東雲製作所

東雲長閑(しののめのどか)のよろず評論サイトです。

投資

長期移動平均線によるタイミング投資は有効か

1.はじめに 前回の記事ではPERによるタイミング投資(低PER法)の有効性を論じた。 低PER法には効果が出るまで時間がかかることの他に、実用上の問題がある。時系列データが得にくいのだ。 私が調べた限り、ネット上で入手できる長期のPER時系列データは世界…

PERによるタイミング投資は有効か

1.はじめに 日経平均が急騰後に暴落した。 私はこの流れに翻弄された。まず急騰に完全に乗り遅れた。私は日経平均ETFを2株しか持っておらず、そのうち1株を上がり始めてすぐに売ってしまったので、1株分しか値上がりを享受できなかった。まるで昭和の時代の…

FAANGのファンダメンタル(PER、EPS成長率、ROE)まとめ

GAFAやFANG、FAANGなどと呼ばれる米国の新興企業が話題だ。 GAFAはグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの頭文字であり、FANGはGAFAからアップルを外してネットフリックスを入れたもの、FAANGは5企業全部を指す。 過去最高を更新している米国の株…

バイ&ホールド最強説は本当か

投資本にはしばしば「株や投資信託を頻繁に売買すると損をするからバイ&ホールドが最強だ。」と書いてある。売買する毎に手数料がかかるので、できるだけ売買しない方が良い。特に売却すると税金がかかるので、値上がりして下落しそうでも売らずに我慢すべ…

ひふみ投信が下落したのはトランプのせい

ひふみ投信はレオス・キャピタルワークスが運用するアクティブファンドで、長期に渡ってTOPIXを上回るリターンを出していることや、アクティブファンドの割には信託報酬が安いことから個人投資家に人気がある。 楽天証券の7月の買付金額ランキングではひふみ…

米国株の暴落をPERで予測する

米国の代表的株価指数、S&P500が一月末につけた最高値に迫っている。 stocks.finance.yahoo.co.jp 株価が上がるのは結構だが、上がり過ぎると暴落の危険も高まる。 株がいつ暴落するかは予想できないというのが定説だ。だが、日本のバブル崩壊や米国のITバブ…

バフェットは市場の効率性を利用して勝っている

効率的市場仮説によると、公表されている情報は全て株価に織り込まれている。従って、公表されている情報をいくら分析しても、継続的に市場平均以上のリターンを得ることはできない。 市場は集合知の正しさを利用したシステムだ。牛の体重を予想するのに、大…

どの国に投資すべきか2――バフェット流の検証

5月16日の記事「どの国に投資すべきか」では株価が名目GPSと相関があり、新興国の予想名目GDP成長率が高いので、新興国に多く投資すべきではないかと書いた。 shinonomen.hatenablog.com しかし、新興国インデックスファンドの過去のリターンを見ると先進国…

投資信託の基準価額を予想する方法

投資を始めて最も驚いたことの一つが、投資信託は当日の注文を締め切った後に価格(基準価額)が発表されるので、いくらで買えるか分からないということだ。 もし商品に値札がついておらず、レジを通すまで値段が分からないスーパーがあったら、誰も行かない…

株式と債券のリバランスは不適当

インデックス投資では定期的にリバランスをすることが推奨されている。 リバランスとは資金配分を最適な割合に戻すことだ。例えば、株式と債券の割合を、株式60%、債権40%と定めて投資を始めた場合、株式が値上がりして株式70%、債権30%になっていたら、10%…

リターンを定量的に比較せよ――バフェットの銘柄選択術感想

オマハの賢人ウォーレン・バフェット。10万5000ドルを元手に始めた株式投資で800億ドル以上の富を築いた、世界で最も成功した投資家である。そんなバフェットの具体的投資術を解説した本が『億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術』(メアリー・バフェット…

どの国に投資すべきか

前回の記事では、何にどの程度投資すべきか人によって意見がばらばらだということを書いた。 なぜばらばらかと言うと、人によってリスクをどの程度重視するかが異なっているからだ。 私は債権によるリスクヘッジは必要ないと思う。なぜなら、成長市場の株式…

著名投資家のアセットアロケーションまとめ

前回の記事で資金は出来るだけ速やかに投資する方が良いと分かった。問題は投資先だ。 投資関係の様々な本やサイトを読みあさった結果、幅広い銘柄に少しずつ投資することでリスクを分散するインデックス投資が良いということが分かった。具体的にはインデッ…

一括投資と積み立て投資を比較する

『全面改訂ほったらかし投資術』(山崎元、水無瀬ケンイチ著、朝日新書)の中で、山崎元氏が一括投資の有効性について書かれていた。 定期的に一定額を積み立てる方法は「ドルコスト平均法」と呼ばれる方法で、しばしば投資家にとってリスクが低減できる有利…

単にPERが低い株を買ったらどうなるか

株の割安さを測る基準にPER(株価収益率)がある。「PER=株価/1株あたり利益」で計算できる。理論上会社の利益は全て株主に還元されるから、PERは株を買った資金を回収できる年数を示す。PER=15程度が基準で、それより低いと割安、高いと割高だと言われている…