日本の投資家の多くは日本株より米国株などの海外株の方がリスクが高いと思っている。
だが、日本株売買の6~7割を占める海外投資家にとって日本株は米国株よりリスクが高い。
第一に日本株は米国株より値動きが激しい。日経平均とダウ平均を比べると、日経平均の方が銘柄数が多いにも関わらず、値動きが荒い。
第二にドル投資家にとって日本株には為替リスクがある。円安が進んで1ドル110円から120円になったら、資産が8.3%も目減りしてしまう。他に有望な投資先があるなら、わざわざ為替リスクなど負いたくはない。
それに加えて、現在の日本株は景気後退リスクが大きい。消費増税を控えている上、日銀がゼロ金利政策を続けており不景気になっても利下げできないため、景気後退が長引く恐れがある。景気後退しそうになったら利下げすれば良い米国と比べてリスクが高い。
米国株や中国株が年初以来急ピッチで上がり続ける中、日本株は大きく出遅れていた。上記のようなリスクがあるのだから当然だ。
しかしながら、4月に入ってようやく日本株が本格的に上がり始めた。ずっと日本株を売り越していた海外投資家が買い始めたのが原因だ。
海外投資家が日本株を買い始めた原因。それは米国株が割高になったからだ。
米国株の主要指数S&P500の予想PERは4月になって17.3を超えた。S&P500の予想PERは昨年から15~18で推移しており、17.3はやや割高だ。米国株が割高になったので、仕方なくハイリスクな日本株を物色し始めた。
「比較的安全な米国株が軒並み値上がりしてしまって、割安株が残ってねえなあ。しょうがねえ、日本株でも買うか。」という感じで日本株が買われているのだ。
海外投資家が買い始めたので、これから日本株は上がるかも知れない。先行きのリスクに目をつぶれば、日経平均は予想PER12.53と割安だからだ。
ただし、日本株が上がるかどうかは米国株次第だ。米国株が割安圏まで下落すれば、わざわざハイリスクな日本株を持つ必要はなくなるので、日本株は大きく売られてしまうからだ。
まとめ
日本株取引の6~7割を占める海外投資家にとって、日本株は米国株よりリスクが高い。
ずっと日本株を売り越していた海外投資家が買い越しに転じた。米国株が割高になってしまったので、仕方なくハイリスクな日本株を物色し始めた。
海外投資家がリスクを取り始めたのでこれから日本株は上がるかも知れない。ただし、それは米国株が下落するまでの間だけだ。