東雲製作所

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2019-05-17から1日間の記事一覧

個性を祝福する文学――十二人の死にたい子どもたち感想

『十二人の死にたい子どもたち』(冲方丁著、文藝春秋)は連休中に一気読みした。こんなにページを繰る手を止められない小説は久しぶりだ。 本作は十二人が室内で議論をしながら事件の謎を解いていくという『十二人の怒れる男』のオマージュ作品だ。『十二人…