東雲製作所

東雲長閑(しののめのどか)のよろず評論サイトです。

『本を読んだことがない32歳が初めて「走れメロス」を読む日』感想

(本稿は『本を読んだことがない32歳が初めて「走れメロス」を読む日』と走れメロスのネタバレを含みます。)

10月31日にオモコロで『本を読んだことがない32歳が初めて「走れメロス」を読む日』という記事が発表され、はてブでも大きな話題となった。

omocoro.jp


漫画は沢山読んでいるが小説は読んだことがないWEBライターのみくのしん氏が、走れメロスを音読しながら、友人のかまど氏と対話していくという記事だ。

最初はみくのしん氏の「マルコは三千里も行ってるのに、メロスは十里でしょ?負けてない?」といった感想を読んで笑っていたのだが、「「ひっそりしている」って短い一文で、読む方もシャンとする感じがある」という指摘にはっとさせられた。
その後もみくのしん氏は「おまえの兄の、一ばんきらいなものは、人を疑う事と、それから、嘘をつく事だ。」というメロスのセリフに対し、「妹に言ってるようで、自分にも言い聞かせてるんだと思う。そうじゃないとこんな幸せから抜けられる気しないもん。」と分析したり、
メロスが動けなくなって絶望するシーンでは「皮肉だけど、王様の理屈がメロスにも理解できちゃったシーンでもあるんだな」と述べたりと鋭い指摘を連発し、感心させられた。


1.感情を抑制するという悪癖

中でも心に残ったのが、みくのしん氏が「走れメロス」を読んで喜怒哀楽の感情を発露する様だ。
氏が「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。」という一文を読んで「本当にそうだよな」と感極まったり、山賊が王様の命令で待ち伏せしていた疑惑にぶちぎれたり、途中で諦めたメロスにショックを受けたり、走るメロスを必死に応援したり、最後に号泣したりした時には、読んでいるこちらも大いに感情を揺さぶられた。

現代人は日常生活において、冷静であることが求められる。他者に怒りをぶつけるのはNGだし、感極まって泣き出したりしたら変な人だと思われてしまう。
感情を抑制するのは対人マナーの面で必要であるだけでなく、自らの心を守るためでもある。現代人は日々、あまりに多くの刺激的な情報にさらされている。
ニュースを見てもその都度深く感情移入はしない。ウクライナで虐殺された人一人一人に感情移入して、身近な人が死んだような痛みを感じていたら鬱になって生活に支障が出てしまう。

感情を抑制する習性は、フィクションを見聞きする際にも発揮される。小説などのフィクションではしょっちゅう劇的な出来事が起きるので、小説読みは言葉を割り引いて受け取る癖がついてしまっている。「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。」という文を読んでも、フィクションの中の出来事として捉えているので、メロスが怒っているな、ぐらいにしか感じない。
みくのしん氏は日常レベルの感性で、友だちが「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。」と言ったかのように受け取っているからあれほど心動かされているのではないか。
小説は本来心を動かすために読むものだ。それなのに、感情を抑制して読むのでは本末転倒だ。本記事を読んで、長年にわたって心にこびりついて動きを妨げていた悪いものがさっぱりと洗い流されたような心地がした。


2.時間当たりに動かせる感情は有限

本記事を読んでもう一つ痛感したのが時間当たりに動かせる感情は有限だということだ。
走れメロスは速読なら数分で読むことができるが、人間は数分の間に心の底から怒り、楽しみ、絶望し、喜ぶことなどできない。
本記事でみくのしん氏は走れメロスを音読で3時間もかけて読んでいる。感情が高ぶった時にはしばしば本を置いて休んでいる。時間当たりに心が動く量の限界に達したから回復するまで休んでいるのではないか。

映画館で激しく心揺さぶられる映画を観た後は、しばらくフィクションを受け付けなくなる。また、M-1グランプリのようにあまりに密度が濃いお笑い番組を見るともうお笑いを見るのは十分だという気分になる。
私は泣きすぎたり笑いすぎたりして体力的に疲れているからだと思っていたのだが、それに加え、時間当たりに動かせる感情の限界に達しているのではないだろうか。

