先々週は世界的に株が下落した。1月から急速に上がった株は先週あたりから頭打ちになっていた。そこで、欧州中央銀行(ECB)が経済成長見通しを大幅に下方修正したり、中国の証券会社が珍しく売り判断を出したりしたせいで、株価が大きく下落した。
先週は株価が反転したものの、昨年末のような下落リスクは依然として残っている。
昨年末に比べて良い点は下記の二点だ。
1)FRBが利上げを当面停止。
2)米中貿易戦争が停戦になりそう。
一方、悪い点は三点ある。
1)ユーロ圏経済成長見通しが1.7%から1.1%に引き下げ。
2)中国2月の貿易統計で輸出が前年比20.7%減。
3)日本が統計上景気後退。
昨年末は景気後退するのではないかという不安で大きく下げた。今回は実際良くなかったことが分かったわけなので、楽観は出来ない。リスクのチェックが必要だ。
厳密にポートフォリオのリスクをチェックするには時系列データを入手して分散を取る必要があるが、もっと簡単に知る方法がある。昨年末はあらゆる資産のリスクが顕在化した状態だった。つまり、昨年末のポートフォリオを見るだけで、リスク資産をチェックすることができるのだ。
昨年末のポートフォリオを見て、こうなったらまずいと思う銘柄は今のうちに売り払うか、本格的下落が来たら素早く投げられる準備をしておくのが良いだろう。
2018年12月28日から2019年3月8日までの主な投資信託の騰落率を示す。
投資信託 | 騰落率 |
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大和-iFreeNEXT NASDAQ100インデックス | 14.37 |
楽天-楽天・全米株式インデックス・ファンド | 13.70 |
レオス-ひふみプラス | 13.60 |
大和-iFree NYダウ・インデックス | 13.04 |
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 12.96 |
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 12.74 |
楽天-楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド | 10.90 |
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 新興国株式インデックス | 10.51 |
SBI-SBI・新興国株式インデックス・ファンド | 10.39 |
三菱UFJ国際-eMAXIS 日経アジア300インベスタブル・インデックス | 9.08 |
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 7.82 |
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | 6.67 |
米国株、特にNASDAQの上げが大きい。
日本株は出遅れているが、ひふみプラスは米国株並みに上昇している。
新興国株は昨年の下落幅が小さかった分、戻りも少なくなっている。
一般に、上げ相場で大きく上げる銘柄ほど、下げ相場では大きく下落する傾向がある。
下げ相場に入ったらNASDAQを売り、底を打ったら素早く買い戻すことができれば、原理上市場平均を上回ることができる。大きく下げた時は続落が怖いので高配当株のようなディフェンシブなものを買いたくなるが、むしろNASDAQのような高成長株を仕込むチャンスなのだ。
天井と底の見極めが難しいので、なかなか上手くはいかないのだが。