東雲製作所

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2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

嫌なことが起こらない世界――ボラード病感想

(本稿は『ボラード病』のネタバレを含みます。)『ボラード病』(吉村萬壱著、文藝春秋)は嫌な小説だ。普通の小説は読者にとって心地よいことを書くが『ボラード病』は嫌なことを書く。 小学五年生の主人公、恭子の視点で何気ない日常生活が描かれるが、そ…

カマシと成長の余地――りゅうおうのおしごと!感想

(本稿は『りゅうおうのおしごと!』の内容に触れています。)主人公とヒロインが強すぎないかというのが『りゅうおうのおしごと!』(白鳥士郎著、GA文庫)を読んだ最初の感想だ。主人公の九頭竜八一は16歳にして将棋界最強の竜王を獲得した天才棋士。八…

全ての小説は走馬灯である。――海を失った男感想

(本稿は『海を失った男』のあからさまなネタバレを含みます。)『海を失った男』(シオドア・スタージョン著、若島正編、晶文社)の表題作を最初に読んだ時は訳が分からなかった。二回目に読んだ時、意味が分かり、三回目で傑作であることが分かった。四回…

演者としての評価――M-1グランプリ2015感想

5年ぶりに復活したM-1グランプリは敗者復活戦から決勝戦まで面白いネタばかりで何度も笑い転げた。 番組自体は大満足だったのだが、気になることがあった。審査員の採点が私の評価とはだいぶずれていたのだ。メイプル超合金が面白かったのに…という意見は既…