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東雲製作所

東雲長閑(しののめのどか)の書評サイトです。ジオシティーズ(http://www.geocities.jp/shinonomenod/)から移転してきました。

死なない永遠の悪魔青年の彼女ための樹海学校感想

悪魔のミカタ6662 スコルピオン・テイル うえお久光 電撃文庫
二百八頁の洋平の台詞に痺れたのだが、冷静になってみると、皆がそれをやったら万人の万人に対する闘争状態になってしまうではないか。
本作ではカエルを刺してカエルもろとも河に沈んでしまうサソリの話が象徴的に登場するが、最終的に、サソリがサソリであることを貫く話になるのか、それとも理性によって刺さないことも可能だという可能性を提示するのかで、まるで違った話になるなあ。

二四〇九階の彼女 西村悠 電撃文庫
キノの旅』+『猫の地球儀』みたいな話で前に進もうとする意思が印象的だ。
それにしても主人公のやろうとしていることって一三〇一階の内、一階でも機能停止していたらどうしようもないわけで、殆どミッションインポッシブルではあるまいか。

たま◇なま 生物は、何故死なない? 冬樹忍 HJ文庫
『コップとコッペパンとペン』もびっくりのすさまじい経過省略で幕を開け、『学校へ行こう』並みの哲学的問いが主軸になっていたりとかなり変な話。
鉱物生命体少女・由宇がたどり着いた、『生物は、何故死なないのか?』に対する答えは、生物全てには当てはまらないように思うけど(細菌とか)、人間に関してはそうかも知れない。

青年のための読書クラブ 桜庭一樹 新潮社
「赤朽葉家」は作者の全力疾走のような作品で、圧巻だったが、これはスキップやダンスをしているような作品で、作者がノリノリで書いているのが伝わってきて大変楽しい。
少女革命ウテナを思わせるへんてこ学園もので、基本的にはバカ小説だと思うのだが、過去の積み重ねというものが伝わってくるラストにはほろりとさせられた。

樹海人魚 中村九朗 ガガガ文庫
中村氏の小説は何かに似ていると思っていたのだが、視覚的描写が断片的だったり、主人公が読者の意に反する行動を取ったり、リアリティが茫洋としていたりと夢に似ているのだと気がついた。
ヒロインの重力が逆になっていて天井を歩くという設定がいかす。

学校の階段6 櫂末高彰 ファミ通文庫
4巻の感想で、策士の話が好きだと書いたが、その後も次から次へと新たな策士が登場し、学園策謀劇みたいになっているぞ。
今回主人公の立場がはっきりして気づいたのだが、学校の階段悪魔のミカタとテーマが同じだ。

永遠のフローズン・チョコレート 扇智史 ファミ通文庫
桜庭級の息を呑むような鋭利な文章で綴られる、ひりつくようなどんづまりの日々の話。
ヒロインが殺人者であることに目が行きがちだが、むしろ殺人すらも呑みこんでしまう日常の圧迫こそが骨子だろう。