東雲製作所

東雲長閑(しののめのどか)のよろず評論サイトです。

D姫ノ全テはダテじゃない!感想

DIVE!!上 森絵都 角川文庫
以前CAXさんがお勧めライトノベルに挙げていたけど、”青森の海でしか飛ばない、伝説のダイバーの孫”などなどキャラの立て方は完全にライトノベルだ。
銀盤カレイドスコープ』が好きな人ならほぼ間違いなく気に入るだろう(というか世間一般的にはDIVE!!にはまった人に銀盤を勧めたい所だ)。

DIVE!!下 森絵都 角川文庫
ライバル達が次々とせっかくのチャンスを無にして決着を先送りにするのだが、作者も読者も作中の選手達も、三人がしのぎを削るのが楽しくて、いつまでもこの勝負が続いて欲しいと思っているように感じた。
視点人物を次々変えて、その人の背景を書き込むことで、飛び込みへの興味が薄い読者をも引き付けている手法が巧みで、私もこの前落選したかるた小説でこの手法を使っていれば・・・と後悔したが後の祭りである。

鉄球姫エミリー 八薙玉造 集英社スーパーダッシュ文庫
読むとアドレナリンが迸り、吶喊したくなる熱血小説。
おそらく金庸が好きな人にぴったりだと思うが、金庸を読んだことのない私も息詰まる展開に引き込まれ、ぐいぐい読んだ。

とある魔術の禁書目録ノ全テ 電撃文庫編集部編 メディアワークス
鎌池和馬自己満足コラム「物語の中の実権など」』や各話コメントを読むと、作者が明確な意図を持って話にバリエーションをつけてきているのが分かって勉強になる。
また、漫画化等で編集者の果たした役割が生々しく書かれていて興味深い。
膨大な設定が整理されていて重宝だが、特別付録キャラクター相関リストの対上条観(現在)は記述が淡白すぎ、某書の相関図の方が的確であろう。

量産型はダテじゃない! 柳実冬貴 富士見ファンタジア文庫
タイトルといい、量産型が頑張る所といい、滅茶苦茶ツボに入った大好きな作品。
ナンブの口調や十字傷は緋村剣心へのオマージュなのだろうか。