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パワハラなしに指導できないのが良い先生なわけないだろう――3年A組-今から皆さんは、人質です-感想

 (本稿は「3年A組-今から皆さんは、人質です-」の抽象的ネタバレを含みます。文中敬称略)

 『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(武藤将吾脚本)は非常に続きが気になるドラマだ。回毎に構図を変えて視聴者を飽きさせない構成が上手く、ミステリー的面白さもある。菅田将暉と伸び盛りの若手俳優のぶつかり合いは迫力があって引き込まれる。

 問題は生徒を人質に取って教室に立てこもっている柊が素晴らしい先生だったという結論で終わりそうなところだ。「女王の教室」の時も天海祐希演じるパワハラ教師が世間的には素晴らしい先生だということになってしまった。

 どんな目的があろうとも生徒を監禁するような犯罪をしてはいけないのは当然だが、指導方法にも問題がある。柊は生徒を監禁し、強制的に話を聞かねばならない状況を作った。その上、生徒に暴力を振るったり、怒鳴り散らしたりする必要があるだろうか。
 生徒に自分で考え、気付いて欲しいのなら、言いたいことをがなりたててパワハラするのではなく、穏やかに気付きのヒントを語るに止めるべきではないか。怒鳴らないと伝えらないのであれば、指導力が低いと言わざるを得ないだろう。

 別に私はこういうドラマを作るなと言っているわけではない。理不尽な状況を作って視聴者に反発を感じさせるのは視聴者の興味を引きつける有効な手段だ。
 私が言いたいのは、最終回でちゃんと柊が茅野達生徒から「先生の目的は分かりました。しかし先生の取った行動は間違っています」と断罪され、司法の裁きを受けるべきだということだ。そうでないと、視聴者に「情熱があれば子供にパワハラしても良いんだ。子供も感謝しているじゃないか」という誤ったメッセージを送ることになる。

 自分や自分の子供が先生から監禁、脅迫され、PTSDになっても良いと思うのでなければ、柊のことを賞賛すべきではない。

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