東雲製作所

東雲長閑(しののめのどか)の投資と評論サイトです。ジオシティーズ(http://www.geocities.jp/shinonomenod/)から移転してきました。

米国株はPER的には割高だが、イールドスプレッド的には上昇余地がある。

 米国株の高騰が止まらない。S&P500は連日史上最高値を更新し、1月17日には3329.62$に達した。

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 株価の割安性を示す予想PERは過去2年で最も高かった2018年1月5日の19.25を上回る19.45まで上昇した。
 私はPER19以上なんて高過ぎる、じきに下落するだろうと考え、少しずつ売っていたのだが、一向に下落しない。以前、「PERとイールドスプレッドのどちらを信じれば良いのか」という記事で「株の割高・割安の判断指標としてはイールドスプレッドよりPERの方が適切である。」という結論を出したのだが、イールドスプレッドが物を言う相場に変わってきているのかも知れない。

shinonomen.hatenablog.com

 著名ブロガーのチンギスハン氏が「米株は割高なのか?ハイテク好調!データで検証!」という記事を書かれている。

www.tingisuhan.com


 その中で氏はウォーレン・バフェット氏が2017年に言った「現在の低い金利水準では(米国株は)割高とは言えない。むしろ適正といえる」という言葉を引き、
リーマンショック以前は政策金利が5%超→PER15(益利回り6.6%)が適正だったが、長期金利1.9%ではもう少し高いPERが適正になる。
PER20(益利回り5%)は長期金利+3.1%なので上乗せ十分。
PER28(益利回り3.5%)でもおかしくはない。
と結論づけている。

 チンギスハン氏は上乗せ金利(=イールドスプレッド)が1.5%を切るとさすがに行き過ぎだが、どの程度が適正かは分からないと書かれていたので、2018年からのS&P500予想益利回り(PERの逆数)、米国10年国債利回り、イールドスプレッド(両者の差)をプロットしてみた。

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 どの値も金利なので値が小さいほど割高である。
 S&P500予想益利回りを見ると、現在は非常に割高だ。だが、米国10年国債利回りが大きく下がっているので、両者の差であるイールドスプレッド的には2018年よりだいぶ割安であることが分かる。

 2018年以降、イールドスプレッドが0.3以上上がった(=株価が急落した)ケースは5件ある。株価急落前の益利回りとイールドスプレッドを抜き出したのが下表だ。

日付 10年国債利回り S&P500予想益利回り イールドスプレッド 理由
2018/2/2 2.841 5.540 2.699 VIX指数の上昇
2018/10/5 3.233 5.562 2.329 逆イールド発生
2018/12/14 2.895 6.192 3.297 FRB利上げ
2019/7/26 2.074 5.510 3.436 対中関税第四弾発動を表明
2019/9/27 1.687 5.522 3.835 米景気減速懸念


 この内、2018/12/14はFRB金利引き上げ、2019/07/26は対中関税の引き上げ、2019/09/27は米国の景気減速懸念という明確な下落要因があり、イールドスプレッドの低下が原因ではないので参考にならない。
 一方、2018/2/2と2018/10/05は株価の高値警戒感が広がっていた所に、ちょっとしたきっかけで調整が入ったケースだ。2018年10月も9月に2.7を切ってから一ヶ月後に下落しているので、イールドスプレッドが2.7を切ると下落リスクが高いと言えそうだ。

 現在、米国10年国債利回りは約1.8なので、イールドスプレッド2.7だとS&P500予想益利回りは4.5、予想PERは22.22となる。S&P500に換算すると3803.81$となり14.24%の上昇だ。1株利益の改善が無くても、このぐらいまで上がる余地はある。
 ただし、これは波乱要因がなかった場合であり、市場がリスクオフになるような事態が起これば、イールドスプレッドがいくつだろうが株価は急落する。また、PER単独で見れば既に割高なので、ちょっとした理由で調整が入る可能性もある。

 米国株はPER的には割高だが、イールドスプレッド的には上昇余地がある。すぐさま急落が来ても、3800$ぐらいまでするする上がっても対応できるように、ほどほどのリスクを取っておくことが肝要だ。

