東雲製作所

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もし「支持政党なし」党が近畿ブロックから出たら

「支持政党なし」党が北海道ブロックで10万票取ったことが話題になっている。
http://www.asahi.com/articles/ASGDH2GVFGDHUTIL007.html
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.asahi.com/articles/ASGDH2GVFGDHUTIL007.html


http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2014/kaihyou/yc81.html
開票速報によると、「支持政党なし」は得票率4.2%とのことだ。
「支持政党なし」が立候補したのが定数8の北海道ブロックだったから当選には至らなかった。
だが、単純計算すると、100/4.2=23.8なので、定数24以上の選挙区なら当選していたことになる。

そこで、定数29の近畿ブロックに立候補していたらどうなっていたか検証してみた。


近畿ブロックにおける自民党の結果は下記の通りだ。
獲得議席:9 得票数:2,442,006票 (得票率28.9%)
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2014/kaihyou/yc88.html

「支持政党なし」が近畿でも得票率4.2%だったとすると、2442006*4.2/28.9=354894だから、354894票獲得する計算になる。
ドント式では得票数を議席数で割って、多い方が当選となる。
自民党の最下位当選者は 2442006/9=271334となり、354894/1=354894より少ない。
従って、「支持政党なし」は近畿ブロックで立候補すれば当選していたのだ!


 これほど巧妙な戦術を思いつく「支持政党なし」執行部が、定数が多いブロックの方が当選しやすいことに気づかないとは考えにくい。
 おそらく、「支持政党なし」は本気で議席を得るつもりはなく、むしろ万が一議席を得てしまいバッシングにさらされることを恐れて、当選の見込みが薄い北海道ブロックから出馬したのではないだろうか。


 問題は「支持政党なし」の戦術が有効であることが知れ渡ってしまったため、次回選挙で真似する政治団体が出かねず、その団体が本気で議席を獲るべく近畿ブロックから立候補したら、当選しかねないことだ。
 選管は何らかの対策を講じるべきだろう。


1/9追記
北海道から出た理由は公式サイトに書いてありましたね。供託金節約のためだそうです。