東雲製作所

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押し目買い戦略は有効か

S&P500連動ETF、VOOの調整後チャートを示す。

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VOOチャート

 

下落した株価が複数回反発した線を、テクニカル分析用語で支持線と言う。
2021年以降、S&P500は9月20日に明確に下抜けるまで、概ね50日移動平均線で支持されていた。
単に定期積立するより、50日線にタッチした所で押し目買いすればリターンを改善できたのではないか。

そこで、2021年1月から9月に毎月月初に100$ずつ得られる投資資金を、下記の2戦略で投資した場合の9月28日時点でのリターンを比較した。
1)毎月月初に100$ずつ購入(定期買い戦略)
2)50日線を下回るまで待って、その時点で貯まった投資資金全額で購入。(押し目買い戦略)

1)定期買い戦略    6.92%
2)押し目買い戦略    7.04%

押し目買い戦略が上回ったものの、リターンの差は0.12%とわずかだった。

一方、同様の戦略を2020年4月から2021年9月の期間で行った場合のリターンは下記の通りだ。
1)定期買い戦略    24.00%
2)押し目買い戦略    21.80%

S&P500は4月23日から9月18日まで5ケ月間、50日移動平均線にタッチしなかった。この間に買えなかったことで、押し目買い戦略の方が2.2%劣後する結果となった。

押し目買い戦略ははっきりした支持線が存在する時であれば、わずかにリターンを改善できる可能性があるが、上げ相場で長期間支持線にタッチしないと大きくリターンを損ねるリスクがある。
また、定期買い付けの場合は設定して放っておけば良いのに対し、押し目買いをするには毎日値動きをチェックしなくてはならず、手間がかかる。
押し目買い戦略によるリターンの改善はわずかで、リスクと労力に見合っていない。

ただし、今回の検証期間はS&P500が右肩上がりだった。上げ相場ではさっさと買うのが有効だが、横ばいのレンジ相場や、下げ相場では押し目買いや下落待ちが有効である可能性がある。
それについては後日、別記事で検証する予定だ。

結論:上げ相場では押し目買いによるリターンの改善効果はわずかで、リスクと労力に見合っていない。