ゆるキャン△と藤原拉麺店とカレー麺

 ゆるキャン△は孤独の自由も仲間とのふれあいもどちらも等しく素晴らしいということを描いた、私にとって大切な作品だ。

shinonomen.hatenablog.com


 そんなゆるキャン界隈が1月からにわかに活気づいている。まず、へやキャン△というショートアニメが始まった。わずか3分半のショートアニメだが、密度が高くて満足感がある。久しぶりになでしこ達がまったりしている様を見てほっこりした。

 さらに、実写ドラマも始まった。はてブでも話題になっていたが、素晴らしい再現度である。

togetter.com

 福原遥さんのしまりんもすごいが(実写で無表情だとむすっとして見えるので、原作より表情豊かにしているというインタビューを読んで感心した。)、何と言っても大原優乃さんのなでしこが素晴らしい。なでしこは漫画っぽいキャラクターなので、完全に再現するのは無理だろうと思っていたが、ベンチでのんきに寝ているだけで面白いし、食事シーンはアニメよりも美味しそうである。大原さんのぽかぽかした雰囲気がなでしこと合っていて、すごいはまり役だと思う。

 なでしこが美味しそうにカレー麺を食べているのを見ていたら、私も食べたくなったので、作ることにした。
 カレー麺と言えば以前出張帰りに食べた藤原拉麺店の洋風カレーらーめんが驚くほど美味しかった。

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 しかし、藤原拉麺店は前橋にあり、前橋に行く予定もないのでもう二度と食べられないかもな、と思っていたら、昨年12月に閉店してしまった。

 自宅で美味しいカレーラーメンが作れれば、この悲しみも幾分軽減されるだろう。という訳で、カレー麺のラーメンは藤原拉麺店に習ってとんこつベースにすることにした。

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 写真は二人前の材料である。とんこつスープは一袋だけ使用した。ちぎったキャベツを投入するのは簡単、食物繊維が取れる、野菜の出汁が出てひと味ちがうと三拍子そろっているのでカレー麺にかぎらず袋麺を調理する際はお勧めだ。

 まず、鍋でお湯を沸かし、袋麺とキャベツを投入。一分ぐらいしたら卵を割り入れる。二分半ぐらいしたらレトルトカレーと粉末スープを投入し、かき回して完成だ。

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 味はと言えば、カレーが美味くてラーメンも美味いのだから足したら美味いに決っているじゃないか! という感じ。豚骨スープがカレーの主張の強さの前に一歩身を引きながらも、ベースの部分でしっかり美味さを下支えしている。トロトロの卵とカレーが麺とからみ合って最高である。
 もちろん、藤原拉麺店の洗練された味とは比べようもないが、大枠の部分は受け継がれている。こんなことならもっと早くにやってみれば良かった。

 色んな人から色んなものを受け取ることで人生が豊かになっていくことを感じた新春である。

yurucamp.jp

www.tv-tokyo.co.jp

Fear & Greed Indexによるタイミング投資の検証

昨年はあらゆる資産が値上がりした。特に、米国株の主要指標であるS&P500は28.7%も上昇した。
実際は1年でそんなに儲けた人はほとんどいない。昨年1月は総悲観状態で、どかすか買えたのは著名ブロガーのたぱぞう氏などほんの一部の勇敢な人だけだ。

私はS&P500の積み立てとPERを用いたタイミング投資を併用するのを基本戦略にしている。
(PERは株の割安さを示す指標。PER=株価÷予想1株利益で値が低いほど割安)

2019年1月4日のS&P500の予想PERは14.95だった。2011年頃はもっと低かったため、さらなる下落もあり得ると考え購入額を絞ったが、実際は全力で買うべきだった。

PERを用いたタイミング投資には同じPERでも状況によって割高か割安かが変わるという問題点がある。
同じPER17でもこれから景気が回復し、分母の予想利益の上方修正が相次ぐことが見込まれるなら割安だし、
これから景気が悪化し、下方修正が続出するような局面では割高だ。

shinonomen.hatenablog.com

以前、VIX指数35以上、実績PER20以下は絶好の買い場という記事を書いたが、より便利な指標を見つけた、Fear & Greed Indexだ。

Fear & Greed Index(恐怖と強欲指数)はCNNが米国市場で取引がある日に毎日算出している、市場参加者の感情を表す指数だ。

money.cnn.com

下記のサイトの説明が詳しいが、移動平均線乖離率や高値・安値更新銘柄数、プット・コールオプションの割合、VIX値など7つの指標を元に、投資家心理が恐怖から強欲へと振れる様を0から100の数値で表している。

investansu.com

PERが会社が稼ぎ出す利益に比べて株価が割安かを示しているのに対し、Fear & Greed Indexは投資家心理を表しているだけだ。投資家が恐怖にかられているからといって割安だとは言い切れない。
だが、投資家全員の恐怖が最高潮に達し、売りたい人が全員売ってしまえば、売り手がいなくなるので株価の下落は止まる。

