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東雲製作所

東雲長閑(しののめのどか)の書評サイトです。ジオシティーズ(http://www.geocities.jp/shinonomenod/)から移転してきました。

影響が残るという微かな希望――Re:ゼロから始める異世界生活感想

(本稿は『Re:ゼロから始める異世界生活』第一章のあからさまなネタバレを含みます。また、第一章の感想なので、最新刊まで読んでいる人にとっては今更何を言っているんだという内容だと思われます。) 小説家になろうで公開されている『Re:ゼロから始める異…

小ネタ集1703

だいぶ更新間隔が空いてしまったが大したネタがない。そこで「しいたげられたしいたけ」の真似をして小ネタ集をやることにした。ちなみに元々はテキストサイトだったのに時々写真を載せるようになったのも「しいたげられたしいたけ」の影響である。 シン・ポ…

現代の福音書――アズミ・ハルコは行方不明感想

(本稿は『アズミ・ハルコは行方不明』の抽象的ネタバレを含みます。) 『アズミ・ハルコは行方不明』(山内マリコ著、幻冬舎)読了。こんな小説は読んだことがない。 普通の小説は何頁か読めばある程度先の展開が分かる。ミステリーなら謎の解明、恋愛小説…

南渓和尚キュゥべえ説――おんな城主直虎第6回感想

(本稿は『おんな城主直虎』第6回と『魔法少女まどか☆マギカ』のネタばれを含みます。) NHK大河ドラマ『おんな城主直虎』(森下佳子作)は全く期待しておらず、おとわが可愛いから見始めただけだったのだが、登場人物の葛藤が丁寧に描かれていて面白い。 第…

内面のないキャラクター――けものフレンズ感想

『けものフレンズ』(たつき監督)のキャラクターには内面がない。内面がないという言い方に語弊があるなら、外面と内面が一致していると言っても良い。 けものフレンズは悪意のあるキャラクターが登場しないという類似点から、しばしば『ご注文はうさぎです…

力の及ぶ限りの努力――職業としての小説家感想

(本稿は『職業としての小説家』の内容に触れています。) 『職業としての小説家』(村上春樹著、スイッチ・パブリッシング)は村上氏が創作について語った本だ。通常の小説の書き方本には書いていない、感覚にかんする具体的な心構えが記されていて、参考に…

2016小説年間ベスト10

東雲長閑が2016年に読んだ小説のベスト10です。例によって2016年発売作品のベスト10ではありません。 2016年のまとめなのにぐずぐずしている内に1月末になってしまいました。 りゅうおうのおしごと!3 白鳥士郎 GA文庫 「このライトノベルがすごい!2017…

緊張の緩め方――晴天の迷いクジラ感想

(本稿は『晴天の迷いクジラ』のネタバレを含みます。) 窪美澄氏はデビュー作『ふがいない僕は空を見た』でいきなり山本周五郎賞を獲得。本屋大賞2位になった気鋭の作家だ。デビュー作を読んだ時はあまりのすごさに打ちのめされたが、二作目である『晴天の…

当たり前な不都合な真実――痩せる筋トレ痩せない筋トレ感想

数年かけて5キロほどの減量に成功した。だが、同時に代謝も落ちて太りやすくなってしまった。そこで筋肉をつけようと「痩せる筋トレ痩せない筋トレ(比嘉一雄著、ベスト新書)」を手にとった。 「痩せる筋トレ痩せない筋トレ」は当たり前のことが書いてある…

歌番組としての矜持――第67回NHK紅白歌合戦感想

(本稿は第67回NHK紅白歌合戦のネタばれを含みます。文中の敬称は略させて頂きました。) 生放送の魅力は何が起こるか分からないことだ。紅白歌合戦は生放送の歌番組だが、歌番組は最も生放送に向いていない。何故なら、歌は古典芸能と並んで最も何が起こる…

2017年年賀状

皆様、明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。 葉書には薄いものなら貼りつけることができる。そこで今年の年賀状は100円ショップから買ってきた七面鳥の羽根飾りを切って貼りつけてみた。 郵便局の規定では折り紙など立体的なものは駄…

重すぎて受け止めきれない――この世界の片隅に感想

(本稿は「この世界の片隅に」の内容に触れていますが、大きなネタバレはありません。) 『この世界の片隅に』(こうの史代原作、片渕須直監督)は解釈多様性の高い傑作映画だ。映画『この世界の片隅に』批評と考察 失ったものと、得たものとは?、『この世…

