株高が続いている。S&P500は6月21日現在で年初来で14.16%上昇している。
だが、投資家のセンチメントを表すFear&Greed Indexは79のExtreme Greed(極度の強欲)になっている。このまま上昇が続くのだろうか。
Fear&Greed Indexについては2020年1月10日に記事にしている。
この記事ではExtreme Fearは良い買い場だが、Extreme Greedは必ずしも良い売り場ではないと結論づけている。
だが、最近は傾向が変わってきた。
過去1年のFear&Greed IndexとS&P500の比較を示す。
赤線で示したFear&Greed IndexがExtreme Greedでつけたピークと、S&P500のピークはほぼ一致している。また青線で示したFear&Greed IndexがExtreme FearでつけたボトムとS&P500のボトムも概ね一致している。
データを拾えた過去3回に、Fear&Greed IndexがExtreme Greedでピークをつけた後のS&P500の値動きは下記の通りだ。
2023年2月1日 82→27営業日で6.40%下落
2022年12月1日 76→18営業日で7.20%下落
2021年11月9日 77→15営業日で3.68%下落
過去3回は平均5.76%下落している。
なぜ、2020年1月時点ではFear&Greed IndexのExtreme Greedと株価のピークが一致していなかったのに、最近は一致するようになったのだろうか。
ざっくり言うと、2020年以前の米国株は右肩上がりの上げ相場だったのに対し、2021年から2023年前半はレンジ相場だった。上げ相場ではレンジ相場より下落が起きにくいので、Fear&Greed Indexのピークと株価のピークが一致しなかったのだと考えられる。
現在、2022年8月のピークを上抜いて新たな上げ相場が始まったのであれば、Fear&Greed Indexのピークと株価のピークが再び一致しなくなるかも知れない。だが、今がレンジ相場か上げ相場かを判断することは難しい。
現在Fear&Greed Indexは6月15日に82のピークをつけて下落したがまだExtreme Greedにとどまっている。
過去にはExtreme Greedになってから上昇したこともあったので、空売りした方が良いとまでは言えないが、過去3回は下落しており、リスクが高い。
また、S&P500の予想PERは19.92と過去平均の18前後と比べて割高で、センチメントだけでなくバリュエーション面でも買いにくい。
Fear&Greed IndexがExtreme Greedの間は買いを見送った方が良いのではないだろうか。