投資を始めて最も驚いたことの一つが、投資信託は当日の注文を締め切った後に価格(基準価額)が発表されるので、いくらで買えるか分からないということだ。
もし商品に値札がついておらず、レジを通すまで値段が分からないスーパーがあったら、誰も行かないだろう。投資信託はスーパーで買う日用品より高いにも関わらず、みな値段が分からないことに唯々諾々と従っている。それなりの理由があるとは言え、奇妙な商習慣だと言わざるを得ない。
投資信託の値段は基本的に買った日の終値から決まる。日経平均やTOPIXに連動する投資信託の場合、取引終了となる午後三時直前の値段を見て買い注文を入れれば、ほぼ連動した価格で買える。問題は外国株式の投資信託だ。
外国株式も買った日の終値と為替から価格が算出される。だが、先進国株式の場合、日本時間の午後三時時点では欧州市場や米国市場は開いてすらいないので、終値がいくらになるか分からない。前日下がっていたからと買い注文を出すと、翌日は反発していて高く買うはめになることも多い。
投資信託の基準価額は、同じ指標に連動するETFの値動きを見ればある程度予想がつく。
例えば、eMAXIS Slim先進国株式インデックスのように、MSCIコクサイ・インデックス(円)に連動するインデックスファンドを購入する時は、MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信のように、同じ指数に連動するETFの価格を見ればよい。
ETFの取引価格は先物価格などを参考に投資家達が値動きを予想して売買した結果決まるので、ある程度近い値動きになる。
eMAXIS Slim | MAXIS海外株式 | |
2018/6/1 | -34 | -217 |
2018/6/4 | 183 | 102 |
2018/6/5 | 81 | 86 |
2018/6/6 | -5 | -128 |
2018/6/7 | 123 | 158 |
2018/6/8 | -35 | 5 |
2018/6/11 | -40 | -165 |
2018/6/12 | 125 | 103 |
2018/6/13 | 22 | 60 |
2018/6/14 | -38 | -69 |
2018/6/15 | 31 | 72 |
2018/6/18 | -41 | 30 |
2018/6/19 | -71 | 12 |
2018/6/20 | -83 | -149 |
2018/6/21 | 66 | 173 |
2018/6/22 | -107 | -129 |
2018/6/25 | 22 | 199 |
2018/6/26 | -177 | -219 |
2018/6/27 | 42 | 99 |
2018/6/28 | -57 | -57 |
2018年6月のeMAXIS Slim先進国株式インデックスの基準価額とMAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信の終値の前日比を示す。設定時の価格が違うので絶対値はだいぶ違うが、値動きの傾向は似通っている。
2018年上半期の両値を比較した所、相関係数は0.78となり、かなり強い相関があった。
ただし、相関係数は0.78であって1ではないので、全然違う値動きをすることもある。特に午後三時以降に大きなニュースがあった場合は、ETFにはそのニュースが反映されていないので、異なった値動きになるはずだ。