GAFAMに代表される米国の大型テクノロジー株に集中投資する投資信託が増えてきた。
かつてはテクノロジー株に集中投資できるのは2018年にできたiFreeNEXT NASDAQ100インデックスしかなかったことを思うと隔世の感がある。
選択肢が多いのは良いのだが、多すぎてどれが良いのか分からないので、それぞれの投資信託の特徴を整理した。
同じ指数に連動する投資信託が複数ある場合は、広く購入でき、実質信託報酬が最も安いものを紹介している。
ニッセイNASDAQ100インデックスファンド
ニッセイアセットマネジメント
www.nam.co.jp
NASDAQ100指数(配当込み、円換算ベース)に連動
信託報酬:年率0.2035%(税抜0.185%)
純資産総額:466,446百万円
設定日:2023年03月31日
銘柄数:101
セクター内訳
情報技術 49.9%
コミュニケーション・サービス 15.2%
一般消費財・サービス 12.5%
生活必需品 8.9%
ヘルスケア 5.2%
資本財・サービス 4.3%
組み入れ上位
1 エヌビディア 情報技術 8.5%
2 アップル 情報技術 7.7%
3 マイクロソフト 情報技術 5.7%
4 アマゾン・ドット・コム 一般消費財・サービス 4.6%
5 テスラ 一般消費財・サービス 3.8%
6 ウォルマート 生活必需品 3.5%
7 アルファベット(A) コミュニケーション・サービス 3.4%
8 メタ・プラットフォームズ コミュニケーション・サービス 3.4%
9 ブロードコム 情報技術 3.0%
10 アルファベット(C) コミュニケーション・サービス 3.1%
NASDAQ100指数に連動する投資信託。ナスダックに上場する非金融銘柄の時価総額上位100銘柄の時価総額を加重平均して算出される。
NASDAQ100指数は1985年から算出されており、長期に渡ってS&P500のリターンを上回っていることから信頼度が高い。
取り上げた中では銘柄数が101と圧倒的に多く、テック株投信の中では値動きがマイルドになっている。
なお、NASDAQ100指数連動投資信託で信託報酬が最安なのは楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンドだが、楽天証券でしか買うことができないので、次に実質信託報酬が安いニッセイNASDAQ100を取り上げた。証券口座が楽天証券の人は楽天・プラス・NASDAQ-100を買った方が良い。
楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンド | 投資信託 | 楽天証券
ニッセイSOX指数インデックスファンド(米国半導体株)
ニッセイアセットマネジメント
www.nam.co.jp
SOX指数(配当込み、円換算ベース)に連動
信託報酬:年率0.2035%(税抜0.185%)
純資産総額:75,758百万円
設定日:2023年03月31日
銘柄数:30
セクター内訳
情報技術100%
組み入れ上位
1 エヌビディア 情報技術 12.6%
2 ブロードコム 情報技術 10.4%
3 マイクロン・テクノロジー 情報技術 7.1%
4 マーベル・テクノロジー 情報技術 4.9%
5 アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD) 情報技術 4.4%
6 KLA 情報技術 4.1%
7 インテル 情報技術 4.1%
8 クアルコム 情報技術 4.0%
9 テキサス・インスツルメンツ・インコーポレーテッド 情報技術 4.0%
10 アプライド・マテリアルズ 情報技術 3.9%
半導体株30銘柄からなるSOX指数に連動する投資信託。半導体関連銘柄のみで構成されており、組み入れ銘柄が他と大きく異なる。
直近1年が+77.81%と圧倒的リターンを誇る。比較的銘柄数は多いが、全て同業種なので値動きが荒い。
SOX指数連動投信も楽天・プラス・SOXインデックス・ファンドの方が信託報酬が安いが、やはり楽天証券でしか買えないのでニッセイの方を紹介した。
楽天・プラス・SOXインデックス・ファンド | 投資信託 | 楽天証券
iFreeNEXT FANG+インデックス
大和アセットマネジメント
www.daiwa-am.co.jp
NYSE FANG+指数(配当込み、円ベース)の動きに連動
信託報酬:年率0.7755%(税抜0.705%)
純資産総額 9,590億円
設定日:2018年1月31日
銘柄数:10
セクター内訳
情報技術 56.9%
コミュニケーション・サービス 30.5%
一般消費財・サービス 9.7%
組み入れ上位
1 エヌビディア 情報技術 アメリカ 11.2%
2 アルファベットコミュニケーション・サービス アメリカ 10.7%
3 メタ・プラットフォームズ コミュニケーション・サービス アメリカ 10.5%
4 アップル 情報技術 アメリカ 10.4%
5 ブロードコム 情報技術 アメリカ 10.2%
6 アマゾン・ドット・コム 一般消費財・サービス アメリカ 9.7%
7 ネットフリックス コミュニケーション・サービス アメリカ 9.2%
8 マイクロソフト 情報技術 アメリカ 8.7%
9 クラウドストライク 情報技術 アメリカ 8.4%
10 パランティア・テクノロジーズ 情報技術 アメリカ 7.9%
NYSE FANG+指数に連動する投資信託。メタ、アップル、アマゾン、ネットフリックス、アルファベット(Google)、マイクロソフトの6社を固定し、残りの4銘柄は時価総額、流動性、成長性(売上高成長率など)を基準に選定している。
独自の銘柄選定を行うアクティブ投信に近く、その分信託報酬が高い。
今回取り上げた中では最も運用期間が長く、純資産総額が最も多い。
ニッセイ・S米国グロース株式メガ10インデックスファンド
ニッセイアセットマネジメント
www.nam.co.jp
