東雲製作所

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小選挙区制は対立発生源

 国会審議が形骸化している。国会を開く前から、与党提案の法案は修正されずにそのまま通り、野党提案の法案は成立しないと決まっている。国会での議論は何かに活かされるわけではなく、形式的に審議を行っているだけ。これでは時間と金の無駄だ。
 以前、共産党の小池議員の質問に安倍首相が賛意を示し、議場が拍手に包まれたという出来事があった。私も感銘を受けたのだが、本来ならこういうことが何度もあってしかるべきだろう。

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 以前新聞で読んだ所によると、欧州の議会では条文を最初から順に与野党で検討して修正していき、最後まで検討が終わったら採決されるのだという。これが国会の本来あるべき姿だろう。

 世の中で行われている大半の会議において、出席者は互いに敵対していない。
 会社の会議でもそうだ。営業部と開発部の間で意見の対立があっても、敵対はしていない。お互い会社を良くしようとする仲間だからだ。もし部同士が敵対していたら、それは問題のある会社だ。

 国会も本来与党と野党は同じ国を良くしようとする仲間であるべきだ。だが、実際は敵対している。つまり現在の国会は問題のある組織だということに他ならない。
 なぜ与党と野党が敵対しているのか。選挙制度小選挙区制だからだ。

 小選挙区制では各選挙区で与野党のどちらか一人しか当選できない。誰だって、蹴落とさなければ失業するような相手と協力なんかできない。必然的に与野党は敵対化する。

 小選挙区制は営業部と開発部の社員を一人ずつペアにして競わせ、負けた方をクビにするような制度だ。そんな会社は足の引っ張り合いが多発し、うまくいくわけがない。

 選挙制度比例代表制中選挙区制にすべきだ。比例代表制中選挙区制ならば与野党の議員が両方共当選できるので、敵対感情が薄くなり、互いに協力して国を良くしていこうという意識も芽生えやすくなるからだ。