株の下落が長引いている。12月18日時点で、米国のS&P500は10月の最高値から14.9%、TOPIXは16.7%下落している。両指数とも、Wボトムの抵抗線を突き破って下げてしまったため、どこまで下がるか見当がつかない状況だ。
私は米国株はいつ下げ止まるかで書いた通りS&P500は10月29日の2641付近で下げ止まると予想していた。しかし、大ハズレになってしまったので、戦略の練り直しが必要になった。
エコノミストは総じて景気は比較的堅調で、株は下げ過ぎだと主張している。バロンズ拾い読みによると、10人のストラテジストによる2019年末のS&P500の平均予想値は2975。最も悲観的な人でも2750と答えており、直近の2,546.16より上げることで一致している。
PER的にも、ダウ平均が15.38、日経平均が11.8と割安水準にあり、長期的に見れば買い場のはずだ。
問題はいつまで、どこまで下げるか分からないため、無闇にナンピンを繰り返していると、途中で資金が底をつく恐れがあることだ。
対処法として下記の四つの方法が考えられる。
1持ち株を塩漬けにして相場から離れる
最もディフェンシブな対処法。現金比率を上げて守りを固めろと言っている多くのエコノミストの意見に沿ったやり方である。
メリットは現金を温存できることで、給料や配当等の収入がある人ならじわじわ現金比率を上げることができる。
デメリットは安売りの好機を逃すことだ。
まだ割安水準になっていない株を持っているなら売ってしまうのも一法だ。そんな株を持っている人はほとんどいないだろうが。
2下げ止まりを待ってから買い向かう
これが最も王道の対処法だろう。格言にも「落ちたナイフは掴むな。ナイフが地面に突きささり、しばらく揺れ動いた後、しっかり止まってからつかめ。」とある。
この方法のメリットは下げが続いている間は買わないので、大きく下げた時に無駄な買いを膨らませずにすむ点だ。上手くやれば、見事に大底でだけ買える可能性もある。
デメリットは底の見極めが難しいこと。もみ合いから上放れしたら買えというのがテクニカル的な鉄則だが、上放れしたと思ったらすぐに落ちることも多いし、十分に上げ相場に乗るのを待ってから買うと、安値で買い損ねることになる。
3ドルコスト平均法で買う
一定額を週一回など、一定期間毎にコンスタントに買っていく方法。
メリットはどこが底か考えなくて良いことと、買い付け金額の見通しがつけやすいこと。
デメリットは運が悪いと大底で買い逃がしたり、一時的に高くなった時ばかり買ってしまう可能性があることだ。
買い付け日にある程度幅を持たせる方法もある。例えば、週に一度買い付ける場合、買う日を月曜日などと固定せず、週のどこかで買うようにしても良い。
だが、ドルコスト平均法は人間の自由意志に任せていると間違うから、機械的に買った方が良い結果になるという思想に基づく購入法であり、自由にした方が良いとは言い切れない。
4最安値更新毎に買う
最大の下げ幅を予想し、投資資金÷最大下げ%の金額を、最安値を1%更新する毎に買い付けていく方式。
S&P500の場合、リーマン・ショック時には急落直前から44.05%下落している。最大の下げをリーマン・ショックと仮定すると、現時点で急落直前からは13.1%下げているので、残りの最大下げ幅は28.8%。最安値を1%更新する毎に(投資資金÷28.8)だけ買っていけば良い。
例えば、投資資金が10万円なら、最安値を1%更新する毎に3472円、3%更新したら10416円という風に購入すれば、リーマンショックを超える下げにならない限り資金が枯渇することはない。
メリットは下げる度に買っていくので、底で買い逃がさないこと。底が近い場合は有効な方法だ。
デメリットは延々と下落した場合に投資金額が膨らみ、平均購入額も高くなってしまうこと。1000円、2000円、3000円といった風に、1%下げる毎に買い付け金額を増やしていくという方法も考えられるが、すぐ反発した場合、ほんの少ししか買えないので痛し痒しだ。
相場が荒れている時は、損失を取り返そうと買いを膨らませてしまったり、逆に絶好の買い場を逃してしまったりしがちだ。自分なりの明確な方針を立てて自分を律することが大切だ。