東雲製作所

東雲長閑(しののめのどか)の書評サイトです。ジオシティーズ(http://www.geocities.jp/shinonomenod/)から移転してきました。

評論

一瞬で伝わるもの――ヨコハマトリエンナーレ2017感想

ヨコハマトリエンナーレは12年前に行って面白かったのだが、遠いので二の足を踏んでいた。だが、日曜美術館で壇蜜さんが紹介していたので、俄然興味が高まった。さらにはぶっださんもレビューを書かれていたので、重い腰を上げて行くことにした。 ヨコハマト…

文化の盗用と関西弁

しばらく前にわっとさんが文化の盗用の問題点について書かれていた。 www.watto.nagoya 私はモデルのカーリー・クロス氏が和服を着てグラビア撮影を行い、バッシングされた事件で文化の盗用という概念を知ったので、文化の盗用=行き過ぎたポリコレだと捉え…

エスカレート・立場の逆転・身体性・斬新さ――キングオブコント2017感想

(本稿はキングオブコント2017のネタバレを含みます。) キングオブコント2017はかまいたちが優勝した。一方で、最も衝撃を与えたのはにゃんこスターのリズム縄跳びネタだろう。 全15ネタを見返した所、高得点を得たネタに共通する要素が見えてきた。それが…

何故けものフレンズは人気なのにリベラルは叩かれるのか

テレビ東京系で『けものフレンズ』(たつき監督)が再放送された。私も冒頭だけ見てから出社し、帰ってきてから録画を見て癒やされていた。ほんと、幸せな気分になるアニメだよね。 けものフレンズのメッセージはオープニングテーマの「けものはいてものけも…

自らの人生を選び取っているか?――おんな城主直虎第33回 嫌われ政次の一生感想

(本稿は「おんな城主直虎第33回 嫌われ政次の一生」のあからさまなネタバレを含みます。) おんな城主直虎第33回で直虎が政次を自ら刺し殺したのには驚愕した。実家に帰省して家族で見ていたのだが、終わるまで誰一人口を開くことができなかった。 直虎の政…

観客は主人公と一緒に叩き落とされる

(本稿は『君の名は。』『この世界の片隅に』『時をかける少女』『アナと雪の女王』『ベイマックス』の内容に触れています。核心部分は反転していますが、抽象的にはネタバレになります。) 最近、アニメ映画で驚愕することが多い。 もろネタバレになるので…

南渓和尚キュゥべえ説――おんな城主直虎第6回感想

(本稿は『おんな城主直虎』第6回と『魔法少女まどか☆マギカ』のネタばれを含みます。) NHK大河ドラマ『おんな城主直虎』(森下佳子作)は全く期待しておらず、おとわが可愛いから見始めただけだったのだが、登場人物の葛藤が丁寧に描かれていて面白い。 第…

歌番組としての矜持――第67回NHK紅白歌合戦感想

(本稿は第67回NHK紅白歌合戦のネタばれを含みます。文中の敬称は略させて頂きました。) 生放送の魅力は何が起こるか分からないことだ。紅白歌合戦は生放送の歌番組だが、歌番組は最も生放送に向いていない。何故なら、歌は古典芸能と並んで最も何が起こる…