東雲製作所

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米国株の暴落をPERで予測する

 米国の代表的株価指数、S&P500が一月末につけた最高値に迫っている。

stocks.finance.yahoo.co.jp


 株価が上がるのは結構だが、上がり過ぎると暴落の危険も高まる。

 株がいつ暴落するかは予想できないというのが定説だ。だが、日本のバブル崩壊や米国のITバブル崩壊のように、株価の大暴落前には、株価が高騰し、割高になっていることが多い。
 そこで過去のS&P500暴落前の月次PERを調べてみた。

www.multpl.com


1)ITバブル崩壊世界金融危機

 市場では、概ね20%を超えるような大きな下落のことを暴落、小さな下落を調整と呼ぶことが多い。

 2000年以降に米国で起きた株価の暴落は2000年に起きたITバブル崩壊と、2008年に起きた世界金融危機の二回だ。

 ITバブル崩壊では2000年8/1に実績PER27.97をつけた後に3ヶ月で13.85%下落。多少持ち直した後続落し、7ヶ月で25.63%暴落している。
 世界金融危機では2008年8/1に実績PER26.83をつけた後に3ヶ月で33.51%、6ヶ月で52.28%も暴落している。

 このことから、実績PER=27近くになったら暴落の危険性が差し迫っていると言えるだろう。

 

2)その他の調整

 世界金融危機以降も5~20%の調整は何度も発生している。

 2010.4/1から2ヶ月で13.59%下落。直前PER=19.01
 2011.4/1から5ヶ月で18.18%下落。直前PER=16.21
 2012.3/1から2ヶ月で7.01%下落。直前PER=15.69
 2015.7/1から2ヶ月で8.90%下落。直前PER=22.4
 2015.11/1から3ヶ月で7.24%下落。直前PER=23.67
 2018.1/1から2ヶ月で6.58%下落。直前PER=24.97

 7%程度の調整は、PER=15.69というとりたてて高くないPERからも発生するということが分かる。
 S&P500のPERは2014年12月に20を超えてから、20以上を維持している。つまり、1月に起きた程度の調整を嫌がっていたら、米国株は全く買うことができない。米国株を買うなら、20%以下の調整リスクは引き受けるしかない。

 

3)2018年1月の調整

 2017年以降は、S&P500の実績、予想PERの週次データが存在している。

PER(NYダウ・ナスダック100・S&P500)の推移|株式マーケットデータ


 調整前のPERと現在のPERを比較すると次のようになる。

 日付   実績PER 予想PER 
 2018.1/26  23.34  18.67 
 2018.8/10  24.05  17.61

 実績PERでは1月末の暴落前につけた最大値を既に上回っている。予想PERはまだ下回っているが、いつ大きな調整が入ってもおかしくない状態ではある。

 

4)個人的対処法

 個人的には次のような方針で臨もうと考えている。

 S&P500の予想PERが18を超えたら少しずつ売ってキャッシュポジションを上げる。
 S&P500の実績PERが26を超えたら半分程売却して暴落に備える。

 なお、日本株や欧州株、新興国株は米国株よりは割安な水準で推移しているが、米国株がPER=27近くまで上がったら、ある程度売却してキャッシュポジションを増やしておいた方が良いだろう。米国株が暴落したら、割安だろうが何だろうが、世界中の株がつられて暴落するからだ。