東雲製作所

東雲長閑(しののめのどか)のよろず評論サイトです。

弘前の観光名所巡り

出張で青森県弘前に行ってきた。寒さに震えながら、重い機材を背負ってスキー場の斜面を延々登り続けたり、足を滑らせたら数メートル下の川に転落する獣道のような登山道を歩いたりと大変な仕事だった。一方、紅葉の時期に当たっており、景色は良かった。
仕事の合間と帰りの電車に乗る前に撮った写真をアップする。

岩木山

岩木山弘前市中心部の西にある弘前のシンボルだ。紅葉目当ての観光客が多数訪れていた。


岩木山山麓にある二子沼。


紅葉の森。


岩木山八合目。有料道路岩木スカイラインで上ることができる。


山頂方向。


八合目からの眺望。遠くに海が見える。紅葉の山を海と同時に見られるのは珍しいのではないか。


岩木山登山道。時折、山頂から降りてくる下山者に遭遇した。


登山道入り口。

弘前市

最勝院。


重要文化財五重塔


青森銀行記念館(重文)。明治期の洋風建築がいくつか残っている。


弘前市立図書館


山車展示館。ねぶたの山車について展示している。


山車は謡曲の説話等を題材にしているものが多いのだが、ふたまた大根の山車もあるとのこと。


藤田記念庭園。


弘前城追手門。弘前城には中国人のツアー観光客が大勢訪れていた。


石垣の改修工事が行われていた。


城内にある護国神社弘前城は広広していた。


亀甲門。


ねぶた村。

 

地方都市に行くとシャッター商店街が広がっているなど寂れているところが多いのだが、弘前は町並みも観光地も綺麗に整備されていた。歴史ある建造物も多く、文化資本の豊かさを感じた。
色々観光地を巡ったが、最も印象深かったのはふたまた大根だった。私自身の文化資本が豊かであれば、「ほほう。これは〇〇公が建立した寺院か」などとより興味深く見て回れただろうに残念だ。

NISAでオルカンやS&P500よりハイリターンを狙う方法

1.インデックスか個別株か

来年から新NISAが開始される。つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円の年360万円が無期限で非課税になる。

NISAの投資先にはインデックス(市場を構成する多数の株への分散投資)と個別株がある。高配当の個別株を推奨するような記事もあるが、賛同しかねる。NISAでは長期右肩上がりのインデックスを買った方が良い。理由は二つある。


1)長期右肩上がりのインデックスは長期的には上がる可能性が高い。
NISAは長期間保有し続けることで非課税というメリットを最大限生かせる。そのためには下落しても長期的には上がるという確信をもって保有し続けられる資産に投資すべきだ。個別株は業績が悪化してそのまま倒産するリスクがあるが、長期右肩上がりのインデックスは暴落しても資産価値がゼロにはならず、いずれ戻るという信頼がある。

2)数十年後にどの銘柄が強いか分からない。
1970年代の米国には、ニフティフィフティと呼ばれるこれを買っておけば鉄板だという50銘柄が存在した。その中にはフィリップモリスファイザーのように好リターンを上げた銘柄もあるが、ポラロイドのように経営破綻してしまった銘柄もあった。
1970年代に将来デジカメやスマホが普及し、フィルムカメラが駆逐されてしまうことを誰が予測できただろう。長期的には市場環境が激変してしまう可能性があるので、個別株を保有し続けるのはリスクが高い。


2.第三のインデックスNASDAQ100

長期右肩上がりになっているインデックスでは、米国と全世界株が有名だ。
インデックス投資の世界には米国派と全世界派がいて、論争が続いている。
米国(S&P500や全米)の強みは全世界より過去のリターンが高いこと。
全世界の強みは米国以外にも分散しているため、リスクが低いことだ。

長期投資向けのインデックスでは米国と全世界ばかりが話題になるが、長期右肩上がりでS&P500、全世界より過去のリターンが高い第三のインデックスが存在する。それがNASDAQ100指数だ。

NASDAQ100は米国のナスダック上場銘柄の中から金融会社を除き、時価総額上位100銘柄を組み入れた指数で、S&P500よりハイテク株のウェイトが高い

QQQ(NASDAQ100ETF)、SPY(S&P500ETF)、VT(全世界ETF)の過去15年の推移を示す。

VT(全世界株式ETF)の時系列データが得られた2008年6月23日の株価を100とすると、
2023年11月3日時点の株価はVT=264.5、SPY(S&P500ETF)=458.1、QQQ(NASDAQ100ETF)=921.4となる。
過去15年間で、NASDAQ100は全世界の3.5倍のリターンを上げている。

NASDAQ100指数を牽引しているのは、マグニフィセントセブンと呼ばれる米国のビックテック7社(アップル、マイクロソフト、アマゾン、エヌビディア、アルファベット(グーグル)、テスラ、メタ)だ。
ETFにおけるビックテック7社の組み入れ比率を示す。

