東雲製作所

東雲長閑(しののめのどか)のよろず評論サイトです。

チェーン店の期間限定メニュー八番勝負

 「チコちゃんに叱られる!」を観ていたら、大人になると日々感動することが少ないので、時間が早く過ぎると言っていた。
 私は普段、夕飯はチェーン店の安い看板メニューで済ませることが多い。マクドナルドならハンバーガー、吉野家なら牛丼だ。看板メニューは薄利多売のためコスパが良いからだ。
 だが、看板メニューは何度も食べているので食べても印象に残らない。数日前に何を食べたのかも思い出せないような生活をしていては、あっという間に老いて死んでしまう。これではいかん、と一念発起した私は、チェーン店の看板メニューではなく、期間限定メニューを食べてみることにした。

 最終的に私が良く行くチェーン店八店の期間限定メニューを食べ歩いたのでレビューする。メニュー毎に、看板メニューと値段や味を総合的に評価してどちらが勝ちか判定した。

サイゼリヤ
『ズッキーニとトマトのトロフィエ』(399円)vsミラノ風ドリア(299円)

f:id:shinonomen:20180910184633j:plain

 トロフィエというのはストローを指くらいの長さに斜めに切って捻ったような形状のショートパスタだ。
 具はたっぷりのズッキーニ、トマト、ベーコンで粉チーズがかかっている。野菜とベーコン、チーズの味が染み込んだスープが美味で、同価格帯のレギュラーメニューのパスタを上回る美味しさである。
 野菜が全く入っていないミラノ風ドリアより上等な食事という感じがする。
期間限定メニューの勝利!

 

松屋
『ごろごろチキンのトマトカレー』(590円)vsプレミアム牛めし(380円)

f:id:shinonomen:20180910184715j:plain

 ゴロチキはカレー専門店並みの美味しさで話題になった松屋の看板期間限定メニューだが、今回はそれをアレンジしてトマトカレーに仕立ててきた。ニンニクが効いたソースの辛さがトマトで中和されて前より食べやすくなっている。鉄板で焼いた香ばしい鶏肉の塊が文字通りごろごろ入っていて、満足感が高い。
 牛めしよりはだいぶ高いが、高いだけのことはある。
期間限定メニューの勝利!

 

モスバーガー
『ナンタコス』(430円)vsモスバーガー(370円)

f:id:shinonomen:20180910184749j:plain

 タコスの上にカレーのような風味のひき肉を乗せ、その上にキャベツ、トマト、トルティーヤをどっさり載せたもの。もっちりとしたタコス、しっとりしたトマト、シャキシャキしたキャベツ、パリパリしたトルティーヤが一度に口の中に広がって「食感の宝石箱やー」という感じである。
 だが、モスバーガーに比べると肉が少ないので物足りない。
看板メニューの勝利!

 

丸亀製麺
『牛山盛りうどん』(640円)vsぶっかけうどん(290円)

f:id:shinonomen:20180910184820j:plain

 注文を受けてから小さなフライパンで炒め始める牛丼の具が別皿で提供される。牛肉は甘辛くて美味しく、見た目以上に食べごたえがあるが、うどんで640円は割高な感じを拭えない。
 ぶっかけうどんに温たま、とろろ、かしわ天を載せてもお釣りが来るし、牛肉はうどんよりご飯の方が合うと思う。天丼用ご飯+肉+無料のネギでねぎ玉牛丼にするのはありかも知れない。
看板メニューの勝利!

 

マクドナルド
『宮崎名物チキン南蛮バーガー』(390円)vsハンバーガー(100円)

f:id:shinonomen:20180910184851j:plain

 キャベツ、鶏の唐揚げ、炒り玉子を挟んだハンバーガー。柔らかく甘辛い鶏の唐揚げがどっさり挟んであって食べごたえ十分である。
 ハンバーガーは驚異的に安いことが売りだが、これは値段の割には美味しいバーガーで比べにくい。ビッグマックと比較すれば良いのだが、もう何年もビックマックを食べていないのだ。
引き分け

 

吉野家
『麦とろ牛皿御膳』(590円) vs牛丼(380円)

f:id:shinonomen:20180910184945j:plain

 麦飯、牛皿、とろろ、オクラ、味噌汁という五皿からなる定食。甘くて美味しいとろろを使っており、夏バテして食欲がない時でもするする食べられそう。麦飯の量は控えめでおかずがたっぷり。栄養バランスも取れており、小料理屋で出てくるようなグレードの高い食事だ。
 牛丼よりだいぶ高いが、定食屋なら1000円くらいしそうなのでお得感がある。
期間限定メニューの勝利!

 

なか卯
『4種チーズの親子丼』(590円)vs親子丼(490円)

f:id:shinonomen:20180910185009j:plain

 親子丼の具がチーズで一固まりになってピザの具みたいになっている。親子丼ととろけるチーズの旨味がミックスされた濃厚な味はもちろん美味いのだが、ジャンク度も増してしまっている。
 親子丼そのものが完成された美味しさなので、それを凌駕しているかというと微妙。100点の親子丼に30点のチーズを加えて100点になっている感じ。
看板メニューの勝利!

 

日高屋
『ごま味噌冷し』(550円) vs中華そば(390円)

f:id:shinonomen:20180910185034j:plain

 ごまだれにつけて食べる冷やし中華。酸味があってさっぱりしており、暑い時期にはぴったりである。
 ただ、多くの冷やし中華同様、一夏に一回食べれば良いかなという感じ。これを食べるなら、同じ値段で餃子3個をつけてもお釣りがくる中華そばの方が満足度が高い。
看板メニューの勝利!

 

トータル
期間限定メニュー3勝
看板メニュー4勝
引き分け1
看板メニューの勝利!

 

 期間限定メニューは事前の予想どおり割高なものが多かった。しかし中にはかなり美味しいものもあったので、先入観に囚われず試してみるのも重要だと感じた。
 なお、私が原稿を書くのが遅いので、レビューしたメニューの多くが既に販売を終了している。食べに行く際は、事前にホームページ等でまだ販売しているか確認して頂きたい。