100円ショップの商品で3大栄養素をバランスよく摂取できるか

カロリーがあれば短期間生きていくには十分だが、長期的には栄養バランスのとれた食事が重要である。 厚生労働省によると、摂取カロリーの内、炭水化物が50-65%、たんぱく質が13-20%、脂質が20-30%となるのがバランスの良い食事だそうだ。本当はビタミンやミ…

100円ショップで最も高カロリーなのは何か

100円ショップで買える最も高カロリーな食品は何だろうか。 これを調べようと思ったのは、非常時に役に立つからだ。 想定している一つ目の事態は金欠だ。給料日は二日後だが、所持金が108円しかない!という場合、何が高カロリーか知っていれば空腹をしのぐ…

熱意の秘密結社――安住紳一郎の日曜天国公開放送感想

安住紳一郎の日曜天国(TBSラジオ日曜10:00-11:55)は変な番組だ。テレビでは丁寧に芸能人をエスコートしている安住氏だが、ラジオでは力の限り好き勝手やっている。 自分が風呂場でかいた汗を集めて煮詰め、塩を生成したかと思えば、レーティング企画として…

神とは何か考えた

書評サイト、シミルボンに「信じる人の写し鏡」という記事を書きました。 「神様とは何か」というお題をもらって書いたもので、通常の記事の三倍の労力がかかっているので宜しければ御覧ください。 この記事を書くにあたり、神関係の本を読み、大変勉強にな…

最強の盾、汝の名は童貞――逃げるは恥だが役に立つ第7話感想

(本稿は『逃げるは恥だが役に立つ』第7話のあからさまなネタバレを含みます。文中敬称略。) 『逃げるは恥だが役に立つ』第7話のラストは衝撃的だった。ガッキー演じるみくりがきっちり外堀と内堀を埋め、万全の体制で総攻撃を仕掛けたにも関わらず、平匡…

人間は変わらないのか――仕事に効く教養としての「世界史」感想

『仕事に効く教養としての「世界史」』(出口治明著、祥伝社)はライフネット生命社長にして読書家としても知られる出口氏による世界史概説書だ。「この本は、僕が半世紀の間に、見たり聴いたり読んだりして、自分で咀嚼して腹落ちしたことをいくつかとりま…

神田カレーグランプリ2016感想

11月5,6日に神田の小川広場で開かれた神田カレーグランプリグランプリ決定戦に行ってきた。6日の13時過ぎについた時はラッシュ時の駅のホーム並みの大混雑で、ゆっくりしか前に進めないような状態だった。 カレーグランプリは事前の予選期間の投票での上位20…

PPAPは般若心経

PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)は般若心経だ。曲最後の「ペンパイナッポーアッポーペン」の部分が般若心経最後の真言「ギャーテーギャーテー ハラギャーテー ハラソーギャーテー ボージーソワカ」に相当する。さらに、PPAP全体の内容も般若心経と共通…

なすすべもなく負けると涅槃の境地

私は千葉ロッテマリーンズのファンだ。だが、球場に足を運ぶのは、2シーズンに1回ぐらいだった。マリーンズは12球団で最も観客動員数が少ないことで知られているが、それは私のような不熱心なファンのせいである。 しかし今シーズンはファンクラブ会員にな…

文末のリズム――モコ&猫感想

(本稿は『モコ&猫』の結末部を丸々引用しています。つまりもろネタバレです。) 『モコ&猫』は『このたびはとんだことで 桜庭一樹奇譚集』(桜庭一樹著、文春文庫)の巻頭をかざる短編だ。胡麻油の瓶みたいに黒光りした女子大生「モコ」と彼女のストーカ…

はてなーの手斧は何のため?――リンゴ日和。移転について

リンゴ日和。がライブドアブログへ移転した。はてなは一つ優れたコンテンツを失ってしまった。 先ごろからのリンゴ日和。へのバッシングには腸が煮えくり返る想いだった。ひどいコメントに、低評価ボタンがあれば一万回くらい連打してやるのにと思って歯噛み…

みるみる短編小説が書ける羅生門メソッド

芥川龍之介の『羅生門』をご存知だろうか。国語の教科書に載っているので、ほとんどの人が一度は読んだことがあるだろう。 名短篇は数あれど、羅生門ほどお手本に相応しい短編は他にない。例えば『走れメロス』は「行って帰って行く」という変わった構造をし…

初めてチキンラーメンを作った

休日の昼間は主に袋麺を食べている。良く食べるのは「AKAGI醤油ラーメン」と「Big-Aとんこつラーメン」。理由は安いからだ。近所のスーパーBig-AでBig-Aとんこつラーメンは税込み200円、AKAGI醤油ラーメンに至っては158円である。一食当たり32円。安い! し…