全世界=14.29%、S&P500=27.44%、NASDAQ100=43.16%となっており、ビックテックのウェイトが高い指数程過去のリターンが高い。


3ETFとビックテック7社の株価を比較したグラフを示す。メタ上場週の2012年5月14日を100とした。


エヌビディアとテスラのパフォーマンスがすさまじすぎて、他が見えないので、2社を除いたグラフを示す。

11年間のパフォーマンスは
エヌビディア>テスラ>>>>マイクロソフト>アマゾン>アップル>>グーグル>メタ>NASDAQ100>>S&P500>全世界
となっている。
マグニフィセントセブンの中ではエヌビディア(162倍)とテスラ(120倍)のパフォーマンスが突出している。メタ(8.2倍)とグーグル(8.6倍)のパフォーマンスが冴えないが、それでもNASDAQ100(6.7倍)に勝っている。7社がいかに強いかが分かる。

S&P500が全世界よりリターンが高いのは米国株全体が強いからではなく、マグニフィセントセブンに代表される米国テクノロジー株のウェイトが高いからだ。
NASDAQ100指数は米国テクノロジー株のウェイトをS&P500よりさらに高めることで、ハイリターンを実現している。


今後もビックテックの優位は続くのだろうか。
前出のチャートの過去15年間に当たる1997~2012年のチャートを見ると、アップルとアマゾンが驚異的なパフォーマンスを見せていることが分かる。


NASDAQ100は特定の銘柄がずっと牽引しているのではなく、1998年からのアマゾン、2004年からのアップル、2013年からのテスラ、2016年からのエヌビディアのように、驚異的なパフォーマンスを見せる銘柄が順次登場し、高成長を維持している。
NASDAQ100指数のリターンが高いのは個別企業特有の強みによるものではなく、米国大型ハイテク企業に共通する構造的な強みに起因している可能性が高い。構造的要因が原因なのであれば、今後エヌビディアやテスラのパフォーマンスが落ちても、新たな牽引銘柄が登場し、NASDAQ100のハイパフォーマンスは維持されるのではないだろうか。

米国大手ハイテク企業に共通する構造的強みとは何か。IT業界が勝者総取りであることが大きい。
例えばYouTubeの配信者の取り分は広告収入の55%に抑えられている。他のマイナープラットフォームに動画をアップしてもわずかな視聴者しか得られないため、配信者は取り分に不満でもYouTubeに動画をアップせざるを得ず、アルファベットは濡れ手で粟で莫大な収益を得ることができる。

半導体業界の覇権企業がインテルからエヌビディアに交代しつつあるように、NASDAQ100のトップ企業の顔ぶれは変わっていくだろうが、トップ企業が莫大な利益を上げられるという構造自体は変わらないのではないだろうか。


3.NASDAQ100のリスク

効率的市場仮説によるとあらゆる資産のリスク当たりリターンは等しくなる。
NASDAQ100のリターンが高いということはリスクも高いということを意味している。
NASDAQ100のリスクは主に二つある。

1)大手ハイテク株に大きく依存しており、多様性が低い
前記のように、NASDAQ100指数は、大手ハイテク企業7社のウェイトが43.16%もあり、7社の株価に大きく依存している。他の銘柄もハイテク株が多く、多様性が低い。

QQQが設定された1999年3月8日からのSPYとQQQのチャートを示す。

QQQは2000年のITバブル崩壊で82.7%も下落している。100$投資していたら17.3$になってしまった計算だ。怖すぎる。
同期間のS&P500の最大下落率は45.7%だ。

S&P500は大手ハイテク株と全く異なる値動きをするエネルギー株や銀行株、公益株、生活必需品株などをある程度含んでいる。NASDAQ100は似た値動きをするハイテク株のウェイトが高いため、ハイテク株に逆風の環境になると大きく下落するリスクがある。

2)割高
11月3日時点でNASDAQ100の予想PERは25.75、S&P500は19.27だ。

stock-marketdata.com


NASDAQ100の予想PERはコロナ前は概ね20~22と21前後で推移していた。PERが平均回帰すると18.4%下落する。
S&P500予想PERはコロナ前は概ね16~19と17.5前後で推移していた。平均回帰すると9.2%下落する。共に割高だが、NASDAQ100の方がより割高だ。

下記の記事によると、米国のITバブル時のナスダックの予想PERは80近くに達していたという。

seekingalpha.com

ITバブル崩壊の時に82.7%も下落したのは、適切価格の4倍近い非常識なバリュエーションになっていたからだ。
現在は18.4%割高なだけなので、82.7%も下落する可能性は低い。


4.NISAでNASDAQ100に投資する方法

NISAでNASDAQ100に投資するには、具体的に何を買えば良いのだろうか。

下記の記事でNASDAQ100インデックスのコストを徹底比較してくれている。

shintaro-money.com

 

