東雲製作所

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神様の壊れたキス感想

下の記事には平和さんとリッパーさんがリンクを張って下さったので(有難うございます)、恐らく結構アクセス数を稼いでいると思うが、アクセス解析してないので分からないのであった。それがはてなに完全移行しない一因でもあり。

神様のメモ帳2 杉井光 電撃文庫
安楽椅子探偵なのに机上で論理を組み立てるのではなく、人海戦術で警察のような捜査を行うところが斬新かつリアルだ。
千雨とキョンが似てるという記事があったけど、それを言うならニート探偵アリスこそその極北であり、恕(己の欲せざるところ人に施すことなかれ)の精神を徹底すると、依頼がないと自分からは殆ど動けなくなっちゃうんだよなあ。

ヴァースキス 佐野しなの 電撃文庫
怒涛のうれし恥ずかしマシンガントークにやられて総武線の車内でにやつきまくっていたあやしい男は多分私だ。
なにげにボーイズラブ小説なのだが、片方の体が女になっているだけで少年向けライトノベルとして成立してしまう所に、ライトノベル読者(俺含む)がキャラの内面より外見を重視しがちであるという傾向を見ることができる。

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 幸せの背景は不幸 入間人間 電撃文庫
断片の集積のような一人称は、読者に、語り手が突如として今まで被っていた仮面を脱ぎ捨てて凶行に及ぶのではないかという不安を与える。
『リヴァースキス』もだけど、主人公の「何でそこまで……」という行動に後からちゃんと理由説明がなされて伏線だったことが分かる所が巧みだ。