Fear & Greed Indexは一昨年末2まで低下した。0-100の指数で2なら恐怖の極限。絶好の買い場だったことが明白だ。

S&P500のチャートとの比較を示す。

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Fear & Greed Indexが20以下の強い恐怖になった赤の領域は長期的な買い場と一致している。Fear & Greed Indexが20以下になったら迷わず買いで良さそうだ。
一方、青で示したFear & Greed Index80以上の強い強欲は必ずしも良い売り場ではない。80以上になってもしばらく上昇し、その後に下落していることが多い。
おそらく、市場参加者の全員が恐怖している状態では売り手がいなくなるが、市場参加者の全員が強欲になっている状態では、今まで参加していなかった人が市場に参加してきて、新たな買い手が供給されるからだろう。

2020年1月9日現在、Fear & Greed Indexは93の強い強欲状態にある。
もうしばらく上昇は続くかも知れないが、積極的に買う局面でないことは確かだろう。

M-1グランプリ2019感想――期待通り+期待を越える=大きな笑い

 M-1グランプリ2019はレベルが高かった。特に、1~4位になった「ミルクボーイ」「かまいたち」「ぺこぱ」「和牛」は歴代優勝者に勝るとも劣らない出来だった。
 上位4組の漫才はどれも同じことを繰り返すという構造を持つ。視聴者の期待通りのことを繰り返すことで笑いのうねりを作り出していた。それに加えて、視聴者の期待を超えてくることで爆発的な笑いを引き起こしていた。具体的には下記の通りだ。

ミルクボーイ
〇〇やないか、〇〇と違うやないかが交互に来る→期待通り
「煩悩の塊」のような過剰な表現→期待を越える

かまいたち
ボケが頑強にツッコミを拒否し続ける→期待通り
「もし俺が謝って来られて来てたとしたら絶対に認められてたと思うか?」のような異常なことを言い出す→期待を越える

ぺこぱ
突っ込まずに肯定する→期待通り
「間違いはふるさとだ。誰にでもある」のような角度を変えた肯定→期待を越える

和牛
内見に行くとやはり人が住んでいる。→期待通り
ツッコミが人が住んでいないことが最優先になってひどい状態を喜び出す→期待を越える


個々の笑いに関しては「期待通り+期待を越える=大きな笑い」であるものの、それをどう配置するかに関して、決勝初進出組のミルクボーイ・ぺこぱと常連組のかまいたち・和牛は対照的な戦略を取っていた。
初進出組はシンプルに手数で勝負していた。ファーストステージで、期待通りのパターンをミルクボーイは10回、ぺこぱは15回も繰り返していた。
一方、常連組はしっかり振ってから後半で回収することで笑いをエスカレーションさせる戦略を取っていた。

M-1グランプリの持ち時間は4分だ。4分の場合、手数勝負の方が合っている。
かまいたちは言い間違えという比較的単純なフリなので、それほど時間を取られていないが、和牛は不動産の内見に言ったら人が住んでいるという込み入ったフリなので、フリに時間を取られ、トップスピードに入った所で終わってしまっている。『言い訳』で塙氏がM1は短距離漫才の大会だが和牛は中距離漫才であると指摘されていた。持ち時間が10分なら和牛が優勝していたかも知れない。

手数勝負の場合、しっかり振ってから回収するのに比べ一つ一つの笑いは小さくなりがちだ。
ミルクボーイとぺこぱは視聴者の知識をフリに使うことで、大きな笑いを生むことに成功していた。
ミルクボーイは視聴者のコーンフレークや最中体験がネタフリになっていて、漫才中は回収だけしている。
ぺこぱは既存の漫才がフリになっていて、突っ込むのか、と思わせておいて色んな角度から肯定していくというズレが笑いを生んでいる。

和牛が4分の中で種を蒔いて育てて収穫しているのだとすると、ミルクボーイは視聴者が蒔いて育てていた作物をガンガン収穫しまくっているのだ。ミルクボーイの方がウケるのは当然だ。