我々は時間の浪費に関しては自覚的だが、感情の浪費に関しては無自覚なことが多い。時間当たりに動かせる感情が有限なら、触れるコンテンツは厳選した方が良い。下らない釣り記事を読んで苛立つのは、感情の浪費に他ならない。
私は短い余暇時間を有効活用しようと、アニメを倍速視聴している。だが、時間当たりに動かせる感情が有限だとすると、倍速視聴では一作品当たりに動かせる感情の量が半分になってしまう。

小説の書き方本を読んでいると、作家になるには大量に読めという意見が多い。だが、東野圭吾氏は「ミステリーの書き方 日本推理作家協会編著 幻冬舎」の中で下記のように語っておられる。

「好きな映画は何度でも観る。ただ「良かったな」じゃなくて、今観ているシーンに対して自分がどう思っているかを大切にする。観察していると、その中にヒントがある。小さな意外性や驚きがたくさんある。」
「なぜ自分がその時にそう思ったのかを突き詰められるからです。その突き詰める作業の中から、自分が意外感や違和感を抱いた理由がはっきりしてくる。そこからアイデアが出てくる。それが実際に使えるかどうかはともかく、膨大な数のアイデアを拾えるわけです。」

物語の表面にある、ストーリー展開や設定、キャラクターのバリエーションを増やすには、多読することが有益だ。だが、物語の核心にある、心を大きく動かすものを理解して咀嚼し、自分でも使えるようにするためには、時間をかけて作品と向き合う必要があるのではないだろうか。

米2年債利回りから予想する今後のドル円

ドル円が急落している。11月10日にドル円は146.6円から140.21円まで6.4円も下落。11日には138.48円まで下落した。
10月の米CPI(消費者物価指数)が7.7%に低下したのが原因だ。インフレが峠を越え、FRBが利上げを停止するのではないかという期待が背景にある。
ドル円はこのまま下落し、円高に向かうのだろうか。

ドル円は日米2年債金利差とある程度連動することが知られている。日本の2年債利回りはほぼ0で変動しないので、日米2年債金利差≒米2年債利回りとなる。

年初来のドル円と米2年債利回りの推移を示す。両者が連動して動いていることが分かる。

ドル円と米2年債利回りの散布図を示す。近似直線はY=0.0932x-9.3929(Xがドル円、Yが米2年債利回り)、R^2=0.9477となった。
R^2は2値の相関性を0~1で示した指標で、1に近い程相関が高い。ドル円と米2年債利回りの相関は極めて高い。
急速な円安は投機的な動きであるという意見もあるが、円安には日米金利差というファンダメンタルの裏付けがあることが分かる。

11月14日時点でドル円は1$=140.1円、2年債利回りは4.3993%だ(図中オレンジの点)。近似直線からは大きく離れている。
2年債利回りは4.3993%からドル円の理論値を算出すると、148.14円となる。現在のドル円は理論値より8円円高だ。
年初来の関係式通りであれば、ドル円はいずれ140円台後半まで戻ることになる。

為替は将来の金利の期待を反映する。今までは将来米国の金利が上昇するという期待によってドル高になっていた。今後は米国の金利が下落するから、今までの関係式より円高になるのは正当だという見方もあり得る。
しかしながら、140.1円は年初来の関係式では米2年債利回り3.652%に相当する。
米国はいまだ利上げが継続中であり、10月のCPIは7.7%だ。現在7.7%のインフレ率が目標の2%に達するまでには時間がかかる。近い将来米2年債利回りが3.652%まで低下する可能性は極めて低い。

米国債利回りが4%超というのはインフレ抑制のための非常手段の結果であり、いつまでも続くものではない。
長期的にみればいずれ米国は利下げを行って日米金利差が縮小するので、円高に向かう可能性が高い。だが、それはだいぶ先の話だ。

市場は2023年後半の利下げを期待しているが、ドットプロットやFRB高官の話を総合すれば利下げ開始は2024年だ。
米国が利下げを開始するまでは日米金利差は縮まらない。ドル円は既に3.652%までの金利低下を織り込んでしまっている。
FRBが利下げを開始する2024年、早くても2023年後半までは急速な円高にはならないのではないだろうか。

 

ヤマザキのコッペパンレビュー

平日の昼食は袋麺かカロリーバランスを食べている。現場出張中はお湯がないし、カロリーバランスは売っていないので主にパンを食べていた。
ある日、ウオロクでヤマザキコッペパン68円セールをやっていたので、大量に買ってきた。

