東雲製作所

東雲長閑(しののめのどか)のよろず評論サイトです。

川の名前 などの感想

出張に行っていたので本の感想が溜まりまくっている。


待ってて、藤森くん! 壱乗寺かるた 富士見ミステリー文庫
リーダビリティーが普通の小説の倍くらい高い。
折角幼なじみと相思相愛なのにどうしてこれ以上第三の女性を登場させて話を引き伸ばす必要があろうか。


川の名前 川端裕人 ハヤカワ文庫
『麦ふみクーツェ』のこの世に打楽器でないものはなにもない、とか本作の川は世界とつながっている、みたいにシンプルであたりまえで大きな事実は、提示され方によってはものすごく心を打つ。
子どものキャラクター造詣が抜群で、特にゴム丸は小さな大人ではなくちゃんと独特だけど実際にいそうな子どもになっていて素晴らしい。


喚ばれて飛び出てみたけれど I.はじめまして世界 丸本 天外  角川スニーカー文庫
世の中を斜め下から見たようなひねた視点から繰り出される独特のギャグがツボに入った。
どうでも良いことだが、飛行機の貨物室に猫を乗せたら死ぬんじゃなかったっけ。