ミルクボーイとぺこぱの差はミルクボーイがほぼ全てのツッコミで期待を越えるワードで笑いのダメ押しをしていたのに対し、ぺこぱは期待通りレベルで終わっていたツッコミもあったからだろう。
また、これも『言い訳』の受け売りだが、漫才には関西弁の方が有利だという側面も否めない。ミルクボーイが関西弁でしゃべり続けていて笑いのテンションが常に維持されているのに対し、ぺこぱは時を戻している時にちょっとテンションが緩むという点に微妙な差があったのではないだろうか。

www.m-1gp.com

 

2019年テレビアニメベスト10

今年は例年よりはテレビアニメを観たので、ベスト10を発表する。
とにかく面白いもの、レコーダーに未見の作品があったら真っ先に見たいもの、という観点で選出したらメジャーなものばかりになってしまった。
ジャンプ作品が4つも入っている。一時期低迷が囁かれていたが、新たな黄金期に入ったのではないだろうか。

 

1)鬼滅の刃(原作:吾峠呼世晴、監督:外崎春雄、アニメ制作:ufotable

家族を鬼に殺された炭治郎が、鬼にされてしまった妹禰豆子を人間に戻すため、鬼と戦っていく大人気バトルアニメ。
本作の特徴はメインキャラが少年も少女もみんな可愛いことだ。炭治郎は頑張り屋さんで可愛いし、禰豆子はお兄ちゃん子で可愛いし、善逸はヘタレで可愛いし、伊之助はツンデレで可愛い。バトル物少年漫画で主要キャラがみんな可愛いのは珍しい。
例えば緋村剣心は普段は可愛いが、敵と戦う時は雄々しくなって格好良い。だが、炭治郎は敵を屠る時すら優しくて可愛い。カードキャプターさくらを思わせる可愛さだ。作者女性説が有力なのもうなずける。

shinonomen.hatenablog.com

 

2)約束のネバーランド(原作:白井カイウ出水ぽすか、監督:神戸守、アニメ制作:CloverWorks)

エマ達孤児院で暮らす子どもたちが秘密を知ってしまったことから始まるコンゲーム。1話の衝撃がすごい。
昔のジャンプ作品はドラゴンボールに代表されるようにストーリー展開は行き当たりばったりだが、キャラとエピソードが強いので面白いマンガが多かったが、最近はストーリー展開が緻密な作品が増えた。
本作はその最たるもので、門に近づいてはならないという<禁止>を破ったことから<罰>を受けるというように物語理論をきっちり学んでストーリーを練り上げている。

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3)ゴールデンカムイ(原作:野田サトル、監督:難波日登志、アニメ制作:ジェノスタジオ)

日本軍兵士杉元とアイヌの少女アシリパがタッグを組んでアイヌの残した金塊を探す冒険活劇。
銃撃戦になったかと思えば、騙し合いになり、敵と見方が入れ替わったりと展開が目まぐるしく変わり、全く先が読めない。
普通の生活を送るのに必要な何かが欠落した人間ばかり登場するが、彼らを否定せず訥々と描写することで、そう生きるしかなかった悲しみが際立っている。特に尾形と谷垣の過去回が心に残った。

 

4)かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~(原作:赤坂アカ、監督:畠山守、アニメ制作:A-1 Pictures

生徒会長白銀と副会長かぐやが両思いなのに互いに相手から告白させようと、知略を尽くして無駄に戦うギャグアニメ。
最初はアホかいと笑いながら見ていたのだが、彼らが相手から告らせようとしているのは、相手より優位に立ちたいからではなく、相手に拒絶されるのが怖いからではないか、と気付いて見方が変わった。
これはハイスペックな変人の話ではなく、普遍的な恋愛物語なのだ。

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5)Dr.STONE(原作:稲垣理一郎Boichi、監督:飯野慎也、アニメ制作:TMS/8PAN)

全人類が突如石化。それから数千年が過ぎた世界で、天才高校生石神千空が一から科学文明を再構築していくという気宇壮大なSF。
ジャンプで緻密な話が増えたと書いたが、本作はジャンプ伝統の大風呂敷がすごいタイプの作品。
少年漫画で主人公が科学者というだけでも珍しいが、さらに科学の素晴らしさ、科学的探求のワクワク感を真正面から描いており、本作に触発されて科学者を目指す若者が大勢いるだろうと思うと、科学界への貢献は計り知れない。
敵役の司が科学を目の敵にしている理由が腑に落ちない。司を通して科学の負の側面を掘り下げて描けば、もっと深い話になると思うのだが。