その後、追加で買ったものも含めて、ウオロクで売っていた全種類のレビューを記す。


コッペパン ジャム&マーガリ

熱量471kcal、たんぱく質9.4g、脂質19.7g、炭水化物64.0g、食塩相当量0.9g
主要原材料名 小麦粉、苺ジャム、マーガリ
苺ジャムパン。苺ジャムは割とたっぷり入っており、パンにしみ込んでいるのが美味い。ほのかな酸味が食欲を誘う。

 

コッペパン つぶあん&マーガリ

熱量485kcal、たんぱく質10.8g、脂質20.2g、炭水化物64.7g、食塩相当量0.9g
主要原材料名 小麦粉、つぶあん、マーガリ
つぶあんとマーガリンの相性が抜群。つぶあんがたっぷり入っており、カロリーが高く食べ応えがある。甘い系では珍しく皮の食感が楽しめる。

 

コッペパン ブルーベリー&マーガリ

熱量476kcal、たんぱく質9.7g、脂質20.7g、炭水化物62.3g、食塩相当量1.0g
主要原材料名 小麦粉、ブルーベリージャム、マーガリ
オーソドックスなブルーベリージャムパン。ブルーベリーのさっぱりとした酸味とマーガリンの油分の相性が良く、食が進む。

 

コッペパン はちみつ&マーガリ

熱量487kcal、たんぱく質9.6g、脂質23.0g、炭水化物60.5g、食塩相当量1.0g
主要原材料名 小麦粉、マーガリン、蜂蜜ゼリー
とろっとしたはちみつがパンにしみ込んだ所はとても美味い。はちみつがあまり入っていないのが残念。

 

コッペパン ピーナッツクリーム

熱量499kcal、たんぱく質11.6g、脂質24.6g、炭水化物57.8g、食塩相当量0.8g
主要原材料名 小麦粉、ピーナッツクリーム
甘い系コッペパンの中では甘さ控えめ。柔らかい具が多い中、粘性が高くザラメのような食感で異彩を放っている。

 

コッペパン 生チョコレート&ホイップ

熱量435kcal、たんぱく質10.7g、脂質14.4g、炭水化物65.6g、食塩相当量0.8g
主要原材料名 小麦粉、チョコレート、牛乳入りミルククリーム
クリームとチョコレートの割合は2:1程度。パンに対してチョコが少ない。チョコパンのチョコはチョココロネぐらいたっぷり入っていてほしい。

 

コッペパン ピスタチオクリーム&ホイップ

熱量383kcal、たんぱく質10.0g、脂質12.1g、炭水化物58.4g、食塩相当量0.8g
主要原材料名 小麦粉、ピスタチオフラワーペースト
ずんだのような味だが、豆の食感はほとんど残っておらず滑らかな食感。クリームが多い。

 

コッペパン タマゴ

熱量341kcal、たんぱく質11.3g、脂質14.4g、炭水化物41.6g、食塩相当量1.5g
主要原材料名 小麦粉、卵フィリング(卵、ドレッシング、その他)
卵ペーストを挟んだコッペパン。上品な味。通常の卵サンドと違って玉ねぎが入っていないので、食感が淡泊で物足りない。

 

コッペパン ツナマヨネーズ

熱量312kcal、たんぱく質9.9g、脂質11.4g、炭水化物42.5g、食塩相当量1.0g
主要原材料名 小麦粉、ツナサラダ(ドレッシング、たまねぎ、まぐろ油漬け、その他)
おにぎりでは定番のツナマヨ味。玉ねぎが入っていて食感が良い。具の量も比較的多い。しょっぱい系の中では一番好き。

 

コッペパン 焼きそば&マヨネーズ

熱量396kcal、たんぱく質9.8g、脂質18.3g、炭水化物48.0g、食塩相当量1.9g
主要原材料名 小麦粉、焼きそば(めん、焼きそばソース、植物油脂…)、マヨネーズ
炭水化物in炭水化物だが、甘い系のコッペパンと比べれば炭水化物量は控えめ。焼きそばはポークエキス、昆布だし、かつお節粉末など色んな旨味成分が入っていてなかなか美味しい。

 

