東雲製作所

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一億総指示待ち時代

菅首相は国民からの批判が高まってからようやく緊急事態宣言を出した。12月中に出していれば、医療崩壊は避けられ、経済へのダメージも少なくて済んだだろう。
はてブには、私同様首相の判断の遅さを批判するコメントが溢れていた。

同様に呆れたのが、私が勤める会社の対応だ。緊急事態宣言が出た翌日に会議を開いておもむろに対応を検討。金曜の五時ごろようやくテレワークの推奨を通知したのだ。報道によって事前に木曜に出ると分かっていたし、小池知事はもっと前からテレワークを推進してくれと訴えていた。
本来なら政府に先んじて社員にテレワークを呼びかけるべきだし、せめて金曜からテレワーク中心にするよう準備しておくべきではないか。

そんな時、「緊急事態宣言でたけどお前らは何か生活様式を変えるの?」という記事を読んだ。

anond.hatelabo.jp


去年の3月から完全に引きこもっているという増田による、このままでは「みんなが自分以下のやつが動けばいいと思っているだけで何も変わらない」
「対策できていないやつが対策するように圧力をかけるだけじゃなくて、それなりに対策できている人たちも含めて全員が対策レベルを一段階上げることが必要なんじゃないか」という呼びかけに、私は我が身を振り返った。

良く考えると当社には申請して認められれば週3回までテレワークにできる制度がある。会社からテレワークを増やすよう指示が出る前に、自ら率先してテレワークにすれば良かったのだ。上司がテレワークにすると仕事の能率が落ちると思っているので言い出しにくかったのだが、当然のような顔をして申請すべきだった。
首相の判断が遅いことを批判していた私が最も判断が遅かった。恥じ入るばかりだ。

首相は国民からの指示待ちだし、会社は首相からの指示待ちだし、末端の国民たる私は会社からの指示待ちだった。国民はみずからの程度に応じた政治しかもちえないという言葉を実感したのだった。