東雲製作所

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乗り物天国ルスツリゾート

  少し前に北海道の留寿都村に行った。留寿都村は札幌から南西に車で一時間半くらいの場所にあり、リゾート地として有名である。冬はスキー、夏はゴルフやテニスができ、大きなホテルや遊園地が建っている。
 そんな高級リゾートで私が何をしていたかと言うと、森で虻に追い回されていた。少しでもリゾートのおこぼれに預かろうと、目を皿のようにしてルスツリゾートの敷地内を観察していた所、あることを発見した。ルスツリゾートはやたら乗り物が充実しているのだ。

 まず、ホテル間を無人運航のモノレールが結んでいる。

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  リゾートの敷地内にはグラスゴートレインを始め、三種の鉄道が運行されている。

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  スキー場なので冬場は当然ゴンドラやリフトに乗ることができる。
 遊園地にはジェットコースターやフリーフォールなどの乗り物があるし、ゴーカートや馬、熱気球などにも乗ることができるのだ。

  しかしながら、これらの乗り物に乗ることができるのは、ルスツリゾートのチケットを買った者のみ。一番安い、17時以降入場できるナイター券でも2500円する。モノレールに乗るだけでも2500円も取られるのだ。

 グーグルマップから概算したモノレールの路線距離は550m。グラスゴートレインが700mである。他の鉄道は距離が短く、遊園地の乗り物は乗る場所と降りる場所が同じだろうから路線距離は0mとすると、ルスツリゾートの鉄道の営業キロあたり運賃は2000円となる。

 「日本国内で初乗り料金の高い鉄道線!」という記事によると、初乗り運賃が日本一高いのは立山黒部アルペンルート関電トンネルトロリーバスの1540円で、路線距離6.1kmとのことだ。ルスツリゾートの鉄道は運賃はより高く距離はより短い。
 遊園地に隣接するモノレールという共通点を持ち、比較対象として適切なディズニーリゾートラインは路線距離5.0kmで260円なので、乗り物だけ乗りたい人にとってルスツリゾートの鉄道は、ディズニーリゾートラインの10倍、距離当たりでは38倍も高いことになる。

 もちろん、ルスツリゾートのチケットは乗り物以外のアトラクションがメインなことは分かっている。ディズニーリゾートのアフター6パスポートは4200円なので、遊園地としての料金はルスツリゾートの方が安い。だが、この料金体系では、遊園地などどうでも良い鉄道ファンを取り込めないと言いたいのだ。

 日本のモノレール - Wikipediaを見てもルスツリゾートのモノレールは載っていない。ルスツリゾートのウェブページにも路線距離や形式といった基本的な情報が書かれていない。鉄道ファン向けにアピールしていないのではないか。

 ルスツリゾートは500円くらいでモノレールと三種の鉄道に乗れるチケットを売り出せば、札幌に来た鉄道マニアが足を延ばして乗りに来るのではあるまいか。

 

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