コッペパン いもあん&マーガリ


熱量414kcal、たんぱく質9.2g、脂質18.6g、炭水化物52.5g、食塩相当量0.8g

主要原材料名 小麦粉、さつまいもあん、糖類、マーガリ
新潟県産さつまいもの「いもジェンヌ」のあんを使ったコッペパン。くりあんと似た味だがいもならではのもったりとした食感。いもあんの量が少ない。

 

コッペパン 塚田珈琲入りコーヒークリーム

熱量361kcal、たんぱく質9.6g、脂質9.0g、炭水化物60.4g、食塩相当量0.7g
主要原材料名 小麦粉、コーヒークリーム
塚田珈琲は新潟では有名なコーヒー牛乳とのこと。コーヒークリームはパンの隅まで入っていて満足度が高い。

 

白いコッペパン チョコバナナ

熱量363kcal、たんぱく質7.9g、脂質10.3g、炭水化物59.7g、食塩相当量0.8g
主要原材料名 小麦粉、バナナフラワーペースト、チョコフラワーペースト
白いコッペパンは通常のコッペパンよりしっとりもちもちしている。チョコバナナはバナナの食感はなく、人工的な味。


13種類を食べ比べた結果、定番のつぶあん&マーガリン、次いでツナマヨネーズが美味かった。具の量が多いほど満足度が高い傾向がある。


栄養バランスについても調べてみた。
たんぱく質、脂質、炭水化物のg単位での理想割合は17.44:12.79:69.77である。
理想割合からの乖離が小さいのはピスタチオクリーム&ホイップ、ツナマヨネーズ、生チョコレート&ホイップだった。
逆に乖離が大きいのはピーナッツクリーム、はちみつ&マーガリン、焼きそば&マヨネーズだった。脂質が多いと乖離が大きくなる傾向がある。
最も重要とされるたんぱく質は全商品で理想より少なかったが、タマゴとツナマヨネーズは理想からの乖離がわずかだった。総合的にはツナマヨネーズが最も健康に良さそうだ。


ヤマザキコッペパンは全部で何種類あるのかとHPを調べたら、ジャム&マーガリン、つぶあん&マーガリン、ピーナッツクリームの3種類しか掲載されていなかった。
公式HPよりこのページの方がヤマザキコッペパンに関する情報が充実している。ヤマザキパンはランチパックだけでなく、コッペパンもちゃんと宣伝してあげて欲しい。

 

ブルーベリー&マーガリンとツナマヨネーズは中身写真を撮り忘れた。千葉に帰ってから買って撮れば良いやと思っていたら、どこにも売っていない。ヤマザキパン直営のスーパーヤマザキですら売っていなかった。
東京や千葉のスーパーではほぼHPに載っている3種類しか売っていない。新潟はコッペパン好きが多いのだろうか。

 

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第一話感想

(本稿は『機動戦士ガンダム 水星の魔女』と『少女革命ウテナ』のネタバレを含みます。)

機動戦士ガンダム 水星の魔女』(原作:矢立肇富野由悠季、監督:小林寛、アニメーション制作:サンライズ)が話題だ。ネット上の評判を見ると、ウテナだ百合だという声が多い。『少女革命ウテナ』(原作:ビーパパス、監督:幾原邦彦、アニメーション制作:J.C.STAFF)は私が最も好きなアニメの一つなので、早速見てみた。

第一話を見た所、思った以上にウテナだった。「学園を舞台に学園のエリート達が決闘で花嫁を奪い合っている。そのことに憤った正義感の強い転校生が決闘を挑み、花嫁を奪取する。」という物語の基本構造が全く同じだ。学園ではなく軍隊を舞台にするとか、もうちょっとアレンジを加えた方が良いのではないだろうか。これでは原作としてビーパパスをクレジットした方が良いレベルだ。

もちろん、決闘方法が剣からガンダムに変更されているなど、違う部分もある。最も異なっているのは花嫁の性格だ。
少女革命ウテナ』のアンシーは決闘者達から人形のように扱われても反抗の意志を見せない受動的なキャラクターだ。一方、『水星の魔女』のミオリネは決闘で結婚相手を決められることに憤っており、学園から脱出しようとしたり、自らガンダムに乗って戦ったりと、積極的に反抗している。
一見、『水星の魔女』の方がより自立した女性を描いているかのようだが、そうではない。物語はキャラクターの変化を描くものだからだ。