1)つみたて投資枠
長年つみたてNISAではNASDAQ100に投資できなかった。金融庁がNASDAQ100をインデックスだと認めていないからだ。
2023年10月からiFreeNEXT NASDAQ100インデックス(実質コスト0.519%)が買えるようになった。存続期間の長いアクティブファンドとして承認されたのだ。
現状これしか買えないので選択の余地はない。

2)成長投資枠
成長投資枠では外国株口座でドル建てのQQQMを買うのが最も経費率が低い。QQQMはQQQの廉価版で実質コストは0.15%だ。1株150$程度で買うことができる。

円建てで買いたい人はNEXT FUNDS NASDAQ-100連動型上場投信【1545】(実質コスト0.320%)が最もコストが低い。1株23000円程度で買うことができる。

毎月一定金額を買いたい人はインデックスファンドを買うのが良い。<購入・換金手数料なし>ニッセイNASDAQ100インデックス(信託報酬0.2035%)が最もコストが低い。ただし、設定されたばかりで、信託報酬以外の経費がどのぐらいになるか分からない。

 

まとめ

・NASDAQ100は全世界株やS&P500より過去のリターンが高い。
・米国の大型ハイテク株のウェイトが高い指数程、リターンが高い
・NASDAQ100をNISAで買うには、つみたて投資枠ではiFreeNEXT NASDAQ100インデックス、成長投資枠ではQQQMが良い。

最強キャラをどこに置くか――呪術廻戦感想

(本稿は呪術廻戦の抽象的な軽度のネタバレを含みます。)

作中最強キャラはどこに配置すべきだろうか。最強キャラが担う役割は大きく分けて三つある。1)敵、2)主人公、3)師匠だ。

 

1)最強の敵

最も多いのは敵が最強というパターンだ。小ボス、中ボスを倒して最強のラスボスへと迫っていくという物語構造はファンタジーの王道であり、ハリーポッター鬼滅の刃など多数の作品が存在する。
また、ゴジラジョーズターミネーターのような恐ろしい敵から逃げ回るタイプの作品も最強の敵カテゴリーに分類できる。
最強キャラを敵にすることには二つのメリットがある。最強の敵に打ち負かされることで主人公を成長させ、最強キャラを知恵と勇気で打ち負かすことで最大のカタルシスを得ることができる。これを成長カタルシスと下克上カタルシスと名付けよう。
私が直近書いた小説三作の内、二作は最強キャラを敵に、一作は師匠にしたが、敵にした作品の方が明らかに出来が良かった。最強キャラを敵にすると、敗北してどん底に落ち込み、そこから成長して打ち負かすという起伏に富んだ展開になるので書きやすい。初心者はまずは敵を最強キャラにするべきだ。


2)最強の主人公

主人公が最強という無双系作品も多い。俺TUEEE系のなろう系作品や、暴れん坊将軍のような時代劇、シャーロックホームズのような探偵小説は主人公が最強であることが多い。
このタイプの作品は主人公が力量差で敵をねじ伏せる無双カタルシスが味わえる。主人公をとにかく格好良く描きたい人向けの形式だ。
一方で、主人公を最強にすると、主人公を成長させられないという欠点がある。主人公を成長させるためには、敗北させてこのままではダメだと痛切に思わせる必要がある。主人公が最強だとパワーアップはできても真の成長はできない。
主人公を最強にすると、主人公が負けないので物語に大きな起伏を作れない。従って、長編小説には向いていない。逆に言えば、主人公が最強だと、問題発生→解決と話をコンパクトにまとめることができる。連作短編には良い形式だ。


3)最強の師匠

主人公の師匠が最強という作品も一定数存在する。るろうに剣心や呪術廻戦のような作品だ。
このタイプのメリットは主人公の成長カタルシスと師匠の無双カタルシスを両取りできることだ。通常の成長物語の構造を維持しながら、作中最強のめちゃくちゃ格好良いキャラを身近に配することができる。ラスボスは主人公の遠くにいることが多いので、師匠にした方が最強キャラの魅力をよりたっぷり描くことができる。
一方で、この形式には欠点がある。なぜ最強キャラが全部自分でやらんのか問題だ。
るろうに剣心の場合、最強キャラ比古清十郎は強すぎる力の弊害を感じて隠遁している。上手い設定だがせっかく最強なのに出番が少なくなってしまっている。
弟子の成長を促すためにあえて弟子に任せていると説明するという手もある。だが、いざという時は師匠が出てくれば解決するので、緊迫感が減じてしまうという欠点がある。

