べるべくもなく結構酸っぱいが、落…