少女革命ウテナ』は意志のない人形のようだったアンシーが自立して学園を出ていくから、女性の自立に関する強烈なメッセージになっているのだ。
一方、ミオリネは第一話の時点で学園から脱出しようとしている。ミオリネの変化を描こうとするなら、最終的に学園から出る以外の行動を選択して、主人公スレッタとの出会いを通じてこのように変化した、ということを示さねばならない。
一つ考えられるのは、ミオリネを学園に留まらせることで、「逃げずに自分の持ち場に留まって戦え」というメッセージを発することだ。だが、結婚相手を勝手に決めるような親からは逃げた方が良いのであって、逃げずに戦えというメッセージに説得力を持たせることは難しい。

物語冒頭にミオリネの脱出シーンを置いたのは、最後にアンシーが脱出する少女革命ウテナと綺麗な対照を成している。これは、本作がポスト少女革命ウテナ作品であるという明確な意思表明だ。
最後にミオリネがどういう行動をし、それによって作品としてどういうメッセージを発しようとしているのか、期待して待ちたい。

g-witch.net

ウオロクの弁当レビュー

出張中の夕食は基本的にスーパーの弁当である。新潟出張では地元のスーパーウオロクの弁当を食べていた。
ウオロクは江戸時代創業の鮮魚商、五十集屋六右ェ門に端を発する老舗で、1962年にスーパーマーケット事業を開始した。新潟県内に四十店舗程を展開している。


極うま唐揚げとタルタルあじフライ弁当 398円+税

熱量957kcal、たんぱく質32.7g、脂質43.9g、炭水化物102.5g、食塩相当量3.1g

唐揚げはからっと揚がっており下味が美味い。タルタルソースと言えば白身魚のフライだが、味の濃いアジフライと合わせることで重層的な味に仕上がっている。
二大おかずがどーんと入っておりカロリーがすごい。


秋の味覚 炊き込みきのこのご飯弁当 498円+税

熱量578kcal、たんぱく質15.6g、脂質20.4g、炭水化物80.7g、食塩相当量3.0g

きのこの炊き込みご飯にカキフライ、唐揚げ、揚げ出し豆腐などのおかずを合わせた弁当。
醤油と出汁のあっさりとした旨味で味が統一されている。値段の割に量は少なめ。


1/3日分野菜の舞茸ご飯弁当 398円+税

熱量624kcal、たんぱく質24.8g、脂質14.4g、炭水化物97.4g、食塩相当量2.5g

かぼちゃ、れんこん、じゃがいも、なす。にんじん、緑パプリカ、千切りキャベツと野菜がたっぷり入った弁当。野菜は素材の味を生かした薄い塩味。
ご飯はバター醤油味の舞茸コーンご飯で野菜とよく合う。唐揚げ三個入り。


彩り野菜のハンバーグ弁当 398円+税

熱量648kcal、たんぱく質28.6g、脂質20.5g、炭水化物89.2g、食塩相当量2.1g

ハンバーグに揚げ野菜を合わせたおしゃれな弁当。ハンバーグは脂の旨味がたっぷりで相当美味い。
付け合わせの野菜はズッキーニ、パプリカなどを使っており、洋食屋のランチプレートのよう。枝豆ご飯もハンバーグと良く合う。


ウオロク特製チキンステーキ海苔弁当 398円+税

熱量769kcal、たんぱく質34.4g、脂質28.8g、炭水化物87.2g、食塩相当量3.0g

チキンステーキがどーんと載った海苔弁当の概念を覆す弁当。チキンステーキは肉厚で食べ応えがある。
海苔の裏には昆布佃煮が敷いてあり、寿司のような味わい。

 

