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東雲製作所

東雲長閑(しののめのどか)の書評サイトです。ジオシティーズ(http://www.geocities.jp/shinonomenod/)から移転してきました。

よくわかる文学都市ブールの外 感想

文学少女”と穢名の天使 野村美月 ファミ通文庫
ミステリーはどれも、探偵が事件が起こったあとに登場するため、大なり小なり事件が起こる前に探偵が登場していればなあ、と思うのだが、本作の場合、遠子先輩が太陽の如き輝きを放っているため、なおさらミステリーという形式が恨めい。
キャラクターの苛烈な糾弾に対し、読みながら、「そうは言ってもそれは一面的なものの見方なんじゃないのか。」と思いつつ読み進めていくと、遠子先輩が登場し、「それは一面的なものの見方よ。」みたいなことを言うことが多く、野村さんは読者がどう思うかを予想する能力が卓越しているのだと思う。

ブール・ノアゼット 世界一孤独なボクとキミ 藍上陸 集英社スーパーダッシュ文庫
本作には愛を唱える右翼団体(自称は右翼ではないが)の少女が登場するのだが、そこから、右翼は愛(己の欲する所を人に施せ)の思想であり、左翼は恕(己の欲せざるところ人に施すなかれ)の思想なのではないか、と思いついた。
よく、「左翼には人物がいない」、ということが言われるが、それは正しくは「左翼には愛にあふれた人物が少ない」ということであり、逆に言うと、右翼には恕にあふれた人は少ないのでは、と思ったのだが、それはそれとして、これは神ではなくて人間の話だよね。

扉の外II 土橋真二郎 電撃文庫
何故面白いか良く分からないのにページを繰る手が止まらない!
皆が幸福にやっていく方法はないのかという命題は難しいが、ものすごく不幸になる少数のために、多数派がわずかな不利益を受容できるか、という問題になるのだと思う。
詳しい感想

矛盾都市TOKYO 川上稔 電撃イラストノベル
これはキャラクターがこてこてのライトノベルであることを除けば、どこからどう見てもばりばりの純文学であり、豊崎由美さんのような前衛文学を褒め称えている書評家が読んで何事かを述べるべきだと思うのだが、純文学畑の人は絶対読まなそうなのが惜しいことである。
詩集のようでもあり、特に
 横にnobodyが座って来た。彼はこちらに、よ、と挨拶せず、
 「Nobody no forget そういうもの、そういうものさ」
 というnobodyの低い声が僕には聞こえなかった。

という下りが格好良い!

よくわかる現代魔法 jini使い 桜坂洋 集英社スーパーダッシュ文庫
烏龍茶などのキーワードがぴたぴたとはまっていく感覚が気持ちよく、嘉穂のハードボイルドな佇まいが格好良い。
それにしても美鎖と弓子はどうしてこう無駄バトルばかりするかな。