東雲製作所

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文学少女小説まとめ

 『時載りリンネ!』を読んでいて、そういえば文学少女が出てくる小説って結構あるよな、と思い、まとめてみました。
 ここでは文学少女を「年中本ばかり読んでいる少女」もしくは「本が無いと生きていけない少女」と定義しました。
 これが抜けているぜ、というのがありましたらコメントを頂けると幸いです。


更級日記』(菅原考標女)
源氏物語を読みたくてお祈りまでする日本最古の文学少女小説。今生きてたら絶対コミケに出店してそうなヒロインに、文学少女は時代を選ばないことを実感できる。

『R.O.D』(読子=リードマン)
紙を自在に操る”紙使い”の奇想天外なバトルを描いた文系アクション小説。大英図書館のエージェントで本屋を一店買い占めたりするヒロインの読書狂っぷりはトップクラス。

『GOSICK―ゴシック―』(ヴィクトリカ
第二次大戦前の架空の国家ソヴュール王国を舞台にした本格ミステリー。パイプをふかしいつも本を読んでいるヒロイン、ヴィクトリカは小学生の女の子にも人気らしい。

『戒書封殺記』(楠本綴)
禁断の書物”戒書”をめぐるバトルアクション。文学少女は影が薄く、主人公の文学少年、月詠読破が本で迫り来る敵を殴り倒す。

涼宮ハルヒシリーズ』(長門有希
言わずと知れた大ヒット学園SF。長門有希は元々第三ヒロインだが、本好きの間ではハルヒを凌ぐ人気を誇り、長門有希の百冊が取り上げられたりした。

半分の月がのぼる空』(秋庭里香)
普通の高校生が入院先の少女に恋をする正統派難病もの小説。ヒロインが病室で読んでいる小説が毎回重要な役割を果たす。

文学少女シリーズ』(天野遠子
文学をなぞるような事件を文学少女が解決するという文学漬けな作品。文字通り本が無ければ生きていけない”妖怪”ヒロインが熱く文学を語るところが読みどころ。

暗闇にヤギを探して』(千早千歳)
ノートが切り取られ「ごめんなさい、おいしかったです」という手紙が挟まっていたことから始まる恋愛小説。主人公がぼーっとした性格でとぼけた味わいがある。

青年のための読書クラブ』(妹尾アザミ 他)
東京山の手の名門女学校、聖マリアナ学園の中で異形の生徒が集う「読書クラブ」の百年史。歴代のお嬢様と変人達が文学をモチーフにした奇妙な騒動を繰り広げる。

時載りリンネ!』(箕作リンネ・メイエルホリド)
本を摂取することで生きている”時載り”という一族をめぐる冒険。ヒロインは本嫌いなのだが、戦闘準備のためにせっせと本を読むはめになるところがユニークだ。

『カラミティナイト』(沢村智美)
現実世界にフィクションが入り込んでくる変わったタイプのファンタジー。どんどん深みに入り込んでいくヒロインの欝思考がすさまじい。(8/29追記)