旨だれ牛カルビ焼肉重 398円+税 ウオロク

熱量597kcal、たんぱく質13.6g、脂質22.7g、炭水化物80.2g、食塩相当量1.9g

牛カルビ、ご飯、紅生姜だけのシンプルな弁当。味噌だれの牛カルビは油分たっぷりで旨味が強い。
ご飯に対する量もたっぷりで満足感が高い。


だしの風味を味わうヒレカツ丼 298円+税

熱量456kcal、たんぱく質16.4g、脂質10.5g、炭水化物70.6g、食塩相当量1.9g

小ぶりなヒレカツ丼。カツは肉厚で身が詰まっている。蕎麦屋のカツ丼風の甘辛たれがご飯のも良く染みている。
みつばが良い薬味になっている。


二段仕込み 銀鮭味噌漬焼弁当 498円+税

熱量607kcal、たんぱく質23.9g、脂質17.9g、炭水化物82.6g、食塩相当量2.2g

大きな鮭が入った鮭弁当。鮭は西京焼きのような味で、味噌が加わって旨味が増している。
他にコロッケ、揚げだし豆腐、玉子焼、小松菜醤油漬けが入っている。


お刺身 ちょこっと5点 498円+税

熱量141kcal、たんぱく質16.2g、脂質7.7g、炭水化物2.2g、食塩相当量0.2g

弁当ではないが、ウオロクは魚介類に強いスーパーなので刺身も買ってみた。
まぐろ、ぶりたたき、サーモン、からすかれいえんがわ、つぶ貝の盛り合わせ。
つぶ貝は弾力が強く味が濃厚。ぶりたたきは脂が載っていて炙りサーモンのよう。サーモンはとろとろしている。


ウオロクの弁当はどれも何かしら工夫が見られる。普通のスーパーの弁当は弁当屋が作っている感じなのに対し、ウオロクの弁当はシェフが作っているという印象だ。
最も美味かったのは彩り野菜のハンバーグ弁当。こじゃれた店で皿に盛って出せば1000円ぐらい取れるのではないだろうか。

米国債は割安か

米国の長期金利が上昇している。
10月7日時点で、2年債利回りは4.307%、10年債利回りは3.883%に達した。
日本10年国債の利回りは0.25%である。世界有数の安全資産である米国2年債の利回りが4.3%、10年債が3.9%というのは、直観的には非常にお買い得なように見える。

 

1.ドットチャートとの比較

米国FRB金融政策決定会合FOMCと呼ぶ。
9月のFOMC後にFOMCメンバーによる将来の政策金利予想分布「ドットチャート」が公表された。

FOMCメンバー予想の中央値は、政策金利を22年末に4.375%、23年末までに4.575%、24年末3.875%、25年末2.875%、長期2.5%と予想している。

現在の政策金利は3.25%、今月末は0.75ポイント利上げで4%と予想されている。予想と予想の間を直線でつないで金利を算出した所、今後2年間の平均金利は4.35%、10年間の平均金利は3.018%となった。

現在の2年債利回り4.307%はFOMC予想と大差ないが、10年債利回り3.883%はFOMC予想と比べて28.68%も高い。
FOMCの予想通りに金利が推移して10年後の長期金利が2.5%になれば、年利3.883%の金利収入に加え、10年間で35.6%の値上がり益が得られる。これは美味しすぎる。

FOMCメンバー中最もタカ派な人の予想でも10年間の平均利回りは3.518%。現在の10年債利回りは最もタカ派な予想より10.39%割安だ。

もちろん、FRBがいくら利上げをしてもインフレが鎮静化せず、いつまで経っても利下げできない可能性もあるが、原理的には景気が悪化するほど利上げをすれば、需要が減ってインフレは鎮静化するはずだ。
市場はあまりに悲観的すぎるように感じる。

米国債が割安だと主張しているのは私だけではない。髙橋ダン氏は米国債は長期的には割安なので、長期的に少しずつ買っていくことを推奨されているし、広木隆氏も「とても正しいプライシングとは思えない」と指摘されている。


2.米国債のリスク

あまりに話がうますぎる。米国債を買うことにリスクはないのだろうか。
生き馬の目を抜く市場においてリスクがないのに割安なものが放置されている訳がないのであって、もちろんリスクはある。
大きなリスクは二つある。一つは短期的な下落リスク。もう一つはドル円の下落リスクだ。

2.1 短期下落リスク

米国7~10年債ETFであるIEFは8月1日から10月7日にかけて9.83%も下落し、今現在も下落中だ。まさに「落ちるナイフ」だ。
FRBはインフレが収まるまで利上げを続けると明言している。金利が上昇すると国債価格は下落する。インフレがいつ収まるか分からない以上、短期的にどこまで下がるか分からないので、みんな怖くて手が出せない状態だ。
債券版恐怖指数のMOVE指数はコロナショックの水準まで上昇している。債券市場はコロナショック並みの恐慌状態に陥っているということだ。逆に言うとそれゆえに割安なのだが。
落ちるナイフは掴むなという格言もある。短期的に大きな含み損を抱えるのが嫌な人は、債券価格がある程度安定してから買った方が良いかもしれない。
だが、同じことを考えている人は大勢いるので、価格が安定するやいなや買いが殺到して急反発する可能性が高く、タイミングの見極めが難しい。