 

6)からかい上手の高木さん2(原作:山本崇一朗、監督:赤城博昭、アニメ制作:シンエイ動画

高木さんがあの手この手で西片をからかうアニメ。
とにかく高橋李依さんの囁くような声音が絶品で、毎回身悶えしながら見ていた。
女子三人組の話が間に挟まるのだが、30分ぶっ続けで高木さんにからかわれていたら悶え死ぬので、適切な処置である。
1期の時はひたすら高木さんが可愛かったのだが、西片も可愛いことに気がついた。高木さんがからかいたくなるのもよく分かる。

 

7)バビロン(原作:野﨑まど、監督:鈴木清崇、アニメ制作:REVOROOT)

正崎検事が自殺法を制定しようとする得体のしれない存在と戦うサスペンス。
とにかく毎回予想をはるかに超えて最悪の展開になっていくのがすさまじい。
野崎まど氏の作品に触れると、自分が無意識の内にリミッターを設定し、その中でだけ考えていたということに気付かされる。
自由意志による幸せな自殺は悪かという哲学的な問いがテーマになっているのだが、自殺は幸せであるという認知の歪みを生じさせることが悪なのだ。自爆テロと同じ構図だよね。

 

8)女子高生の無駄づかい(原作:ビーノ、監督:さんぺい聖、アニメ制作:パッショーネ

女子高生達が青春を浪費している様を描いた日常アニメ。
あそびあそばせ」が萌えアニメの皮を被ったギャグアニメだとすれば、「女子高生の無駄づかい」はギャグアニメの皮を被った萌えアニメ。バカ以外全員萌えキャラじゃないか。
全キャラに端的なあだ名がついているのでキャラ名が覚えやすいし、あだ名に引っ張られてキャラが立っている。
第一印象が最悪だったワセダが段々良い先生に思えてくるのが面白い。

 

9)彼方のアストラ(原作:篠原健太、監督:安藤正臣、アニメ制作:Lerche

宇宙の彼方に転送されてしまった9人の少年少女が、母星への帰還を目指すスペースオペラ
それだけで話の主軸になりそうな大ネタが三つ、四つあり、各キャラクターが抱える葛藤の克服があり、さらに訪れる惑星でのトラブルもあるというてんこ盛りな内容。
本作では国家や宗教が消滅し全部自分で決めるということが肯定されていたが、死の恐怖を前にして宗教のようなものにすがるのは悪いことなのかといったことを考えさせられた。

 

10)賭ケグルイ××(原作:河本ほむら尚村透、監督:松田清、アニメ制作:MAPPA

ギャンブルの腕で序列が決まる私立百花王学園で、蛇喰夢子達が様々な勝負を繰り広げるギャンブルアニメの第二期。
ギャンブルでぎりぎりの精神状態に追い込まれた様が、異様にデフォルメされた絵と振り切った演技で表現されており、見ているとアドレナリンがドバドバ出てくる。
夢子を始め、ネジが外れたような連中ばかり出てくるのだが、根幹の所では疎外された人間が自らを取り戻すという普遍的なことが描かれている。特に扉の塔の話は心に残った。

 

 

S&P500+Jリート―スリーシーズンズポートフォリオ

1)米国株と日本株を組み合わせてもリスク当たりリターンは改善しない。

先月の記事でS&P500に日本株新興国株を混ぜて全世界ポートフォリオを作る方法を紹介した。
全世界ポートフォリオは効率的市場仮説という経済理論に基づいている。割安な株があったらただちに買いが殺到して適正な価格まで値上がりするので、市場で流通している株はどれもリスク当たりのリターンが等しくなる。実際には値上がりする株と値下がりする株があるわけだが、それを事前に予想することはできない。そうであるならば、できるだけ広く分散して世界中の株を少しずつ買うのが、最もリスクが少なくなると言うのだ。

だが、近年のリターンやリスクを見る限り、S&P500に日本株新興国株を混ぜても良いことはない。
下のグラフは2016年1月から2019年11月のSPDR S&P500 ETF(1557)と日経平均を混ぜた場合の1日当たりのリターンとシャープレシオ(リスク当たりリターン)を示したものだ。

