献本を頂いたのに全く感想を書いていなかったので、短い感想を。
絵本作家・百灯瀬七姫のおとぎ事件ノート 喜多南 宝島社文庫
最後の「私が何者か」という謎に関するどんでん返しに感心した。ライトノベル的にコミカルなシーンは無理に入れなくても良いのではあるまいか。
筆跡鑑定人・東雲清一郎は書を書かない。 谷春慶 宝島社文庫
かなり完成度の高いミステリー。何と言っても主人公東雲清一郎のツンデレっぷりがすごい。額にいれて飾りたいような見事なツンデレである。筆跡鑑定に関する蘊蓄も興味深い。何かきっかけがあれば「ビブリア古書堂」のようにバカ売れしそうなのだが。
魔法少女育成計画ACES 遠藤浅蜊 このライトノベルがすごい!文庫
物知りみっちゃんの「手にした物を別の一文字違いのものに変えられる」という能力はいかにも活字メディア向きで読んでいてわくわくした。実際はその場で変換するより、銃なり剣なりをあらかじめ作って持っていった方が良いと思うが。
まのわ 魔物倒す・能力奪う・私強くなる4 紫炎 このライトノベルがすごい!文庫
小説家になろうって男子もしくは女子の願望詰め込みまくりな小説が多い印象があるのだが、これは男子も女子も登場人物皆ままならない所が面白い。まったり悲劇とも言うべき独特のテイストだ。
1/5追記
建築士・音無薫子の設計ノート 謎あり物件、リノベーションします。 逢上央士 宝島社文庫
人間観察をして、顧客の琴線に触れる作品を作るという点で、建築家は小説家と似ているということが分かった。ほとんど全てのシーンに今西中が登場するのに、何故今西の一人称か三人称今西視点にしないのだろうか。