東雲製作所

東雲長閑(しののめのどか)のよろず評論サイトです。

リオオリンピック感想

 リオオリンピックの感想を記す。ぐずぐずしている内にブログとは思えぬ時期はずれな記事になってしまった。

 

 競泳について
 競泳は他の競技に比べて種目が細かく分かれすぎではないだろうか。マイケル・フェルプス選手が23個も金メダルを獲得しているのに対し、ウサイン・ボルト選手は9個というのが競泳が他と較べて細分化しすぎであることを如実に表している。バタフライは平泳ぎから派生して新種目となったそうだが、その時点で種目を増やさず、平泳ぎを自然淘汰で無くすか、バタフライは自由形で競ってもらうべきだったと思う。
 競泳100mには自由型、バタフライ、平泳ぎ、背泳ぎの四種目あるのに対し、陸上100mは普通に走るのとハードルのニ種目しかない。競泳との公平を期すなら後ろ向き走りと四足走り(もしくはナンバ走り)もオリンピック競技にすべきではないだろうか。あるいは短距離でも競歩を実施するとか。100m競歩は判定にものすごく時間がかかりそうだ。


 最も好きな記事
 私がリオオリンピック関連で読んだ最も好きな記事は朝日新聞清水寿之記者の星奈津美選手に関する記事だ。

digital.asahi.com


 全文が読めない方のために要約すると、

 星選手はトップアスリートには珍しい、のんびり屋さん。
 準決勝で平井コーチが「最初の3ストロークはゆっくりいけ」と指示したら、6ストロークゆっくりになってしまった。
 決勝前に「君の場合は倍かかる。1ストロークだけゆっくり」と言いかえたら上手くいった。

 というもの。「水泳と並行して習っていた剣道では相手を竹刀で打てず、こちらの頭を差し出すような子だった。」といった記事の端々から星選手の人柄が伝わって来て心うたれた。

 そんな星選手だが、バセドウ病を克服した努力家で、羊の皮を被った狼と呼ばれているとのこと。オリンピック後には結婚が発表された。おめでとうございます。


 メダルに関する執念
 福原愛選手は銅メダルをかけたキム・ソンイ選手との戦いに敗れた後、メディアからの質問に「傷をえぐるみたいで……」と一回戦でキム選手に敗れた石川佳純選手に対策を聞かなかったと答えていた。
 福原選手にはどんな手を使ってでもメダルを獲ってやるという執念が少なかったように思う。
 例えば、テニスの錦織圭選手は、銅メダルをかけたナダル選手との試合中、12分もかけてトイレに行き、試合の流れを変えた。錦織選手の方が福原選手よりも何としてもメダルを獲ってやるという執念が強かったのではないだろうか。
 誤解しないで頂きたいのだが、私は福原選手はもっと執念を持つべきだったと言っているのではない。アスリートにとってメダルは重要だが、人生における一要素にすぎない。福原選手のこういう優しさに多くのファンは惹かれているのだ。