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横軸がS&P500の組み入れ比率である。S&P500 100%の時がリターン、シャープレシオ共に最も高くなっている。
リスクのグラフを見ると、日経平均はS&P500よりリスクが高く、また値動きも似ているため混ぜても大してリスクが下がらないことが分かる。

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SPDR S&P500は円ベースなので為替リスクを含んでいる。にも関わらず、為替リスクがない日経平均よりリスクが低い。一般に米国株は日本株よりハイリスクなイメージがあるが、間違いであることが分かる。

もちろん、過去のリターンは将来のリターンを保証するものではない。米国が突然没落する可能性もあるので、株式を地域分散して持っておくことにも意味はある。
現在は米国株が割高なので、来年は相対的に割安な新興国株や日本株の方がリターンが高くなる可能性はある。
だが、新興国株や日本株は米国株よりリスクが高く値動きも似ているのだから、リスク軽減のために新興国株や日本株に分散するのは間違っている。リスクを軽減したいのなら、リスクが低く、S&P500とは異なった値動きをする資産と組み合わせるべきだ。


2)米国株とJリートを組み合わせることで効果的にリスクを減らせる。

通常、株式と混ぜてリスクを軽減するのは債券の役目だ。だが、現在日本債券はマイナス利回りだし、外国債券は為替リスクがあるのであまりリスク軽減にならない。

現状、債券の代替物として最も有力なのはJリートだ。Jリートは3.5%程度の利回りがあるし、通常の株式より値動きが小さい。
さらに、値動きもS&P500とは異なっている。11月に米中合意の機運が高まり株が値上がりすると、Jリートは急落。その後も軟調に推移している。つまり、株式と逆の値動きをしている。S&P500と組み合わせればリスクが軽減できそうだ。

そこで、2016年1月から2019年11月の約4年間の終値データで検証を行った。
SPDR S&P500 ETF(1557)とiシェアーズ・コア Jリート ETF(1476)を0~100%の割合で組み合わせた時のリターン、リスク、シャープレシオは下記のようになった。(横軸がS&P500の組み入れ比率。)

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最もリターンが高いのはS&P500 100%の時、最もリスクが低いのはS&P500 30%,Jリート70%の時だった。
シャープレシオはS&P500 40%,Jリート60%で最も高くなった。


リスクのグラフを見ると、日経平均と違ってJリートはS&P500よりリスクが低い上に値動きの連動性が低く、混ぜることで効果的にリスクを減らせていることが分かる。

その人のリスク許容度に応じて、S&P500のポートフォリオJリートを0%~70%組み込むことで個々人に最適なポートフォリオを作ることができる。
具体的にはeMAXIS Slim米国株式(S&P500)とeMAXIS Slim 国内リートインデックスを組み合わせるのが最も簡単だろう。
(S&P500はSBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド、JリートはSmart-i Jリートインデックスでも良い。)


3)スリーシーズンズポートフォリオ

S&P500 70%、Jリート 30%程度を標準に、各人のリスク許容度に応じてJリートの組み入れ割合を0~70%に変化させるポートフォリオをスリーシーズンズポートフォリオ命名する。

スリーシーズンズというのはレイ・ダリオのオールシーズンズポートフォリオにならったものだ。

kirarinasset.com

レイ・ダリオのオールシーズンズポートフォリオはリターンを多少犠牲にして厳冬期にも対応できるようにしたディフェンシブなポートフォリオだが、スリーシーズンズポートフォリオはリターンが高い分、厳冬期には暴落する。

Jリートは賃料収入を配当として出資者に還元する特殊な株で、家賃は企業の利益より安定しているため利益のブレが少ない。極めてディフェンシブな高配当株のようなものだ。だが、景気が悪化し、企業が次々拠点を絞ってオフィスビルがガラガラみたいな事態になれば賃料収入が減少するので、Jリートも大きく値下がりする。

おそらく、 スリーシーズンズポートフォリオが急落するまでには
1)S&P500が暴落し、Jリートが値上がり。
2)不況が深刻化し、Jリートも値下がり。
というステップを踏むことが予想される。
2)の厳冬期に対応するためには、1)でJリートをある程度売ってキャッシュを確保し、2)でS&P500を買い向かう必要がある。

スリーシーズンズポートフォリオは株式のみで構成されたポートフォリオよりは安全だが、本格的景気後退時にはそれなりの対処が必要なのだ。