東雲製作所

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米国株は23%下落するか、2年間横ばいか、その複合。

全世界的に株価が高騰している。S&P500は史上最高値を更新、日経平均もバブル期以来の高値を更新した。

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一方、企業業績はまだコロナ前を下回っている。株式市場全体が割高になっているのだ。

株高の原因は各国の政府や中央銀行が供給する過剰流動性だ。
コロナ不況を防ぐため各国政府は財政政策として市場に大量の資金を供給した。日本政府も定額給付金など大量のお金をばらまいている。そうしたお金の一部が株式市場に流れ込んでいるのだ。
各国中央銀行は金融政策として金利を引き下げている。米国債の利回りは1%以下だ。国債で運用できなくなった資金が株式に流入しているのだ。


過剰流動性相場には永続性がない。
各国政府の財政赤字は急速に拡大しており、いつまでも財政出動を続けるわけにはいかない。
金融緩和は元手なしでできるものの、いつまでも緩和を続けると巨大なバブルが発生してしまう。バブルが発生しないよう利上げするか、バブルが発生し弾けるかだ。どちらにしても永続性はない。

 

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S&P500の予想PERは11月20日が25.51、コロナ前の1月10日は19.65だったので22.97%も高い。
現在の異常に高いバリュエーションはいずれ元に戻る。
問題はどのように戻るかだ。

ケース1 株価の下落によって戻る
株価が22.97%下落すれば、PERはコロナ前の水準に戻る。

ケース2 EPSの上昇によって戻る
S&P500EPSのアナリストコンセンサスは下表のようになっている。
(2019年162.97、2020年が137.02、2021年が168.64、2022年が195.19)
現在の予想PERは株価を2021年のEPSで割ったものだ。EPSは2021年から2022年に15.74%増益する見込みだ。
2023年の増益率は不明だが、2010-2019年の平均増益率7.69%だとすると、2021年より24.64%の増益になる。
2022年の年末まで株価の横ばいが続けば、PERはコロナ前以下の水準に戻る。

ケース1、2はどちらも起きそうにない。ケース1の場合、23.4%も下落する前に押し目買いが入る、ケース2の場合、株価が動かないことに我慢できず短期投資家が売るので下落が起きるからだ。

最も起きそうなのはケース1、2の複合だ。
すなわち、株価は22.97%よりは小さな調整を挟みながら、トータルとしてはEPS成長率以下でゆるやかに上昇しバリュエーションが下落するというケースだ(ケース3)
しかしながら、株価がEPS成長率以上に上がってしまった場合は、22.97%より大きな調整が必要になる(ケース4)FRBがバブル潰しに失敗すれば、こちらの可能性が高まる。


投資家はどう対処すれば良いのだろうか。
現金比率100%にしてひたすら下落を待っていると、ケース3のように大きな下落なく上昇してしまった場合に買い逃がす。
かと言って現金比率0%にしてしまうと、いきなりケース4のような大暴落が起きた場合に身動きが取れない。

ケース1~4のどれになっても対処できるよう、現金比率をキープする、下落トレンドに入ったら売るものを決めておくなど、暴落に対する適度な備えが必要だ。

 

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