東雲製作所

東雲長閑(しののめのどか)の投資と評論サイトです。ジオシティーズ(http://www.geocities.jp/shinonomenod/)から移転してきました。

パワハラなしに指導できないのが良い先生なわけないだろう――3年A組-今から皆さんは、人質です-感想

(本稿は「3年A組-今から皆さんは、人質です-」の抽象的ネタバレを含みます。文中敬称略) 『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(武藤将吾脚本)は非常に続きが気になるドラマだ。回毎に構図を変えて視聴者を飽きさせない構成が上手く、ミステリー的面白さ…

VIX指数35以上、実績PER20以下は絶好の買い場

今から見れば、年末年始は絶好の株の買い場だった。 S&P500は12/24からの一ヶ月で12.4%も上昇した。年率なら148.8%だ。 普段なら、超凄腕の投資家が相当苦労して隠れた有望株を発掘しても、なかなか月に10%のリターンを上げることは難しいが、年末に勇気を持…

他者の色がないと気づけない――色づく世界の明日から感想

(本稿は『色づく世界の明日から』の抽象的ネタバレを含みます。) 『色づく世界の明日から』(篠原俊哉監督)のヒロイン月白瞳美が色を見ることができないという設定には舌を巻いた。テーマ的にも表現的にも見事な設定だ。 第一に、瞳美が世界を活き活きと…

効率的市場仮説は10年しか成り立たない

投資の世界で有力視されている仮説に効率的市場仮説がある。 効率的市場仮説によると市場が新しい投資情報を速やか、かつ適切に織り込むため、リスクが等しい商品のリターンは等しくなる。 成長率が高い企業の株は高く、低い企業の株は安くなるため期待リタ…

リスニング四天王物語

nlab.itmedia.co.jp 昔々、天界の外れにある隠れ里に、りんご、にんじん、きゅうり、ぶどうの四兄弟が暮らしておりました。 りんごとにんじんには羽根があり、空を自由に飛び回ることができます。きゅうりとぶどうは羽根はありませんがたいそう力持ちで、家…

株を売った方が良い場合まとめ

初心者向けの投資本にはしばしば、投資信託を定期的に積み立て、リバランスの時以外絶対に売ってはならないと書いてある。 だが、原理上売った方が良い場合も存在する。それは下記の二つの場合だ。 1)明らかに本質的価値より高い場合 株や投資信託に、明らか…

スマホが表現を規定する

TBSラジオのアフター6ジャンクションで12月4日、1月8日の二回にわたってWebトゥーンの特集をしていた。 www.tbsradio.jp Webトゥーンとは縦スクロール、フルカラーのウェブ連載されている漫画のことだ。 12月4日は「海月姫」など紙漫画のヒットメーカーであ…

米国株は割高か

米国株が急激に値を戻している。昨年末にこれまでの下落のダメ押しのように6.63%暴落したS&P500は1月に入ってから順調に値を上げ、1月18日には12月13日の暴落前の水準まで回復した。 株にはモメンタムという、上がっているものは上がり、下がっているものは…

前澤社長が金を浪費するのは素晴らしい

ZOZOTOWNの前澤社長がツイッターで100人に100万円をあげて批判されている。主な批判は下品だ、ツイートを金で買っている、金による言論統制だ、そんな金があるのなら非正規雇用従業員の給料を上げるべきだ、といったものだ。 このうち、非正規雇用従業員の給…

主要米国株のバリュエーションと理論株価

ダウ平均30銘柄、及び時価総額が大きい5銘柄についてPER、PBR、ROE等のバリュエーションを調査した。 調査を行ったのは2018年12月24日。情報元はモーニングスター米国株式情報である。 www.morningstar.co.jp 12月24日は米国株が大暴落し、最安値をつけた日…

未来は分からないが、現在はある程度分かる――投資で一番大切な20の教え感想

『投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識』(ハワード・マークス著、貫井佳子訳、 日本経済新聞出版社)はウォーレン・バフェットが絶賛し、バークシャー・ハザウェイの株主総会で配布した投資本だ。 私は最近読んだのだが、なぜ投資を…

灯油タンクの謎

明けましておめでとうございます。 今年も東雲製作所を宜しくお願いします。 正月は山形の実家に行っていた。実家は祖父母が住んでいたものを両親が受け継いだものだ。私はずっと千葉に住んでいるので、実家には盆正月に行くだけだ。 実家では石油ストーブを…

市場は日経平均225社が来期以降の全利益を足しても赤字だと想定している

株価は1株当たりの会社の価値だ。会社の価値には現時点での価値である資産価値と、将来生み出す利益を表す事業価値とがある。 理論株価=(資産価値+事業価値)÷株式数=(純資産+当期利益+来期利益+2期後利益+3期後利益+4期後利益+…)÷株式数 1株当た…

圧倒的に賢いことを示せないのなら、アウトサイダーの意見も聞いてくれ

JR東日本が山手線の新駅名を高輪ゲートウェイに決定した件はネット上を中心にフルボッコにあった。名前がダサいこと以上に反発を招いたのは、公募順位上位の高輪、芝浦、芝浜を抑えて、130位の高輪ゲートウェイが選ばれたことだ。 www.j-cast.com 問題点は二…

長期の下げ相場にどう対処すべきか

株の下落が長引いている。12月18日時点で、米国のS&P500は10月の最高値から14.9%、TOPIXは16.7%下落している。両指数とも、Wボトムの抵抗線を突き破って下げてしまったため、どこまで下がるか見当がつかない状況だ。 私は米国株はいつ下げ止まるかで書いた通…