呪術廻戦の五条悟は作中のパワーバランスを一人で変えるほどの最強キャラであり、五条がいる限り、主人公の虎杖や乙骨の出番はない。そこで、呪術廻戦では肝心の戦いの時に足止めされたり封印されたりして五条が不在になるという方法で、なぜ五条が自分でやらんのか問題を解決している。だが、その結果として、五条は最強なわりに肝心な時に役に立たないという印象になってしまっているのは否めない。
また、敵が最強キャラを知恵と勇気で打ち負かそうとするという構造になっているので、ストレスが溜まる。敵にも五条と同じぐらい強い奴を配すれば良いのにと思っていた。
だが、アニメで渋谷事変における五条のすさまじい強さを見て認識を改めた。私は無双カタルシスに懐疑的で、強者が弱者を倒すより弱者が強者を倒す方が爽快に決まっていると思っていたのだが、五条が領域展開したシーンではドーパミンが出まくってうっとりしてしまった。無双カタルシスがすごいので、多少肝心な時に役立たずなぐらいしょうがないのかもしれない。

 

コーンフレークやフルグラは糖質が多すぎるのか

「コーンフレークとフルグラの栄養バランス調査」には沢山のブクマやスターを頂きどうも有難うございました。

shinonomen.hatenablog.com


ブコメではコーンフレークやフルグラは糖質が多いのではないかというツッコミが目立った。
そこで、コーンフレークやフルグラは糖質が多すぎるのか調べてみた。


1.「日本人の食事摂取基準」によれば糖質量は適切

私の栄養バランス判定は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に基づいている。

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

https://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/11/h1122-2a.html

大塚製薬のサイトの表が一番見やすい。

www.otsuka.co.jp

「日本人の食事摂取基準」には炭水化物と食物繊維の食事摂取基準はあるが、糖質に関しては基準がない。私が作成した表に糖質の項目がないのはそのためだ。
だが、糖質=炭水化物-食物繊維なので、炭水化物の基準から食物繊維の基準を引けば、糖質の基準が類推できる。
30~49歳男性の基準値を100kcal当りに換算すると炭水化物の上限は16.25g、食物繊維の下限は0.78gになるので、糖質の上限は15.47gになる。

コーンフレーク30g+牛乳200gの100kcal当り糖質量は15.21g、フルグラ50g+低脂肪乳200gの100kcal当り糖質量は13.92gだ。
推奨摂取量を守っている限り、コーンフレーク+牛乳もフルグラ+低脂肪乳も、厚生労働省の基準上は糖質が多すぎるということはない。
ただし、コーンフレークは推奨量の上限に近い。コーンフレークを33gにすると100g当り糖質量が15.57gとなり基準を超過する。


2.ロカボの基準ではフルグラ+低脂肪乳は糖質がやや多い

糖質に関してより厳しい基準もある。食・楽・健康協会のロカボだ。
食・楽・健康協会は、1食で摂取する糖質量を20~40g、1日70~130gにするという、適正糖質を提唱している。

locabo.net

コーンフレーク30g+牛乳200gの糖質は35.9gなのでロカボの基準も満たしている。
だが、フルグラ50g+低脂肪乳200gの糖質は42.6gなのでロカボの基準を少しオーバーしている。


ただし、ロカボの基準と対立する研究結果もある。

toyokeizai.net

上記記事で紹介されている研究(

https://www.thelancet.com/journals/lanpub/article/PIIS2468-2667(18)30135-X/fulltext

)によると、炭水化物からのエネルギーの割合50~55%が最も死亡リスクが低い

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」でも同じ研究を参照し、
アメリカ人中年男女(45〜64 歳)15,428 人を 25 年間追跡して、炭水化物摂取量と総死亡率との関連を検討した報告によると、炭水化物摂取量が 50〜55% エネルギーであった集団で最も低い総死亡率と最も長い平均期待余命が観察された。同時に、総死亡率の上昇と平均期待余命の短縮は炭水化物摂取量が 55〜65% エネルギーであった集団ではわずかであった。これは、目標量の範囲を 50〜65% エネルギーとすることを間接的に支持する知見であると考えられる。」と記している。


1日の摂取カロリーは活動量の少ない人で男性2200kcal、女性1700kcal程度だ。糖質は1g当り4kcalなので、糖質130gは520kcalに相当する。
食物繊維はエネルギーにならないので、糖質を130gにした場合、ロカボ基準では炭水化物からのエネルギー割合が、男性23.64%、女性30.59%となり、最も死亡リスクが低いエネルギー割合の50~55%よりだいぶ低くなってしまう。

食・楽・健康協会を立ち上げた山田悟氏の研究は、「2型糖尿病患者にロカボ指導を行った結果、最初の6カ月間に血糖値が大幅に改善し、改善が3年間維持された」というものだ。

www.nikkei.com


ロカボ基準は糖尿病の専門家によって作成された基準だが、日本人の食事摂取基準は様々な分野の専門家によるワーキンググループによって作成された基準だ。
ロカボ基準は糖尿病患者のような血糖値が高い人には有効だが、血糖値が正常な人は日本人の食事摂取基準の「炭水化物のエネルギーの割合50~65%」に従った方が良いのではないだろうか。

 