Solactive US Growth Mega 10 Select インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動
信託報酬:年率0.385%(税抜0.35%)
純資産総額:59,901百万円
設定日:2025年11月04日
銘柄数:10
セクター内訳
情報技術 31.7%
金融 20.6%
一般消費財・サービス 19.9%
コミュニケーション・サービス 18.6%
ヘルスケア 9.2%
組み入れ上位
1 ブロードコム 情報技術 10.9%
2 エヌビディア 情報技術 10.9%
3 ビザ 金融 10.4%
4 マスターカード 金融 10.2%
5 テスラ 一般消費財・サービス 10.0%
6 マイクロソフト 情報技術 9.9%
7 アマゾン・ドット・コム 一般消費財・サービス9.9%
8 アルファベット(A) コミュニケーション・サービス 9.4%
9 メタ・プラットフォームズ コミュニケーション・サービス 9.2%
10 イーライリリー・アンド・カンパニー ヘルスケア 9.2%
成長株10銘柄に10%ずつ投資する投資信託。ドイツのSolactive社が算出した指数に連動しており、FANG+のライバルと目されている。
マスターカードとビザが入っており、金融セクターのウェイトが高いのが特徴。
10銘柄に集中投資する投資信託の中では比較的信託報酬が安い。
一歩先いく US テック・トップ20インデックス
大和アセットマネジメント
www.daiwa-am.co.jp
FactSet US Tech Top 20 指数(配当込み、円ベース)に連動
信託報酬:0.0825%(税抜き0.075%)
実質的に負担する運用管理費用 0.495%(税込)以内
純資産総額:599.00億円
設定日:2024年3月13日
銘柄数:20
セクター内訳
情報技術 56.2%
一般消費財・サービス 21.5%
コミュニケーション・サービス 17.0%
ヘルスケア 4.3%
組み入れ上位
1 エヌビディア 8.7%
2 アップル 8.2%
3 アルファベット 8.0%
4 テスラ 7.9%
5 アマゾン 7.5%
6 メタ 7.2%
7 マイクロソフト 6.8%
8 ブロードコム 6.7%
9 パランティア・テクノロジーズ 6.4%
10 KLA 4.8%
米国のテクノロジー銘柄に集中投資する投資信託。
20銘柄のため、10銘柄の投信よりは分散性が高く、他には入っていない超大型ではないテック株が組み入れられている。
グローバルX US テック・トップ20 ETFもあり、こちらの方が信託報酬が低い。
米国大型テクノロジー株式ファンド(マグニフィセント・セブン)
三井住友トラスト・アセットマネジメント
www.smtam.jp
米国を代表する大型テクノロジー株式7銘柄(マグニフィセント・セブン)に集中投資
信託報酬:年率0.594%(税抜0.54%)
純資産総額:141.33 億円
設定日:2024年3月22日
銘柄数:7
業種内訳
1 メディア・娯楽 29.44%
2 自動車・自動車部品 15.66%
3 テクノロジー・ハードウェアおよび機器 15.65%
4 半導体・半導体製造装置 14.56%
5 一般消費財・サービス流通・小売り 12.87%
6 ソフトウェア・サービス 10.36%
組み入れ上位
1 アルファベット メディア・娯楽 19.12%
2 テスラ 自動車・自動車部品 15.66%
3 アップル テクノロジー・ハードウェアおよび機器 15.65%
4 エヌビディア 半導体・半導体製造装置 14.56%
5 アマゾン 一般消費財・サービス流通・小売り 12.87%
6 マイクロソフト ソフトウェア・サービス 10.36%
7 メタ メディア・娯楽 10.33%
マグニフィセント7に集中投資するという分かりやすいコンセプトの投資信託。
組み入れ銘柄が固定されているため、将来どれかが没落しても入れ替えられないリスクがある。
銘柄入れ替えや選別の手間がかからないわりに信託報酬は高め。純資産総額が最も少ない。
Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)
アモーヴァ・アセットマネジメント
www.amova-am.com
S&P500トップ10指数(配当込み、円換算ベース)に連動
信託報酬 年率0.10725%(税抜0.0975%)
設定日:2024年5月16日
純資産総額 623.82億円(3/31)
銘柄数:10
業種内訳
1 半導体・半導体製造装置 26.6%
2 メディア・娯楽 19.9%
3 テクノロジー・ハードウェアおよび機器 17.8%
4 ソフトウェア・サービス 13.1%
5 一般消費財・サービス流通・小売り 9.7%
6 自動車・自動車部品 4.9%
7 金融サービス 4.3%
8 銀行 3.8%
組み入れ上位
1 エヌビディア 半導体・半導体製造装置 19.5%
2 アップル テクノロジー・ハードウェアおよび機器 17.6%
3 マイクロソフト ソフトウェア・サービス 12.9%
4 アマゾン 一般消費財・サービス流通・小売り 9.5%
5 アルファベットクラスA メディア・娯楽 7.7%
6 ブロードコム 半導体・半導体製造装置 6.7%
7 アルファベットクラスC メディア・娯楽 6.2%
8 メタ メディア・娯楽 5.7%
9 テスラ 自動車・自動車部品 4.8%
10 バークシャーハサウェイ 金融サービス 4.2%
S&P500の時価総額上位10銘柄に集中投資するという分かりやすいコンセプトの投資信託。
パフォーマンスが悪い銘柄が自動的に除外されるというメリットがある。
業種やパフォーマンスによる選別を行っていないため唯一バークシャーハサウェイが組み入れられている。
今回取り上げた中では信託報酬が最も低い。
各投信の比較
各投信の情報一覧表を示す。最も良いものを青で色づけした。