日経平均とS&P500の戻り高値を予想する

米国株と日本株は10月以降4回も急落している。毎度毎度、一筋の光明が見え始めたと思った途端、奈落の底に突き落とされるので、うんざりしている投資家も多いのではないか。中には、このままリーマンショック級の暴落へと突き進んでいくのではと怯えている人…

和牛はなぜM-1グランプリで優勝できなかったのか

M-1グランプリ2018は霜降り明星が優勝した。一個一個のボケ-ツッコミのレベルが高く、大笑いしながら見ていたので優勝には納得だ。 一方、練りこまれた脚本で唸らされた和牛も霜降り明星に勝るとも劣らない出来だったが、またもや僅差で優勝を逃し、3年連続…

受け入れがたいアノマリーだけが生き延びる――『勝てるROE投資術』感想

読者によって興味のある記事が分かれていそうなので、投資記事は週前半に、その他の記事は週後半に更新することにしました。 『勝てるROE投資術』(広木隆著、日本経済新聞出版社)はROEについて網羅的に解説された好著だ。説明は分かりやすいが、残余利益モ…

シャブ山シャブ子をめぐる三つの論点

少し前に、シャブ山シャブ子が話題になった。 シャブ山シャブ子はドラマ「相棒シーズン17」第4話に登場した薬物依存症患者の主婦なのだが、鬼気迫る表情で被害者をハンマーで撲殺。取り調べでは「シャブ山シャブ子でーす! 17歳でーす!」と叫び、ものすごい…

円ベース債権的商品の検証

株式のリターンは長期的には債券より高くなる。 満期まで持っていれば一定の利回りが確約されている債券に対し、株式はいくらになるのか分からない。分からなくて不安なものは、その分、リターンが高くなる。 例えば、一年後、確実に1050円になる1000円の債…

日経平均はTOPIXより低PER高ROE

1.日経平均はいい加減な指標 日経平均はいい加減な指標だ。株価を単純平均しているため、株価が高い値嵩株の影響を強く受ける。 1株当たりの値段が高いか安いかは、企業価値と何の関係もない。上場時に1株当たりの価格を低くして株数を多くするか、高くし…

ホテルおおるりボロいが安い

夏休みに家族で温泉に行くことになり、末っ子の私が宿探しを任された。 関東の温泉は車を持っていないと行きづらいものが多い。しかも両親が高齢なため、乗り継ぎが多いものは避けたい。 夏休み時期なのでどこも値段が高い。どこかに安くて移動が楽な温泉宿…

投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018に投票しました。

iFree NYダウ・インデックスeMAXIS Slim米国株式(S&P500)楽天・全米株式インデックスファンドeMAXIS Slim国内株式(日経平均)eMAXIS Slim先進国株式インデックス 選定理由人生は雪球(スノーボール)作りに似ている。大切なのは、大きい雪玉を作るに適し…

米国株はいつ下げ止まるか

米国株の下落が止まらない。10/9から2日で5.3%も下落したS&P500はいったん持ち直すかに見えたが、10/24にまたもや3.1%下落。その後も乱高下を繰り返し、底が見えない状態だ。 米国株がこれだけ大きく200日移動平均線を割り込むことはめったにない。予想PER16…

ふるさと雪のうんちゃららー

ラジオで聞いて以来、ときおり口ずさむ曲がある。女性ボーカルのしっとりとした歌で、秋の夜にはしみじみと心に染みる。 具体的にはこんな曲だ ふふふーふふふふふ ふふふふー いまふーふふ、ふふふーふふてーふふふーふふふふふ ふふふふー ふふふーふふふ …

長期移動平均線によるタイミング投資は有効か

1.はじめに 前回の記事ではPERによるタイミング投資(低PER法)の有効性を論じた。 低PER法には効果が出るまで時間がかかることの他に、実用上の問題がある。時系列データが得にくいのだ。 私が調べた限り、ネット上で入手できる長期のPER時系列データは世界…

PERによるタイミング投資は有効か

1.はじめに 日経平均が急騰後に暴落した。 私はこの流れに翻弄された。まず急騰に完全に乗り遅れた。私は日経平均ETFを2株しか持っておらず、そのうち1株を上がり始めてすぐに売ってしまったので、1株分しか値上がりを享受できなかった。まるで昭和の時代の…

人生を超えるもの――半分、青い。感想2

(本稿は「半分、青い。」のネタバレを含みます。) 『半分、青い。』ほど賛否が分かれた朝ドラも珍しい。絶賛する人がいる一方で、ツイッターに批判用の「半分白目」タグができる程、叩く人も多かった。 はてブでも「半分、青い。」を痛烈に批判した、「半…

FAANGのファンダメンタル(PER、EPS成長率、ROE)まとめ

GAFAやFANG、FAANGなどと呼ばれる米国の新興企業が話題だ。 GAFAはグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの頭文字であり、FANGはGAFAからアップルを外してネットフリックスを入れたもの、FAANGは5企業全部を指す。 過去最高を更新している米国の株…

バイ&ホールド最強説は本当か

投資本にはしばしば「株や投資信託を頻繁に売買すると損をするからバイ&ホールドが最強だ。」と書いてある。売買する毎に手数料がかかるので、できるだけ売買しない方が良い。特に売却すると税金がかかるので、値上がりして下落しそうでも売らずに我慢すべ…