3.血糖値が上昇しやすいかどうかはGI値で分かる

ブコメの中には糖質の量ではなく、血糖値が上がりやすいのが問題だという指摘もあった。

血糖値の上昇に関しては下記の記事が分かりやすい。

www.otsuka.co.jp

同じ量の炭水化物を含む食品でも、食物繊維の量により血糖値が急激に上昇するものとおだやかに上昇するものがある。
血糖値の上がりやすさをGI値と呼び、GIが70以上の食品を高GI食品 56~69の間の食品を中GI食品 55以下の食品を低GI食品と分類している。

下記の記事ではシリアル食品GI値コーンフレーク75、グラノーラ55、ケロッグオールブラン45と示している。

グラノーラ以外のシリアルの種類!コーンフレークやブランとの違い

コーンフレークは高GI食品だがグラノーラオールブラン低GI食品と言える。

下記の記事では様々な食品のGI値を比較している。

www.rakuten.ne.jp

コーンフレークのGI値75は高いが、食パンは95、精白米は88であり、他の主食と比べて特段高い訳ではない。
玄米フレークの65は中GI食品、オートミールの55は低GI食品に相当する。

下記の記事では、カルビーが自社製品を牛乳と一緒に食べた際のGI値を測定し、フルーツグラノーラ+牛乳が50.7、ベイクドオートミール+牛乳が44.4という結果を得ている。

www.calbee.co.jp

 


4.様々なシリアル食品の栄養バランス調査

様々なシリアル食品に関して、100g当りの三大栄養素と糖質、食物繊維が「日本人の食事摂取基準」に合致しているか調査を行った。糖質に関しては炭水化物-食物繊維で計算した推定値である。糖質に関しては一食当たりのロカボ基準に合致しているかも調べた。また、上記記事から推定されるGI値も記した。
商品そのものを推奨量だけ食べた場合と、200gの牛乳か低脂肪乳をかけた場合について調査を行った。牛乳と低脂肪乳のどちらをかけるかは、栄養バランスがより良い方を選択した。
フルグラはHPの栄養成分情報が、前回記事で参照した値とは異なっていたので、前回記事とは微妙に数値が異なっている。

オートミール低脂肪乳は唯一全項目をクリアした。ただしカロリーが最も低く、これだけではカロリー不足になりそうなのが気がかりだ。
オールブランリッチ+牛乳は食物繊維量で他を圧倒している。牛乳をかけると脂質が多くなり、低脂肪乳をかけると脂質が少なく炭水化物が過剰という帯に短したすきに長し状態だが、実質的にはもっとも優秀だ。実売価格が割高であまり売っていないという欠点がある。
ブコメでも指摘があったが、フルグラ糖質オフは脂質が過剰で栄養バランス的にはあまり良くない。糖尿病で糖質制限をしている人や、日本人の食物摂取基準よりロカボ基準を信じる人向けの商品だ。
カルビーの他の3製品は甲乙つけがたい。ベイクドオーツは、カルビーの調査でフルグラよりGI値が低い点が優れている。フルグラ食後の血糖値対策はフルグラより糖質が控えめだが、脂質が基準よりやや多い。フルグラはロカボ基準をややオーバーしているが、栄養バランス的に優れており、最も入手しやすい。
玄米フレークはGI値的にコーンフレークとグラノーラの中間程度だ。ロカボ基準はややオーバーしている。
コーンフロスティ+牛乳は栄養バランスは完璧だが食物繊維が少なくGI値が高い点はいまいちだ。GI値的にはベーグル、赤飯と同程度で食パン、白米、もち、うどんよりは低い。
雑穀米を食べているような人がコーンフレークは体に悪いと言うのは分かるが、白飯を食べている人がコーンフレークは体に悪いと言うのはナンセンスだ。


まとめ

・日本人の食事摂取基準では牛乳か低脂肪乳と一緒に食べる場合、全シリアルの糖質量は適切。
ロカボ基準ではフルグラ+低脂肪乳、玄米フレーク+牛乳の一食当たり糖質量がやや多い。ただロカボ基準には異論もある。
シリアル食品GI値はコーンフレーク75、玄米フレーク65、オートミール55、グラノーラ55、ケロッグオールブラン45。GI値が低いほど食後の血糖値の上昇がおだやか。
オートミールオールブランリッチ、ベイクドオーツナッツ&シード、フルグラ、フルグラ食後の血糖値対策に低脂肪乳か牛乳をかけて食べると、低GIで栄養バランスもわりと良い。

 

 

 

 

 

 

感動させたい時は感情移入させろ。笑わせたい時はさせるな。

(本稿は『鬼滅の刃』等のアニメのネタバレを含みます。)

海燕氏が「オタクは女の子になりたがっている? 「ポスト性同一性障害男子」は「政治的に正しい自慰」の夢を見るか。」という記事を書かれていた。

somethingorange.jp

海燕氏は「フィクションのなかの女性に自己同一化したりしない。それをいうなら、男性に自己同一化もしない。ただひたすら眺めて楽しむだけ。」なので感覚がよくわからないが、事実として作中の女性になり切って作品を楽しんでいる百合男子が増えており、その背景には男性性への嫌悪があるのではないかと考察されている。

