東雲製作所

東雲長閑(しののめのどか)の書評サイトです。ジオシティーズ(http://www.geocities.jp/shinonomenod/)から移転してきました。

PERによるタイミング投資は有効か

1.はじめに 日経平均が急騰後に暴落した。 私はこの流れに翻弄された。まず急騰に完全に乗り遅れた。私は日経平均ETFを2株しか持っておらず、そのうち1株を上がり始めてすぐに売ってしまったので、1株分しか値上がりを享受できなかった。まるで昭和の時代の…

人生を超えるもの――半分、青い。感想2

(本稿は「半分、青い。」のネタバレを含みます。) 『半分、青い。』ほど賛否が分かれた朝ドラも珍しい。絶賛する人がいる一方で、ツイッターに批判用の「半分白目」タグができる程、叩く人も多かった。 はてブでも「半分、青い。」を痛烈に批判した、「半…

FAANGのファンダメンタル(PER、EPS成長率、ROE)まとめ

GAFAやFANG、FAANGなどと呼ばれる米国の新興企業が話題だ。 GAFAはグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの頭文字であり、FANGはGAFAからアップルを外してネットフリックスを入れたもの、FAANGは5企業全部を指す。 過去最高を更新している米国の株…

バイ&ホールド最強説は本当か

投資本にはしばしば「株や投資信託を頻繁に売買すると損をするからバイ&ホールドが最強だ。」と書いてある。売買する毎に手数料がかかるので、できるだけ売買しない方が良い。特に売却すると税金がかかるので、値上がりして下落しそうでも売らずに我慢すべ…

チェーン店の期間限定メニュー八番勝負

「チコちゃんに叱られる!」を観ていたら、大人になると日々感動することが少ないので、時間が早く過ぎると言っていた。 私は普段、夕飯はチェーン店の安い看板メニューで済ませることが多い。マクドナルドならハンバーガー、吉野家なら牛丼だ。看板メニュー…

ひふみ投信が下落したのはトランプのせい

ひふみ投信はレオス・キャピタルワークスが運用するアクティブファンドで、長期に渡ってTOPIXを上回るリターンを出していることや、アクティブファンドの割には信託報酬が安いことから個人投資家に人気がある。 楽天証券の7月の買付金額ランキングではひふみ…

大井町のラーメン屋はこだわりが強い

研修で二日間大井町に通った。大井町駅は品川の隣駅で複数本の電車が乗り入れている大きな駅だが、生活圏から離れているためこれまで降りたことはなかった。 私はラーメンの食べ歩きが趣味だが、健康を考え、ラーメン屋に行くのは週に一回にしている。だが、…

米国株の暴落をPERで予測する

米国の代表的株価指数、S&P500が一月末につけた最高値に迫っている。 stocks.finance.yahoo.co.jp 株価が上がるのは結構だが、上がり過ぎると暴落の危険も高まる。 株がいつ暴落するかは予想できないというのが定説だ。だが、日本のバブル崩壊や米国のITバブ…

トリックスターヒロイン――半分、青い。感想

(本稿は「半分、青い。」のネタバレを含みます。) 「半分、青い。」(北川悦吏子脚本、NHK)について朝日新聞で「逃げるは恥だが役に立つ」の漫画家、海野つなみ氏が語っていた。海野氏は「半分、青い。」について、先が読めない面白さがある、観ていて心…

バフェットは市場の効率性を利用して勝っている

効率的市場仮説によると、公表されている情報は全て株価に織り込まれている。従って、公表されている情報をいくら分析しても、継続的に市場平均以上のリターンを得ることはできない。 市場は集合知の正しさを利用したシステムだ。牛の体重を予想するのに、大…

どの国に投資すべきか2――バフェット流の検証

5月16日の記事「どの国に投資すべきか」では株価が名目GPSと相関があり、新興国の予想名目GDP成長率が高いので、新興国に多く投資すべきではないかと書いた。 shinonomen.hatenablog.com しかし、新興国インデックスファンドの過去のリターンを見ると先進国…

行為には責任が伴う――万引き家族感想

(本稿は万引き家族の抽象的なネタバレを含みます。) 『万引き家族』(是枝裕和監督)を見終わった直後はそれほど傑作だとは感じなかった。確かに安藤サクラ氏の泣きの演技は素晴らしかったが、冗長な部分も多いように感じたのだ。だが、時間を置いて、感想…

投資信託の基準価額を予想する方法

投資を始めて最も驚いたことの一つが、投資信託は当日の注文を締め切った後に価格(基準価額)が発表されるので、いくらで買えるか分からないということだ。 もし商品に値札がついておらず、レジを通すまで値段が分からないスーパーがあったら、誰も行かない…

人のことを低能などと言ってはならない

Hagex氏が殺された。 出頭してきた容疑者は、色んな人に「低能」などといった罵詈雑言を浴びせかけていたことから「低能先生」と呼ばれていたらしい。 もしこの容疑者の口癖が「低能」ではなく「はにゃーん」だったら「はにゃーん先生」と呼ばれていただろう…

株式と債券のリバランスは不適当

インデックス投資では定期的にリバランスをすることが推奨されている。 リバランスとは資金配分を最適な割合に戻すことだ。例えば、株式と債券の割合を、株式60%、債権40%と定めて投資を始めた場合、株式が値上がりして株式70%、債権30%になっていたら、10%…

