東雲製作所

東雲長閑(しののめのどか)のよろず評論サイトです。

投資

2021年のグロース株、バリュー株のリターン概算

年末年始に2021年の株式相場展望記事が沢山出ていた。ざっと目を通した感じでは、2021年は経済活動回復に従って、出遅れていた景気敏感バリュー株が巻き返すという予想が多い。 私は2020年11月17日に「主要指数のコロナショックからの回復率」という記事を書…

米国株は23%下落するか、2年間横ばいか、その複合。

全世界的に株価が高騰している。S&P500は史上最高値を更新、日経平均もバブル期以来の高値を更新した。 一方、企業業績はまだコロナ前を下回っている。株式市場全体が割高になっているのだ。 株高の原因は各国の政府や中央銀行が供給する過剰流動性だ。コロ…

投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2020に投票しました。

shinonomen.hatenablog.com 主に上記記事で挙げたものの中から選出。 上場インデックスファンド米国株式(NASDAQ100)為替ヘッジなし(2568)信託報酬 0.25%長年待ち望んでいた、QQQ連動の格安信託報酬ETF。ポートフォリオに加えることで、誰でも簡単にリス…

主要指数のコロナショックからの回復率

世界的にグロース株からバリュー株への資金シフトが起きている。アメリカではこの1ヶ月で伝統株の割合が高いダウ平均が3.05%、小型株のラッセル2000が6.75%上げたのに対し、ハイテクグロース株主体のナスダック100指数は+0.72%とほぼ横ばいだった。日本でもT…

市場平均を上回っている指数まとめ

日経500種平均がバブル期につけた史上最高値を上回ったというニュースがあった。 news.yahoo.co.jp TOPIXや日経平均が最高値の6割付近で低迷する中、日経500種平均はパフォーマンスで圧倒的に上回っている。TOPIXや日経平均を売って日経500種平均に乗り換え…

日銀のETF購入は全国民から10万円ずつ集めて海外の機関投資家に配るような政策

1)日銀とGPIFが日本株を大量保有10月23日の朝日新聞に「公的マネーが大株主8割 東証1部4年で倍増、1830社に」という記事が出ていた。 www.asahi.com 年金資金を運用する国の独立行政法人と日本銀行が、東証1部企業の8割にあたる約1830社で事実上の…

上場インデックスファンド米国株式(NASDAQ100)為替ヘッジなし(2568)~最強ETFQQQの格安日本版

長期投資では利益成長率が高い資産に投資すべきだ。長期的には株価の成長率は利益成長率に連動するからだ。 私の知る限り、利益成長率が最も高いETFがNASDAQ100に連動するQQQだ。 アップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット(グーグル)、フェイス…

GAFAMとバリュー株のどちらが優位か

コロナ禍で3月に暴落した米国株が急速に値を戻している。S&P500は8/18に下落前につけた史上最高値を更新した。株価の上昇を牽引したのがGAFAMと呼ばれるGoogle、Apple、Facebook、Amazon、Microsoftのハイテク大手5社だ。 ハイテクウェイトの高いNASDAQ100の…

シラーPERとリターンの検証

シラーPER(CAPEレシオ)というノーベル経済学賞受賞学者のロバート・シラー教授が考案した株式指標がある。通常のPERが1年間の利益を元に算出するのに対し、シラーPERは過去10年間の利益をインフレ調整して用いる。 PER=株価/1株当たり純利益シラーPER=…

株価の暴落を待つべきか

2020年3月の暴落でS&P500は2237.3999まで下落し、2016年12月6日以来の安値をつけた。2016年12月7日以降に買った投資家は全て、暴落を待っていた方が安く買えたことになる。 一般に、米国株のような右肩上がりの資産では原理的にはすぐに一括投資、心理的には…

つみたてNISAでタイミング投資をする方法

個人投資家向けの非課税制度にNISAとつみたてNISAがある。私は昨年まではNISAを使っていたが、今年からつみたてNISAに切り替えた。 NISAやつみたてNISAには、買った商品が値上がりして出た利益や配当が非課税になるというメリットがある。一方で、損失が出て…

先行指標で暴落を察知できるか―株価指数編

2020年2~3月の株は歴史的暴落となった。S&P500は35%も下落して数年分の利益が吹き飛んだ。もし暴落を事前に察知して高値で売り抜けることができれば、大きな利益を得ることができる。株は半導体株のような景気敏感株と生活必需品株のようなディフェンシブ株…

1/4イールドスプレッドの提唱

PERかイールドスプレッドか、それが問題だ。 株の割安さを測る指標としてはPER(益利回りの逆数)とイールドスプレッド(S&P500益利回り-米10年国債利回り)がある。東雲製作所ではどちらの指標が有効なのかを何度か記事にしてきた。 shinonomen.hatenablog.co…

安値で買って高値で売る方法

S&P500は最高値から30%以上も下落した。現在は少し戻しているがまだまだ予断を許さない状況だ。こんな時に思うのが、暴落前の高値で売って、暴落後に買い戻せば大儲けできたのにということだ。もし全知全能の神であれば、2018年末の底値に全力で買って2020年…

米国株の適正価格は投資期間によって異なる

世界的な株の暴落が続いている。NY株式市場では下落率7%で取引中止になるサーキットブレーカーが3月に入って3回も発動した。S&P500の最高値からの下落幅は17日時点で25.3%。16日には29.5%に達した。このような乱高下相場ではバリュエーション(株式の適正価…