私はアニメを見る時に、しばしばキャラクターに感情移入する。私が作中の女性キャラに感情移入して見る場合、そのキャラの中に性別と関係なく共感できるポイントがあることが多い。

例えば『ぼっち・ざ・ろっく』の場合、コミュ障な部分に共感できる主人公ひとりに感情移入して見ていた。
ひとりに感情移入して見ている男性オタクの多くは、必ずしも女の子になりたいと思っているのではなく、ひとりのコミュ障部分に共感し、自分もひとりのように受け入れてもらえる居場所がほしいと思って見ているのではないか。

私の場合、アニメを作中のキャラに感情移入して見ている時と、誰にも感情移入せずに外から見ている時がある。そこで、好きなアニメについて、自分がどういう時に感情移入し、どういう時に外から見ているか考えてみた。


ゆるキャン△
基本的に、集団行動が苦手という部分に共感するしまりんに感情移入して、「なでしこ優しい! なでし可愛い! 好き好き大好き!」と思いながら見ている。
しまりんが出てこない時は概ね外から見ている。
だが、しまりん格好良い!とか思うこともあるので、しまりんに完全に自己投影している訳ではない。


鬼滅の刃
主人公の炭治郎に感情移入して見ていることが多い。ヒノカミ神楽の時などはシンクロ率100%になっていた。炭治郎は素直な良い子なので感情移入しやすい。主人公は視聴者が感情移入しやすいよう優しい善人にしろというのは娯楽作品を作る上での鉄則だ。
ただ、他のキャラを掘り下げるエピソードの時はそのキャラに感情移入して見ていることも多い。
例えば遊郭編の妓夫太郎が過去を回想して堕姫に別れを告げた時は妓夫太郎に感情移入して見ていたし、蜜璃の過去を掘り下げた時は蜜璃に感情移入して見ていた。


SPY×FAMILY
基本的に誰にも感情移入せずに外から見ている。主要キャラがスパイと殺し屋と超能力者で、感覚も常人とは異なっているので、感情移入しづらいキャラクター造形になっている。
ただ、アーニャがロイドの命を助けるために頑張るような感動的なエピソードの時は、ある程度アーニャに感情移入して見ている。完全に感情移入しているというよりは、見守っている、応援しているという感覚の方が強いかもしれない。


ぼっち・ざ・ろっく
私もコミュ障なので、主人公のひとり(ぼっちちゃん)に感情移入しまくって見ている。私なんかが参加して良いのかなと思っている間にタイミングを逃すといったコミュ障あるあるが描かれており分かりみが深い。
基本的にひとりの奇行を笑うギャグ漫画なのだが、分かりみが深すぎて笑えない部分がある。自分のことを笑うのは難しいからだ。ギャグとしてはそのキャラを外から見ている方が笑いやすい。


吸血鬼すぐ死ぬ
登場キャラ達のアホな行動を外から見て、ゲラゲラ笑っている。ただ、キャラクターの行動原理が全く理解不能なのではなく、エロの欲望に負けるみたいにある程度共感できる方が笑いやすい。
ラルクとジョンの出会いのようなたまにあるシリアスなエピソードの時は感情移入して観ている。ジョン可愛いよジョン。


チェンソーマン
誰にも感情移入せずに外から見ている。主人公のデンジは本能のおもむくまま行動するような型破りな性格で、出自も特殊なので感情移入しづらい。基本的に外から、破天荒なキャラ達の行動や、予想外の展開に驚きながら見る作品だ。
ただ、不意に、自分とは全然違うはずのデンジとも共感が発生することがある。生死のような根源的なことを描けば、共感しづらいキャラにも感情移入させることができるということが分かる。


いくつかの作品について感情移入して見ているか振り返ってみた結果、以下のことが分かった。
視聴者を感動させたい時は、キャラクターに感情移入させた方が良い。感情移入させた状態でキャラクターの感情を動かせば、視聴者の感情も動かすことができる。
逆に視聴者を笑わせたい時は、笑う対象のことを外から見ていた方が笑いやすいので、視聴者に感情移入させない方が良い。

例えば、『鬼滅の刃』の善逸が女好きなあまり暴走している時は、視聴者が共感できず引くぐらい極端な行動を取らせている。視聴者は善逸を外から見ているので、気持ちよく笑うことができる。
逆に、那田蜘蛛山で過去を回想している時は、臆病で不器用で、師匠の期待に応えたいのに上手くいかないという視聴者が感情移入しやすい一面を提示している。視聴者は善逸に自己投影して観ているので、霹靂一閃六連が決まった時は、自分の長年の努力が報われたかのような強いカタルシスを感じるのだ。

 