2.2ドル円下落リスク
米国債は円ベースで見ると為替の下落リスクがある。
ドル円は概ね日米金利差と連動している。日本の長期金利はほぼゼロで変わらないので、日米金利差≒米国金利だ。
3月4日は米国長期金利=1.737%、1$=114.85円だったが、10月7日には米国長期金利=3.883%、1$=145.39円になった。
単純に比例計算すると、米国長期金利が1%上がると14.23円円安になる。
米国の長期金利が2.5%に下落すると1.383%下落するから、ドルは19.68円下落する。下落率は13.57%だ。
もちろん、為替レートは金利差だけで決まっているわけではないが、米国長期金利の下落で得られる値上がり益は円ベースで見るとある程度相殺されてしまう可能性が高い。


3.まとめ

短期的に大きな含み損を抱えるリスクや、為替リスクはあるものの、米国10年債は長期的には割安なように見える。
もちろん、米国のインフレが長期化し、FRBが利上げを止められないリスクは存在する。
だが、FRBが利上げを停止するまで長期に渡って時間分散して少しずつ買っていけば、いずれは報われる可能性が高いのではないだろうか。


米国債に投資するには米国ETFを買う、日本のETFを買う、米国債を直接買うの3通りがある。

米国ETFとしてはIEFなどがある。SBI証券楽天証券などの大手証券会社であれば、外国株式口座を開設すれば買うことができる。

日本ETFとしてはiシェアーズ・コア米国債7-10年ETF(1656)、MAXIS 米国国債 7-10年 上場投信(為替ヘッジなし)(2838)などがある。為替ヘッジつきもあるが、現在は米国の金利が高く、ヘッジコストが高いのでおすすめできない。

米国債は証券会社の債券ページから既発債を買うことができる。満期まで保有していれば金利変動に関わらず買った時の利回りを得ることができる。ただし確定申告しないと二重課税される。
10年債はどちらかと言うと長期的には値上がりする可能性の方が高いので、生債券を買う旨味は薄いが、2年債の生債権を買うのは有望かもしれない。

新発田の観光地めぐり

出張で新潟県新発田市に滞在していた。仕事が早く終わった日に観光地を巡ってきたので写真をアップする。

 

1)諏訪神社

648年創建の歴史ある神社。新発田の総鎮守とされる。
入口には電子パネルが設置されており、神社に関する情報を読むことができる。

 

2)清水園・足軽屋敷

国指定名勝の清水園(下屋敷大名庭園)と重要文化財足軽屋敷。
入場料700円。外から見ただけで帰ってきたので詳細は不明。

 

3)新発田城

初代新発田藩溝口秀勝が築城した城。廃藩後に大部分が取り壊されたが、表門と旧二の丸隅櫓、本丸石垣などが残っている。
入場無料。見学対象が辰巳櫓、表門、旧二の丸隅櫓しかないので、見学には30分もかからない。

新発田城の敷地の大部分は陸上自衛隊が駐屯している。そのため、辰巳櫓から見下ろすと、塀の向こうに自衛隊基地が見える。
基地内が隅々まで見渡せるのだが、写真を載せても大丈夫だろうか。

新発田は吉良邸討ち入りや高田馬場の決闘で有名な堀部安兵衛の出身地だ。
堀部安兵衛の父は辰巳櫓の管理責任者だったが、櫓の失火の責任を負って浪人となり、安兵衛は家名再興のために江戸に出たのだという。
城の前には堀部安兵衛像が立っている。櫓の管理人として無名のまま平穏な生涯を送るのとどちらが幸せだろうか。

 

4)本田屋

新発田駅の近くにある人気の食堂。
名物のシュウマイと餃子は五個入り580円(10月値上げ予定)。ビッグサイズで一皿で満腹になる。頼めば三個390円にしてくれる。
シュウマイは肉がぎっちり詰まっており、脂分がたっぷり入っている。餃子は野菜中心でニラが効いている。