高畑勲監督は24年早かった

高畑勲監督が亡くなった。 高畑監督程、アニメについて考えた人はいないだろう。天才宮崎駿監督に知名度や興行収入では劣っても、アニメ界への影響は計り知れない。 私の高畑監督のイメージは基礎研究者だ。基礎研究が実用化され、広く一般化するには時間が…

リターンを定量的に比較せよ――バフェットの銘柄選択術感想

オマハの賢人ウォーレン・バフェット。10万5000ドルを元手に始めた株式投資で800億ドル以上の富を築いた、世界で最も成功した投資家である。そんなバフェットの具体的投資術を解説した本が『億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術』(メアリー・バフェット…

どの国に投資すべきか

前回の記事では、何にどの程度投資すべきか人によって意見がばらばらだということを書いた。 なぜばらばらかと言うと、人によってリスクをどの程度重視するかが異なっているからだ。 私は債権によるリスクヘッジは必要ないと思う。なぜなら、成長市場の株式…

著名投資家のアセットアロケーションまとめ

前回の記事で資金は出来るだけ速やかに投資する方が良いと分かった。問題は投資先だ。 投資関係の様々な本やサイトを読みあさった結果、幅広い銘柄に少しずつ投資することでリスクを分散するインデックス投資が良いということが分かった。具体的にはインデッ…

一括投資と積み立て投資を比較する

『全面改訂ほったらかし投資術』(山崎元、水無瀬ケンイチ著、朝日新書)の中で、山崎元氏が一括投資の有効性について書かれていた。 定期的に一定額を積み立てる方法は「ドルコスト平均法」と呼ばれる方法で、しばしば投資家にとってリスクが低減できる有利…

フィクションの感動はバズらない――ゆるキャン△第5話感想

アニメ「ゆるキャン△」(あfろ原作、京極義昭監督)の白眉と言えば第5話「二つのキャンプ、二人の景色」だろう。 ゆるキャン△は女子高生がまったりキャンプをするという癒し系の作品だが、「アニメ「ゆるキャン」で東山奈央が「くぁwせdrftgyふじこlp」を全…

他者の必要な場所――ゼロ・グラビティ感想

(本稿は『ゼロ・グラビティ』のネタバレを含みます。) パリ・ダカールラリーでエンジニアはボロボロになって完走した車を調べ、壊れた箇所ではなく、壊れていなかった箇所を補強したという。壊れた箇所は壊れていても走れたのだから、完走に絶対必要な要素…

単にPERが低い株を買ったらどうなるか

株の割安さを測る基準にPER(株価収益率)がある。「PER=株価/1株あたり利益」で計算できる。理論上会社の利益は全て株主に還元されるから、PERは株を買った資金を回収できる年数を示す。PER=15程度が基準で、それより低いと割安、高いと割高だと言われている…

安部首相が辞めても代わりがいない説は本当か

財務省の決裁文書書き換え問題で安倍政権が窮地に立たされている。安倍政権を擁護する意見も、当初は朝日新聞による捏造だ、といったものが多かったが、政府が書き換えを認めてからは、官僚が勝手にやったことで安部首相や麻生大臣には関係ない、という意見…

富士宮浅間神社巡り

出張で静岡の富士宮に行ってきた。日中は仕事をしていたので、夜になってから浅間神社を見に行った。 富士宮には浅間神社と名のつく神社がいくつもある。まず、若之宮浅間神社にお参りした。 次に、城山富士浅間神社に行った。 暗すぎて何も写ってない! 最…

カーリングはなぜ面白いのか

平昌オリンピックで、カーリングの人気が盛り上がっている。2月19日夕方の時点で女子は4勝2敗、男子は3勝3敗と健闘している。 はてブでも、日本代表女子の和気あいあいとした様子を報じた記事がホットエントリーに入っていた。 headlines.yahoo.co.jp キャラ…

2017小説年間ベスト10

東雲長閑が2017年に読んだ小説のベスト10です。2017年発売作品のベスト10ではありません。 万延元年のフットボール 大江健三郎 講談社文庫ノーベル文学賞受賞作家の代表作だけあって、非常に読み応えがある。感想を書く度に新しい発見があって、感想記事を三…

フリのアウトソーシング――ポプテピピック感想

(本稿はポプテピピックのネタバレを含みます。文中敬称略。) 『ポプテピピック』(大川ぶくぶ原作)が話題だ。特に耳目を集めているのはパロディの多さと毎回変わる声優だ。両者は別のこととして語られているが、毎回声優が変わるのも一種のパロディだ。主…

他者に向かって叫ぶべき本当の事――万延元年のフットボール感想

(本稿は『万延元年のフットボール』の抽象的ネタバレを含みます。) 『万延元年のフットボール』はノーベル賞作家大江健三郎氏の代表作だ。だが、新作と戦前の文豪の間のエアポケットに入ってしまって、最近ではほとんど話題になることがない。確かに難解な…

コンピューターにできること――ベストセラーコード感想

『ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム』(ジョディ・アーチャー&マシュー・ジョッカーズ著、解説西内啓、川添節子訳、日経BP社)はアメリカのベストセラーをコンピューターを用いて分析した本だ。テーマ、プロット、文体、…