コーンフレークとフルグラの栄養バランス調査

新潟出張中は毎朝フルグラを食べていた。
コーンフレークやフルグラの袋には栄養バランスが完璧であることを示す多角形が載っている。
本当に栄養バランスは完璧なのだろうか。また、コーンフレークとフルグラはどちらがより栄養バランスが良いのだろうか。
代表的な商品であるケロッグコーンフロスティカルビーフルグラについて、そのまま食べた場合、牛乳をかけた場合、低脂肪乳をかけた場合の計6通りの栄養成分を調査した。
コーンフロスティは砂糖をまぶしたコーンフレークであり、厳密には別物なのだが、コーンフレークよりコーンフロスティの方がメジャーなので、コーンフロスティで検証した。)
商品が推奨する通り、コーンフロスティは30gに牛乳200g、フルグラは40gに牛乳200gかけた時の栄養成分を算出した。
牛乳と低脂肪乳の栄養成分は文部科学省の一般成分表を用いた。

過去記事と同様に30歳~49歳男性の必要量と比較した。

100kcal当たりの栄養成分表を示す。(推奨範囲内のものを太字で示した。)

コーンフロスティ、フルグラともに、単体では栄養バランスが良くない。特にコーンフロスティは低脂質高炭水化物で理想との乖離が著しい。牛乳をかけてこその商品であることが分かる。フルグラはたんぱく質が少なめではあるが、逸脱幅は小さい。牛乳なしで単体で食べるのならフルグラの方が良い。

コーンフロスティは牛乳をかけると三大栄養素のバランスが完璧になるが、低脂肪乳をかけると脂質不足で炭水化物が過剰になる。逆に、フルグラは低脂肪乳をかけると三大栄養素のバランスが完璧になるが、牛乳をかけると脂質が過剰になることが分かった。
本記事で最も重要なのはこの知見だ。「コーンフレークには牛乳、フルグラには低脂肪乳。忙しい方はこれだけ覚えて帰って下さい。

コーンフレーク+牛乳、フルグラ+低脂肪乳はビタミン、ミネラルも広範にカバーしている。
カリウム、カルシウム、鉄、リン、ビタミンA、ビタミンB1ビタミンB2ビタミンB12ビタミンDナイアシンパントテン酸はどちらも必要量を満たしている。
食塩相当量は両方とも推奨範囲内に収まっていた。食塩を範囲内に収めるのは至難の業なので、食塩相当量が理想的であるのは特筆すべきことだ。

コーンフレーク+牛乳だけが満たしていたのはビタミンCだ。逆にフルグラ+低脂肪乳だけが満たしていたのは食物繊維、ビタミンB6、葉酸の3成分だった。
項目数で言えばフルグラ+低脂肪乳の方がより栄養バランスが良い。毎朝フルグラを食べていると便通が格段に改善されるので、食物繊維が多いことが実感できる。
ただし、フルグラ+低脂肪乳はビタミンCを全く含んでいない。フルグラ+低脂肪乳を食べる際はビタミンC不足に注意する必要がある。
コーンフレーク+牛乳はビタミンCを必要量の倍近く含んでいる。フルグラとコーンフレークを混ぜて食べたり、交互に食べたりするのが良いかもしれない。


まとめ
単体ではフルグラの方が栄養バランスが良い。
コーンフレークには牛乳、フルグラには低脂肪乳をかけると栄養バランスが良くなる。
満たしている栄養成分の数で言えば、フルグラ+低脂肪乳の方が栄養バランスが良い。

 

 

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アルゴリズムによる掲載順位の調整に関する提言

1.「はてなブックマークガイドライン」公開

先日、はてなから「はてなブックマークガイドライン」が公開された。

b.hatena.ne.jp


冒頭で「表現の自由や意見の多様性を大事にする」一方、「安全性、健全性を保つことも不可欠」という大方針が示されている。
双方が必要であるという大枠部分に関しては賛同する。
特に、他者へのリスペクトを忘れず、コメントの表現に気配りせよという指摘は重要だ。
はてなユーザーの中には、相手を批判する際に人格否定のような言葉を付記する人が散見される。
私は相手に面と向かって同じことを言えるのか、と考えてから書き込むよう心掛けている。
基本的には良いガイドラインだと思う。


2.アルゴリズムによる掲載順位の調整

ただし、アルゴリズムによる掲載順位の調整には反対だ。理由は現状ではアルゴリズムより人間の集合知の方が賢いからだ。

ガイドラインでは「建設的な情報に多くの表示機会がもたらされることを目指してアルゴリズムを調整」しているとあり、
具体的には
・記事の内容や起こっている事象をより理解しやすくするもの
・共感を抱いたり支持したくなるもの
・記事の内容に関連した興味深い体験談
・客観的なファクトを提示するもの
・反論も含め、多様な視点や意見を述べるもの
の五項目を提示されている。
しかしながら、アルゴリズムがコメント内容を精査し、これら五項目に適合しているかを判断できるとは思えない。
最先端のAIであるChatGPTでも、生成内容に多くの誤りを含むことが指摘されている。はてなが使用しているアルゴリズムが、ネットの情報の中から信頼できるソースを選別してコメント内容と照合し、コメント内容が客観的なファクトかどうかチェックできるとは考えにくい。
他の項目も現状のAIの能力を考えると、人間より精度よく判定できるとは思えない。