短期の値動きより本質的価値に注目しよう

先週のS&P500はすさまじい下げっぷりだった。3.35%、3.03%、0.38%、4.42%、0.82%と5日続落し、一週間で12%も下落した。 私は2月14日に「落ちるS&P500はさっさと掴め」という記事を書いた。靴磨きの少年が株の話をし始めたのを聞いた投資家が株を売り払って暴…

落ちるS&P500はさっさと掴め

「落ちるナイフは掴むな」という相場格言がある。下落中の株は買わず、底を打ったのを確認してから買えという教えだ。「下落している株を底値で拾おうというのは、落ちてくるナイフを素手でつかむようなものである。ナイフが地面に突きささり、しばらく揺れ…

米国株はPER的には割高だが、イールドスプレッド的には上昇余地がある。

米国株の高騰が止まらない。S&P500は連日史上最高値を更新し、1月17日には3329.62$に達した。 株価の割安性を示す予想PERは過去2年で最も高かった2018年1月5日の19.25を上回る19.45まで上昇した。 私はPER19以上なんて高過ぎる、じきに下落するだろうと考え…

Fear & Greed Indexによるタイミング投資の検証

昨年はあらゆる資産が値上がりした。特に、米国株の主要指標であるS&P500は28.7%も上昇した。実際は1年でそんなに儲けた人はほとんどいない。昨年1月は総悲観状態で、どかすか買えたのは著名ブロガーのたぱぞう氏などほんの一部の勇敢な人だけだ。 私はS&P50…

S&P500+Jリート―スリーシーズンズポートフォリオ

1)米国株と日本株を組み合わせてもリスク当たりリターンは改善しない。 先月の記事でS&P500に日本株と新興国株を混ぜて全世界ポートフォリオを作る方法を紹介した。全世界ポートフォリオは効率的市場仮説という経済理論に基づいている。割安な株があったらた…

投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2019に投票しました。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)長期成長性が高い、リスクが少ない、信託報酬が安いという三拍子そろった素晴らしい投資信託。iDeCoやつみたてNISAで二十年以上積み立てるなら、これ一本で十分だろう。 iシェアーズ・コア Jリート ETF信託報酬最安のJリート投…

eMAXIS Slim米国株式と3地域均等を組み合わせて格安全世界ポートフォリオを構築しよう

三菱UFJ国債投信がeMAXIS Slim 米国株式、全世界株式の信託報酬引き下げを発表した。 https://emaxis.jp/text/253266s_191015.pdf eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 0.15%以内 → 0.088%以内(税抜き。以下同様) eMAXIS Sl…

ソフトバンクグループ株は割安か

(今回の記事は長く込み入っているので、結論だけ知りたい方は一番下のまとめをご覧下さい。) ソフトバンクグループ(以下ソフトバンクG)株が大幅下落している。 ソフトバンクGは7月29日につけた5886円の年初来高値から下落に転じ、10月25日には3958円の…

会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方感想――急成長株はリスクが高い

『会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方』(渡部誠二著、東洋経済新報社)は四季報読破を20年以上続けてきた著者が会社四季報の活用術や株価が10倍、100倍になるような急成長株の見つけ方を説いた本だ。 「たとえ割安でも、「カタリスト(上がる…

ネット銀行の3ヶ月定期預金を渡り歩いて年利0.3%をゲットしよう。

じぶん銀行が10月末まで他行から振り込まれた金を3ヶ月もの円定期預金にすると年利0.35%になるキャンペーンをやっている。 www.jibunbank.co.jp キャンペーンを利用すると円定期の年利率は1ヶ月 0.03%3ヶ月 0.35%6ヶ月 0.03%1年 0.05%となる。通常、預け入れ…

一括投資・うねり取り・積立投資―投資戦略まとめ

投資戦略には大別して何を買うかといつ買うかの二種類がある。 このうち、何を買うかには無数の戦略があるが、いつ買うかに関しては主に三つしかない。一括投資・うねり取り・積立投資だ。 1)一括投資(バイ・アンド・ホールド) 一括投資はすぐさま対象資産…

SPDRS&P500(1557)のすすめ

株式市場の乱高下が続いている。トランプ大統領が対中関税の引き上げを発表して以降、株価は急降下。その後もトランプ大統領のツイートに株価が振り回されている。普通は、S&P500指数が1%以上動くとちょっとしたサプライズだが、今年の8月は22営業日中11営業…

逆イールドとは何か

8月14日に米国で米国10年国債利回りが2年国債利回りを下回る逆イールドが発生した。逆イールドは景気後退(リセッション)の前兆とされることから、株価は大きく下落。S&P500は-2.93%と今年最大の下げ幅を記録した。 ニュースサイトを見ても、逆イールドは景…

PERとイールドスプレッドのどちらを信じれば良いのか

米国債利回りが急落している。米国10年債利回りは昨年末は3%以上あったのが、現在は1.6%台にまで落ち込んでいる。 そこで私を悩ませているのが、「PER(益利回り)とイールドスプレッド、どっちを信じれば良いのか問題」だ。 PERとは株価÷純利益で、PERの逆数…

先進国・新興国・米国・日本株のPER・PBR・EPS推移(2019年1~6月)

投資をするにあたって、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)といったファンダメンタル指標は基本的な情報だ。PERやPBRの過去の推移と現在値を見比べることで、現在の株価が割高か割安かを判断することができる。 米国株の主要指数のPERや、日経平均のPERは…