見るなの禁止と量子論――君の名は。感想

(本稿は『君の名は。』のネタバレを含みます。) 『見るなの禁止』をご存知だろうか。見てはいけないと言われたにも関わらず見てしまったために良くないことが起こるという物語の類型で世界中の神話や民話に見られる。 日本において最も有名なのは鶴の恩返…

リオオリンピック感想

リオオリンピックの感想を記す。ぐずぐずしている内にブログとは思えぬ時期はずれな記事になってしまった。 競泳について 競泳は他の競技に比べて種目が細かく分かれすぎではないだろうか。マイケル・フェルプス選手が23個も金メダルを獲得しているのに対し…

映画あらすじジェネレーター

旧サイトにジェネレーターの新作、「映画あらすじジェネレーター」をアップロードしました。 映画あらすじジェネレーター ラノベあらすじジェネレーターよりまともなストーリーになる確率を高くしました。 どうぞよろしくお願いします。

面白見出し力――伊集院光深夜の馬鹿力感想

TBSラジオが6月末でポッドキャストの配信を止めてしまった。仕方ないので、深夜や昼間にやっていて生では聞けない番組の内、特に聞きたい番組だけ録音して聞くことにした。伊集院光深夜の馬鹿力もその一つである。 ポッドキャストでは番組冒頭のフリートーク…

男には向かない職業――満願感想

(本稿は『満願』の内容に触れています。) 『満願』(米澤穂信著、新潮社)は 2014年年末のミステリーランキングを総なめにした短篇集だ。中編、長編にもできそうなアイデアを短編一本ずつに詰め込んでおり、無駄なシーンが全くない。内容も耽美小説、怪談…

熊本に行ってきたので麺の写真をアップする。

仕事で熊本に行ってきた。熊本の食事と言えば馬肉、太平燕、熊本ラーメンが有名だが、生肉を食べるのは抵抗があったので、結果的に麺類ばっかり食べることとなった。 太平燕(タイピーエン) 太平燕とはざっくり言えば長崎ちゃんぽんの麺を春雨にしたような…

特殊な愛の普遍化――砕け散るところを見せてあげる感想

(本稿は『砕け散るところを見せてあげる』のネタバレを含みます。) 『砕け散るところを見せてあげる』(竹宮ゆゆこ著、新潮文庫NEX)には二点不満があった。 一つ目は帯文で伊坂幸太郎氏が指摘されている「野心的な構造」だ。私は一読して意味が分からず、…

恋愛スキル=全人格じゃない

童貞に対し自信を持てと説いたはてな匿名ダイアリーが話題だ。 anond.hatelabo.jp 恋愛に対し不慣れな男性に対する的確なアドバイスになっていて感銘を受けた。この筆者を師と仰ぎたい。 この記事に対するコメントも概ね好意的だったのだが、筆者に対して怒…

エゴイスティックなしつこさ――雪国感想

(本稿は『雪国』の内容に触れています。) 『雪国』(川端康成著、新潮文庫)は文章が全てだ。内容を伝えるために文章があるのではなく、文章を書くために内容がある。 以下は汽車の窓に斜め向かいの席の娘が写っているシーンの一部である。 鏡の底には夕景…

シミルボンに記事を書きました。

紹介するのが遅くなりましたが、シミルボンという書評サイトに本の紹介記事を書きました。 ブッダの真理のことば・感興のことば猫の地球儀ペンギン・ハイウェイ私の男ストーリーメーカー 創作のための物語論ヴァンパイア・サマータイムグレート・ギャツビー…

愛と諸行無常――あのね、わたしがねちゃってても、あとででいいからだっこして 感想

刺々しい言葉の手斧が飛び交うはてなにおける数少ないオアシスがひーたむ氏の子育てブログ『リンゴ日和。』である。そのほっこり力はすさまじく、辛口で有名なxevra氏すらデレてしまうほどだ。 その『リンゴ日和。』が書籍化された。それが『あのね、わたし…

人はいつコートを脱ぐか

春先に皆がいつ頃コートを着なくなるのか気になったので調査を行った。 調査方法は千葉県内の私の地元の駅で、朝8時頃にホームで電車待ちをしている乗客100名の内、コートを着ていない人を数えるという方法を採った。調査は基本的に平日の朝に行ったが、100…

