東雲製作所

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三銃士 上 アレクサンドル・デュマ、竹村猛 訳 角川文庫
最近ライトノベルばかり読んでいたので、たまには古典もと思って読んだら、ばりばりキャラが立ったエンターテイメントでほとんどライトノベルだった(イラストもついているし)。
ダルタニャンと三銃士は固い友情で結ばれてはいるのだけれど、それぞれ友情よりも大事なものを持っている所がさっぱりしている。

ウィザーズ・ブレインVI 再会の天地〈下〉 三枝零一 電撃文庫
ライトノベルには話し合いが足りないということを書いたばかりだったのだが、本作では討論シーンを中心に据えており、しかもアニルさんの最後の演説は本当に心うつもので、言葉の力というものを見せ付けてくれた。
私はずっと一巻で錬にフィアか神戸市民か選ばせなかったのは甘かったのではと思っていたのだが、ここまで来て大戦略としてあえて選ばせなかったのだと分かって完全に脱帽です。

三銃士 下 アレクサンドル・デュマ、竹村猛 訳 角川文庫
同じように自分の目的のために人を殺しているにも関わらず、ダルタニャンは快男児、ミラディは悪女になってしまうところがいかにもフェミニズム以前の作品だ。
しかし、悪女だと記してはいるものの、魅力たっぷりに描かれているところは、エンターテイメントを追求すると差別に対し公平になるという誰だかが言っていた原理を思わせる。

悪魔のミカタ6664 スコルピオン・デスロック<下> うえお久光 電撃文庫
もはや棒倒しでも騎馬戦でもない体育祭最終決戦もすごかったが(うえおさんのイマジネーション恐るべし)、その後の展開はさらにすごく、ぎをらむさんとか安眠練炭さんとかが好きそうである。
一見、無茶苦茶な策なようであるが、あの立場に立たされれば、まあそうするだろうし、あの状況を切り抜けられそうな人はあの人しかいないだろうから、考えれば考える程にたった一つの冴えたやり方であるように思えてきた。