実質信託報酬はTracers S&P500トップ10が圧倒的に低く、次いでニッセイNASDAQ100、ニッセイSOX指数が低い。
純資産総額はiFreeNEXT FANG+が最も多く、次いでニッセイNASDAQ100が多い。純資産総額は100億円以上あれば安心と言われているので、どの投資信託も問題ない。
設定日はiFreeNEXT FANG+が最も古く、運用期間が長い。
次に、過去1年のリターン、リスク(標準偏差)、シャープレシオを示す。ニッセイグロースメガ10は運用期間が1年未満のためデータが存在しない。

過去1年のリターンはニッセイSOX指数が圧倒的に良かった。リスクはニッセイSOX指数が最も高いのだが、リターンが圧倒的なためシャープレシオもニッセイSOX指数が最もよかった。
リスクはニッセイNASDAQ100が最も低かった。101銘柄に分散されている効果だろう。

過去3年のデータでもやはりニッセイSOX指数のリターンが最も良かったが、FANG+との差がだいぶ縮まった。リスクはやはりニッセイNASDAQ100が最も良かった。
2023年3月31日を100とした各投信+S&P500連動投信の値動きを示す。

グラフを見るとSOX指数の値動きが非常に荒いことが分かる。半導体株にはサイクルがあり、今は急騰した所なので、積極的には買いにくい。
そう考えるとFANG+はNASDAQ100よりは値動きが荒いものの、SOX指数よりは値動きが安定しているため、悪くない。
次に、2024年5月16日を100とした各投信+S&P500連動投信の値動きを示す。

SOX指数以外は概ね似たような値動きをしていることが分かる。
SOX指数以外では、米国大型テクノロジー、次いでUS テック・トップ20のリターンが良い。これが有意な差なのか判断するためには、もう少し長期のデータがほしい所だ。
どれもS&P500のパフォーマンスは上回っており、銘柄選定に一定の合理性があることが伺える。
まとめ
信託報酬が最も安いのはTracers S&P500トップ10。
リターンが最も良かったのはSOX指数連動投信。ただし値動きが荒いという欠点がある。
リスクが最も低かったのはNASDAQ100連動投信。
どれもS&P500のパフォーマンスは上回っている。