東雲製作所

東雲長閑(しののめのどか)のよろず評論サイトです。

マルドゥック・ヴェロシティの感想

マルドゥック・ヴェロシティ2 冲方丁 ハヤカワ文庫
東雲長閑は小説に外国人が十人以上登場すると、仕様上、誰が誰だか分からなくなるということを再確認した。
甲賀忍法帳+七人の侍みたいな内容で、敵が悪者で背景を持たない上に不気味な人外なので、読んでいてさっさとぶち殺せ=力の濫用という気分になる。

マルドゥック・ヴェロシティ3 冲方丁 ハヤカワ文庫
ボイルドと『スクランブル』のバロットの運命を分けたのは、最終的には本人の決断であるにしろ、九割方は敵がどれだけ強大で、状況がどれだけ悲惨かに拠っているのではないかとないかと思うわけで、ウフコックは純粋だけど残酷な奴である。
ボイルドに悲惨な結末を避けるすべはあったのかというと、最初にクリストファーについていかないことしかないと思うのだが、そうすると、自らが誰にも必要とされていないことに耐えねばならず、しかし、人間兵器が有用性を発揮するとなるとこういう仕事しかないわけで、存在自体が悲劇を内包しているとしか言いようがない。


ライトノベル読者は5つのタイプに分けられる
普通に人気作品を中心に読んでいるマジョリティがどこにも入らないではないですか。