実際問題、現状のアルゴリズム適用結果を見ると、五項目について上手く判定できているようには見えない。
このコメントは優れているしスターを集めているのに何で注目コメント入りしないんだと思ったことは多いが、スターが少ないが注目コメント入りしているブコメを読んで、他のスターが多いが下位になっているコメントより確かに優れている、建設的だと感じたことは一度もない。

はてなブックマークは人間の集合知によって有益な情報を集めるサービスだ。はてなブックマーカー集合知を疑うのは、任天堂がゲームの面白さを疑うような会社の根幹を揺るがす行為ではないだろうか。はてなにはぜひユーザーを、ユーザーの集合知を信用して頂きたい。


3.現状のアルゴリズムの内容について

次に、現状のアルゴリズムの内容について、ガイドラインで明示されたことや、コメントの表示状況から推察されることに関して私見を述べる。

3.1.短いコメントが注目コメント入りしない点について

注目コメントの表示状況を見ると、短いコメントは一律に弾かれているか、マイナス評価がかかっていることが推察できる。
はてなブックマークガイドライン」のブックマークコメントでもdogdogfactory氏の「文字数が少ないことは「コメントが建設的かどうか」と何の関係もないとおもいます。文字数少ないコメントも上位表示させてください。」というコメントが圧倒的支持を集めていた。私も同意見だ。
百歩譲って、政治経済・社会問題に関する記事であれば、短いコメントは熟慮されずに書かれている傾向があるかもしれない。しかしながら、「あと一つは?」といったアンケート記事において短いコメントが注目コメントから排除されているのは弊害しかない。改善をお願いしたい。

3.2.リンクを張ると注目コメント入りしにくい点について

ガイドラインでは「客観的なファクトを提示するもの」を良いコメントとして提示されている。であるならば、ソースリンクを張ることは推奨される行為であるはずだ。
しかしながら、現状ではソースリンクを張ったコメントが注目コメントに入らないという事例が散見される。改善をお願いしたい。

3.3.誰が書いたかによってコメントの評価が変動する点について

はてなブックマークガイドライン」によると、「アルゴリズムによる掲載順位の調整は、利用状況に関する情報も加味したものになります」とあり、ユーザーが望ましくない利用をしていると、コメントが注目コメント入りしにくくなることが示唆されている。
しかしながら、誰が書いたかによってコメントの評価を変動させるのはおかしい。コメントの内容だけで判断すべきだ。
例えば、政治問題では暴言ばかり吐いているようなユーザーでも、おすすめの漫画を訊ねるような記事では非常に良い作品を挙げるような事例はしばしばみられる。このような場合に、普段の利用状況が悪いからと、良い漫画作品を挙げたコメントの評価を下げることが、利用者の利益になるとは思えない。コメントはユーザーによらず、コメントの内容だけで評価すべきではないだろうか。

3.4.公共の場にふさわしくない表現について

アルゴリズムについて否定的な見解ばかり書いたが、唯一アルゴリズムが機能し得ると考えているのが「公共の場にふさわしくない表現は評価がマイナス調整」という機能だ。公共の場にふさわしくないような罵倒表現、人格を否定するような表現を登録しておき、マッチ度が高いコメントや記事を人気コメント、人気記事に入りにくくするというような操作はAIの得意とする所だ。
はてなブックマークコメントやアノニマスダイアリー記事の中には、必要もないのに他者を罵倒するようなものも散見される。そのような暴言が含まれていると注目コメント、人気記事に入りにくくなるのであれば、書き手も表現をセーブしようと考えるかもしれない。
アルゴリズムを導入した背景は、はてなブックマークコメントに暴言が飛び交っており、安全性、健全性が保てないという判断があったものと推察する。であるならば、アルゴリズムの適用は安全性、健全性を保つという目的に限定すべきではないだろうか。


4.提言

以上の議論を踏まえ、下記のように提言する。
アルゴリズムによる掲載順位の調整については撤廃してほしい。どうしても適用するのであれば、公共の場にふさわしくない表現の抑制のみに機能を絞って適用して頂きたい。

ダメな場合せめて、アンケート記事にアルゴリズムを適用することによって短文コメントが注目コメント入りしない事態を改善して頂きたい。
具体的には、「当該記事の平均文字数に比べ、著しく文字数が少なくなければマイナス評価しない」といった風にアルゴリズムを修正することが考えられる。
また、アルゴリズムの適用カテゴリを限定するという方法も考えられる。「安全性、健全性を保つ」という目的であれば、議論が荒れがちな「世の中」と「政治と経済」カテゴリの記事にだけ適用すれば十分であり、元々安全・健全な「おもしろ」等のカテゴリに適用する必要はないのではないだろうか。
ぜひご検討を宜しくお願いします。