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東雲製作所

東雲長閑(しののめのどか)の書評サイトです。ジオシティーズ(http://www.geocities.jp/shinonomenod/)から移転してきました。

あの発言は「現場が頑張っている日本映画をつまらないとか言うな」という意味ではあるまい

 福田裕彦氏のツイッターの発言が炎上している。

 

 確かにこの発言だけを見れば「いくら現場が頑張っていても、つまらないものはつまらないだろ」と突っ込みたくなるのは分かる。
 実際、この発言まとめに対するブコメは同様の批判で埋まっていた。

 だが、この発言は「レベルが本当に低い!」 英国配給会社代表、日本映画に苦言という記事に対する反論として書かれたものだ。
そして当該記事でアダム・トレル氏は以下のような主張をしている。

 では今の日本映画の何が悪いのだろうか。一番の問題は「お金」と強調する。「ギャラが低すぎ。キャストやスタッフはお金をもらったらもっと頑張る。『下衆の愛』は予算が低くてギャラも安いけどロイヤルティー(対価)を出す。ヒットしたらみんなと収入を共有するので公平でしょう? お金が戻ってくると、みんな頑張るじゃないですか」

 福田氏の発言はこの部分に対する反論である。つまり、福田氏が言っているのは、「制作のスタッフは金がない現状でも十分に頑張っている。だから日本映画がつまらない原因は金のせいじゃない。」ということだ。

 私は映画の現場を知らないのでどちらの意見が正しいかは分からない。だが、日本人の気質を考えた場合、福田氏が言っていることの方が正しいように思う。なぜなら、多くの日本人はギャラが安いから手を抜いて仕事をしようとは考えないからだ。そのことは低賃金なのに頑張って働いているコンビニや飲食店のバイトを見れば良くわかる。

 だが、キャストやスタッフにもっとお金を払うべきだというトレル氏の主張自体には賛成だ。
 第一に、ギャラが高い方がより優秀な人材が集まるからだ。ギャラが低いから手を抜こうとは思わない人でも、低賃金と高賃金の仕事があったら高賃金の仕事を選ぶのは自然なことだ。第二に、優れた仕事をしたスタッフが正当な対価を得られていない現状は社会的に公正でないからだ。