去勢された獣――くまみこ感想

(本稿は『くまみこ』の内容に触れています。) 『くまみこ』(吉元ますめ原作、松田清監督)はとらえどころのないアニメだ。一応、熊のナツと一緒に東北の山奥で育ったため世間知らずなヒロインまちが都会の事物に対して戸惑う様を描いた萌えアニメと言える…

共作に向いていない二人の作家――イン・ザ・ヘブン感想

(本稿は『イン・ザ・ヘブン』の抽象的ネタバレを含みます。) 『イン・ザ・ヘブン』(新井素子著、新潮社)は『グリーン・レクイエム』などで有名な作者の三十三年ぶりの短篇集である。この中で新井氏は「無意識とのセッション」という創作手法を開発し、十…

あの発言は「現場が頑張っている日本映画をつまらないとか言うな」という意味ではあるまい

福田裕彦氏のツイッターの発言が炎上している。 だいたい「今の日本映画はつまらない」とか「神目線」言う人間は、例えば予算のない現場で制作のスタッフがしょぼい弁当をリカバーするために必死で味噌汁作ってキャストやスタッフを盛り上げようする矜持すら…

アホの前向き力――夜桜ヴァンパネルラ感想

(本稿は『夜桜ヴァンパネルラ』の内容に触れています。) 杉井光作品の多くは同じ構造を持っている。すなわち1「ナイーブで切れ者なヒーロー」による一人称で語られ、2「ヒーローに惹かれている真面目なツンデレヒロイン」がヒーローの無自覚な言動によっ…

間に立つ主人公――無花果とムーン感想

(本稿は『無花果とムーン』の抽象的ネタバレを含みます。) 『無花果とムーン』(桜庭一樹著、角川書店)は『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』の頃の桜庭氏が完成度を高めて帰ってきたような少女小説だ。『私の男』以降桜庭作品から離れてしまったライトノベ…

すっきりせずにもやもやと残るもの――色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年感想

(本稿は『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の内容に触れています。) 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(村上春樹著、文藝春秋)は刑事物の構造を持っている。本作を一言で言い表すなら、「仲良し五人組から突然ハブられた謎を解明…

変革の手斧より寄り添うスター――ただ、それだけでよかったんです感想

(本稿は『ただ、それだけでよかったんです』の抽象的なネタバレを含みます。) 第22回電撃小説大賞大賞受賞作『ただ、それだけでよかったんです』(松村涼哉著)はネット上に跋扈するディスコミュニケーションを具現化したような小説だ。はてな風に言うなら…

具体的理性的な方法論――昭和史1926-1945感想

(半藤一利著、平凡社)は日本がいかにして道を誤ったかを書いた本だ。半藤氏の語りおろしになっていて面白く読んだが、内容的には胃が痛い。 一番意外だったのは昭和天皇がわりと頑張って戦争を止めようとされていることだ。政治への感心が薄い魚類学者とい…

サクラエディタを使って小説を要約する方法

テキストのパターンマッチを使って小説の要約ができないかやってみた。 正規表現が使えるエディタなら何でも良いのだが、ここではフリーのサクラエディタを使う。 サクラエディタはここからダウンロードできる。 例として青空文庫の「走れメロス」を要約して…

はてなブックマーカーの必殺技を考えた

昨年の増田でブックマーカーに関するラノベの話題が盛り上がっていた。ブクマカーが戦うラノベ作ろうと思うんだけど とかはてなブックマーカー四天王と愉快な増田たち 【xevra先生 篇】とか。自分も何か書いてみたいと考えている内に一か月以上経ってしまっ…

99%アウトサイダー――面白ければなんでもあり感想

「灼眼のシャナ」「とある魔術の禁書目録」「ソードアート・オンライン」。三木一馬氏はブギーポップ以降の電撃の大ヒット作ほとんど全てに関わっている辣腕編集者である。もし三木氏がメディアワークスではなく他社に入社していたら、ライトノベル界の勢力…

はてなブログへ移行しました。

wattoさんがはてなダイアリーの記事をはてなブログへ統合されたという記事を読んで、私もはてなダイアリーからブログへ移行しました。ついでにジオシティーズの方ではなく、こちらを本サイトにすることにしました。今後とも東雲製作所を宜しくお願いします。

2015小説年間ベスト10

東雲長閑が2015年に読んだ小説のベスト10です。例によって2015年発売作品のベスト10ではありません。 感想を書いてないものだけコメントをつけました。 海を失った男 シオドア・スタージョン著、若島正編 晶文社 海を失った男感想(15.12/15) 六花の勇者6 …